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命のバトン ~赤ちゃん縁組がつなぐ絆~ [単発]

「赤ちゃんは、ほっとかれると、それだけで死んじゃうんだから、あたしたちが生きる権利 守らないと」



「妊娠した女性が、中絶手術できるタイムリミットは、妊娠22週未満、21週と6日まで。それを過ぎたら生むしかない。でもね、生まれた その日に命を奪われる赤ちゃん、どれくらい いると思う? 日本では、この10年で90人以上。生まれた その日に死んじゃうのが、子供の虐待死の中でダントツ、トップだから」



「彼女は複数の産婦人科に(赤ちゃんを産んでも育てられないって)SOS出してたんです。でも、相手の男性の署名と印鑑がないと中絶できないって言われて、22週 過ぎちゃった。連絡が取れなくなった男性の同意なんて、ホントは必要ないのにね。母体保護法でも、ちゃんと そうなってる」



「極端な話、一日違いで『中絶』が『殺人』に・・・。(中略) 堕ろすことができたらセーフだったのを、生まれてから死なせちゃったら犯罪者って・・・」



「妊娠バレたら退学させられるの、ドラマで見たことあるし」
「まえはね。でも いまは、勉強 続けたいなら、どんなチャンス作れるか、学校側も考える義務があるの。文部科学省から通達が出たから」



「親と暮らせない子供、いまの日本にどれくらい いると思います? 約4万5000人です。幼い子供たちって、やっぱり親の愛情を一心に受けたい時期ですよね。大学の実習で(児童養護)施設に行ったとき、子供たちが次々にきて『抱っこして、抱っこして』ってせがまれて・・・いくら抱きしめても、止まんないですよ」



「幼い子供たちって、いつも そばにいて守ってくれるひとが必要なの。(中略) 泣いたら、いつも同じ声のひとが あやしてくれて、いつも同じ匂いのひとが抱きしめてくれて、お乳をくれて・・・。そう、愛着の絆を土台に、子供は安心して育っていける――。これは、あたしの個人的な意見として聞いてほしいんだけど、いまだけってつもりで(生まれた子供を)施設に預けて、結局そのままっていうのが、いちばんよくない。抱きしめてあげられないまま、独りにしちゃいけない」



「赤ちゃんってさ、ひとりじゃ なんにも できないのに・・・違うか、ひとりじゃ なんにも できないからこそ、ひとを幸せにする力 持ってるんだよ」



「もちろん(食事で)カレーは出るよ、施設でも。でもね、食中毒とか怖いでしょ。で、残り物を あくる日に出すということは、絶対に やりゃあせんわけ。だから、二日目のカレー 食べれんのは(週末里親をやってる)ここだけ」



「地球46億年の歴史を365日とたとえると、人間の誕生は大晦日の夜11時37分――。人間の歴史、たったの23分。めっちゃ最近ですよね、人間。もう、こん中で親子の差なんて、ちっちゃすぎて わかんない。育てるとか、育てられるとか、もう全部 お互い様って感じじゃないですか?」



「たしかに もらったよ、バトン。命のバトン。これって、リレーだよね。ぼくら、チームですよね。あの子の未来を見守るチーム。ここまでつないでくれて、ありがとう(お母さん)。バトンタッチだ。今度は ぼくら(里親)が全速力で走るから、ずっと応援してて」


NHK BS1/2021年11月18日放送
【脚本】
大橋守
※ 2、3、9段目は、2名による連続した台詞(割り台詞)をつなげたものです
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