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忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段・後編 [単発]

「演目と配役が決まると、稽古の前に立作者たてさくしゃが役者たちに台本を読み聞かせる、本読みがございます。台帳と呼ばれる通し台本は、立作者ひとりだけが持っていて、役者たちは自分の出番のみが抜粋された書抜かきぬきというものを渡されるだけ。つまり、全体像は立作者だけが知っているという妙な仕組み。とくに、この三笑さんしょうという立作者は、大元の台帳を座頭ざがしら團十郎だんじゅうろうにさえ見せないという徹底した秘密主義。そうやって、大物役者たちの手綱を取り、好き勝手をさせないという、なかなかの業師」



「台詞が飛んじまうなんてことは、役者やってりゃ、一度や二度はある。要は、どう乗り切るかが役者の腕だ」



「あいつの(役者としての)才は、底が知れねえ。(自分でも)いずれ気づくさ・・・箱のふたが開くみてえにな」



「役者には同じ時代を生きる好敵手が必要だ。しのぎを削り合いながら、うまくなる」



「いい芝居ってのは、誰かひとりの力で作れるようなもんじゃねえ。役者、音曲おんぎょく、裏方、300人ちけえ人間の力を、ひとつに まとめなきゃ、できねえ。それには規律が必要だ。不思議なもんで、筋目の家に生まれた役者は、それが肌でわかってる。しかし、どういうわけだか野育ちのやつらには、それが わからねえらしい。そういう役者は、このオレがつぶす・・・芝居のためにな」


NHK BSプレミアム/2021年12月11日放送
【脚本】
源孝志/【原案】『月雪花寝物語』『手前味噌』
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