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ミステリと言う勿れ・第2話 [ミステリと言う勿れ]

「逃げたひとのせいで、みんなが殺されても、それは そのひとのせいじゃない。(殺した)あなたのせいです。ここで発生する すべての問題は、(バスジャックした)あなたのせいで起こるんです。全部、あなたのせいです。あなただけが悪いんです。責任転嫁しないでくださいね」



「罰則はありますけど、ひとを殺しちゃいけないっていう法律はないです。なぜ、ひとを殺しちゃいけないのか――。いけなくはないんだけど、ただ秩序のある、平和で、安定した社会を作るために、便宜上そうなっているだけです。だって、ひと殺しなんて、ひとたび戦時下になれば、いきなりオッケーってことになるんですよ。それどころか、たくさん殺したほうが ほめられるっていう状態になる。そんな二枚舌で語られるほど適当な話なんですよ。実際に いま殺しまくってる場所は、世界中にある。あなたも、そういう所に行ったらいいんですよ。ただし、そういう所では、あなたも さくっと殺されます。『どうして、ひとを殺し・・・』あたりで、もう さくっと殺されてると思います。あなたが いま殺されずに済んでいるのは、ここにいるのが秩序を重んじる側のひとたちだからです。(中略) つまりね、あなたは水泳大会にやって来て、『棒高跳びがしたい』と言ってるようなもんなんです。大変、迷惑なんです。だから、あなたは棒高跳びの大会に出たらいいんですよ。ただし、その大会は なんのルールもない、誰も順番を守らない、あなたの棒を へし折りにくる敵もいる、そんな大会です。それが、あなたの出たい大会なんです。ただし、もし そういう所には行きたくない、自分だけが殺す側でいたいとか思うなら、それは また別の話です。それは単に、ひとより優位に立ちたいとか、ひとを支配したいとか・・・つまり、劣等感の裏返しでしかないからです。『どうして、ひとを殺しちゃいけないんだろう』なんてレベルの話じゃ、そもそも ないんですよ」



「どうして、イジメられてるほうが、逃げなきゃならないんでしょう。欧米の一部では、イジメてるほうを病んでると判断するそうです。イジメなきゃ いられないほど、病んでる――。だから、隔離して、カウンセリングを受けさせて、癒やすべきだと考える。でも、日本は逆です。イジメられてる子に逃げ場をつくって、なんとかしようとする。でも、逃げると学校にも行けなくなって、損ばかりすることになる。DVもそうだけど、どうして被害者側に逃げさせるんだろう。病んでたり、迷惑だったり、恥ずかしくて問題があるのは、加害者のほうなのに。たとえば、歩いてて知らないひとに いきなり殴られたら、すぐ まわりに言うでしょう? それと同じように、先生や親に『あいつにイジメられたよ』って、『あいつ、病んでるかもしれないから、カウンセリング受けさせてやってよ』って、みんなが簡単に言えるようになればいいと思う」



「ひとは自然の生き物なので、ひとがすることは、すべて自然の範疇はんちゅうだと思います。ひとに『一から蜂蜜を作れ』と言っても、たぶん無理でしょう。植物のように、光合成で酸素を作ろうとしても、また同じようにはいかない。そんな神の領域みたいなことを、彼らは自然にやってるわけです。だとしたら、人間がする発明や、革新的技術を生み出すことも、また自然の範疇だと言えるのではないでしょうか



「苦しいことを薄めるために、より悪いことを望むのは まずいです」


フジテレビ/2022年1月17日放送
【脚本】
相沢友子/【原作】田村由美
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