歯無しのグルメ ～噛まずにとろける美味い店～

「もつ焼き屋に来て、もつを食わずしてどうする？　オレはマンガ喫茶に入って、ドリンクバーだけで帰るか？　カラオケに入って、DAMダムチャンネルだけ観て帰るのか？　そんな もったいないこと、するわけないだろ」

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「なんて無抵抗な もつなんだ。心地よい歯ごたえを残したまま、いやな反発もなく、すべてを悟ったかのように口の中で溶けていく。胃袋までのゴールタイム、約３秒。もつ史上、最速タイムじゃないか」

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「アゴをわずかに動かすだけで、脂あぶらのうまみが口全体に広がっていく――。（中略）　歯なんて必要ない。必要なのは食欲だたひとつ」

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「（この大福は）噛まずとも、むにゅんと言いながら溶けて消える。『食べる』じゃない、『飲める』だ。まるで水。大福に擬態した水だ」

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「でた、歯無しの味方、低温（調理）――。（中略）　この方法を編み出した発明者は、ちゃんと『ノーベル歯無し賞』を受賞したんだろうか」

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「うまい肉を噛まずに飲み込める喜びを（オレは）噛みしめている」

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TBS／2022年5月28日放送
【脚本】細川拓朗、高柳浩平