「『なんのことでしょう?』――それは、犯人が図星だったときに言い返す言葉だ」



「ぼくが大丈夫だったことは一度もありません。そういう意味で(いまは)大丈夫です」



「きみたちは、ゲームで必ず勝つ方法を知らないのか。他人の作ったゲームをしないことだ。なぜ、わざわざ犯人の作ったゲームをする必要がある」



「犯罪の主役は犯人だけじゃない。犯人も、刑事も、被害者も、みんな平等に主役でなければ ならないんだ」



「なにが自宅捜査会議だ。警察気取りで、ひとを裁いて満足か。この犯人がしてることと、ぼくたちがしてることは同じだ。ゆがんだ正義感を振りかざしてるのは、ぼくたちも同じじゃないか。こんなことをしても、悪いことは なくならない。ただ誰もいなくなるだけだ」



「ひとを好きになるということは、傷を作ることだ。『好き』と『痛み』に、違いは さほどない。ただマイナスとマイナスを掛け合わせたときにプラスになるように、傷を分け合えたときに、相殺されるだけだ」


日本テレビ/2022年8月6日放送
【脚本】坂元裕二