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仮想儀礼・第7話 [仮想儀礼]

「霊視のできる女性がいるって言ってましたよね。大事にするといいよ。霊媒師は使いようによっちゃ、教団を何倍にも大きくしてくれますからね。(中略) わが国では、はるか古代から神がかりの女性が多くの人々を導いてきたじゃない? あれはね、おっかさんでもあるんだよ。子にとって、母親は生まれたあとでも、ずっと子宮――みやだ。だから、ひとは神がかりの女性に一種の原始的な信用を置くんだな」



「日本には、法人登録されたものだけで18万の教団がある。教祖と名乗る者は、一説には65万人とも言われている。小規模とはいえ、優れた教祖がいるところは実績を上げていくものだよ」



「宗教の本質は苛烈だよ。中途半端な教祖は、信者に食われる。信者に食われる前に、こちらが食ってしまうことだ。食われる信者はそれで幸せなのだ。満足して食われていく」



「宗教者にだって選挙権はあるんだし、支持政党を応援するのは当たり前の話でさ。そうじゃなくて、オレがイヤなのは、政治家が票集めのために宗教団体を利用し、宗教団体はその教団の信用性を高めるために政治家を利用するって図式だよ」



「苦境こそ、天の恵みです。自分を成長させてくれる。それに、苦しみを多く 味わえば 味わうほど、ひとの痛みに敏感になることができる。より多く、より大きく、苦しみなさい」



「どんな教団も信者は真面目だからな。上から『支持政党の選挙活動への奉仕は、功徳になる』と言われれば、熱心に取り組む。信仰心を票集めに利用されたんだよ」


NHK BS/2024年1月21日放送
【脚本】
港岳彦/【原作】篠田節子
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