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アンチヒーロー・第2話 [アンチヒーロー]

「検察官というのは、自分たちにとって都合のいいストーリーを作り上げる生き物だからね。たとえばだ、上層部から大きな期待をかけられている優秀な検事が、ある殺人事件の担当となった。被疑者は犯人で間違いない。上層部も100パーセント有罪だと思っている。だが、実際に集まっているのは状況証拠ばかり。決め手となる証拠は いまだに つかめていない。(中略) 優秀な検察官であるからこそ、注目を浴び、上司からの期待も大きい。この事件に負けてしまったら、いままで積み上げてきた実績に傷がついてしまう――。そう思い込み、自分に こう言い聞かせる。あいつは必ずやっている。正義のために、なんとしてでも有罪にならなければいけない。そうだ、被害者の体・・・たとえば爪の間からDNAが検出されたとしたら、それは かなり有効な証拠となる――。そうして、改めてDNA鑑定に出せと、警察に指示を飛ばす。と同時に、深い 深い つながりのある教授に連絡をし、鑑定結果の改竄を依頼した」



「あなたが大変 優秀な方であるということは よくわかります。ですが、教授は絶対にあなたのことを認めないでしょうね。優秀な あなたを自分の下に置いて、都合よく利用し続けたいからです。ま、そんな上司に限って『おまえのためを思ってやってんだ』とか、言うんでしょうけどね」



「権力は求めはじめたら、後戻りできないんだろうね。相応の覚悟が必要なんだろうけど、姫野くんはちょっと足りなかったのかな。組織っていうのは、怖ろしいよね。『検察は正義じゃなきゃならない。なにがなんでも有罪にしろ』――そんなこと、一度も言ったことないんだけどね。ぼく、そんなに怖いかな」



「目の前で、ナイフを持った男に大切な家族が殺されそうになっている。こっちは、その男を殺せるナイフを持っている。赤峰くんなら どうする? 家族を守るために、その男を殺すか? (中略) 大事なひとを守るために、やむを得ずひとを殺した者。殺意を持ってひとを殺そうとしたが できなかった者。罪が重いのは どっちだろうね。正義とは何なんだろうね」


TBS/2024年4月21日放送
【脚本】
宮本勇人李正美福田哲平山本奈奈
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