高校入試・第13話(最終回) [高校入試]
「よほど大きな事件が起きないと、学校は真剣に動かない。正体を現さない」
「たとえ無記名でも、悪意のかたまりである言葉は心を破壊する恐ろしい力を持っているんです。放った本人にはわからない、他人にもわからない、言葉を受けた本人だけが、息もできなくなるような苦しみを受けるんです」
「決して人間性を否定している書き方ではないんです。でも、(中略) 間違っているということを、言い回しを変えながら、何度も何度も書き込んでいるんです。こういった書き込みは、賛同が続くと否定され、否定が続くと擁護され、と流れに波ができるのですが、擁護意見を理詰めで つぶしていくので、流れが否定のままで続くんです」
「おまえは名乗りを上げて、ぶつかっていったわけじゃない。結局、掲示板に書き込んでいる連中、オレを罵ったやつらと同じなんじゃないのか。なんのリスクも冒さずに、ただ指示を出す。気持ちよかっただろう」
「大きなことをしたようで、結局は守られているんです・・・あなたも、あたしも。失う覚悟のない者は、責任すら取らせてもらえない」
「騒ぎを起こした場から逃げるのが、責任を果たしたことになるんだろうか。辞めることは、責任を取ることにはならない。なんらかの罰則があるとしても、それを受けるのは校長であるわたしの役目だ。それが上に立つ者の役割なんだ」
フジテレビ/2012年12月29日放送
【脚本】湊かなえ
高校入試・第12話 [高校入試]
「いつまでも、どこまでも、底辺に足並みをそろえているうちに、国が滅びてしまうじゃないか」
「学力だけが人間の優劣をつけるものでもないでしょう」
「そういう議論が高まるうちに、頭のいいやつは冷血漢で、頭の悪いやつは心が豊かだなんて、おかしな極論ができあがるんだ。なぜ、頑張って勉強した者が否定されなきゃならん」
「人間はもともと能力に差があることを、誰もが認めなきゃならんのだ。その中で、その者なりに努力をすればいい。そして、その努力に対しては、なんらかの形で認められたり、称賛されるべきだとも思う。だが、それは学力を判定する場に持ち込むものではない」
「(学力以外の成果については)親が家で誉めてやればいい。自分で自分を称えてみればいい。むかし みんな そうだったじゃないか。徒競走をみんな仲良くお手てつないで走らなくても、ビリでも思い切り走ったら、オレのおふくろは最後まであきらめずによく頑張ったねと、誉めてくれたもんだ」
「むかし努力したことを、いまも励みにしてどこが悪いの?(中略) コツコツと堅実に生きてきた人たちよりも、死ぬ前にパッとひと花咲かせた人のほうが偉いっていうの?」
「(教育現場の)問題をあげつらうだけの教師はいらないんだよ。それより、夢物語じみていても構わないから、わたしはこうありたいと、前向きな考えを持った人に現場に来てもらいたいと、選ぶ側では思ってるんだ」
フジテレビ/2012年12月22日放送
【脚本】湊かなえ
高校入試・第4話 [高校入試]
「校長が最終(目標)じゃないんだよ。定年後の、ラクで、快適で、儲かる役職を狙ってんの。郷土資料館の館長とか、公民館の相談役――。簡単に言えば、天下り」
フジテレビ/2012年10月27日放送
【脚本】湊かなえ