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破裂・第7話(最終回) [破裂]

「どうせ、これから蜘蛛の子を散らすように、みんな逃げ出すんでしょ。あんたたち(政治家)はいつだってそうだ。考えたことはあるんですか。あんたたちの無責任、無為無策が、どれだけ国民を苦しめるか。目の前の風船は、このままでは破裂する。わかっているのに、なにもしない。あんたたちは確信犯だ」



「医療は本来、効率や利益を優先してはいけない。わかっています。誰が好き好んで弱者を切り捨てる。社会の舵取りとして泥をかぶるのは誰だってごめんだ。(わたしは)考えて、考えて、考えて、考えて、人生を捧げる覚悟で答えを出した。間違ってるなら、教えてくれ。タイムリミットまで、あと9年。高齢者が3500万人を超え、医療介護の人材不足は80万人以上。医療給付費は1.5倍、介護給付費は2倍にふくれ上がり、国の借金はGDPの2倍以上。あのギリシャよりも ひどい赤字国家だ。(高齢者に死んでもらう)ほかに解決する手立てがあるなら教えてくれ。オレが導き出した答えより いい方法があるなら教えてくれ。もう時間がない。いま手を打たないと、手遅れになる。この国を救う答えを持っているやつは、ほかに誰ひとりいないのか」


NHK/2015年11月21日放送
【脚本】
浜田秀哉/【原作】久坂部羊
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破裂・第6話 [破裂]

「(高齢者の抹殺は)無能なやつがやれば犯罪。だが、有能な人間がすれば、それは社会に有益な改革につながる。倫理や法律に縛られていたんじゃ、なにも動かせませんよ」


NHK/2015年11月14日放送
【脚本】
浜田秀哉/【原作】久坂部羊
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破裂・第5話 [破裂]

「自分がこれだと思ったことに苦しむのは悪くないって(お父さんが言ってた)。苦しんだ時間は、自分を裏切らないって」



「正しさなんて都合ですよ。そのときどきで変化する。わたしは国家も国民もまったく信じてなんかいませんよ」


NHK/2015年11月7日放送
【脚本】
浜田秀哉/【原作】久坂部羊
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破裂・第3話 [破裂]

「高齢化は待ってくれませんからね。(わたしは)意図的にきれいごとを流してきました。医療の効率化、誰もが安心できる老後とかね。国民にせっせと絵にいたもちを見せているんです。もちろん、それは口には入らない。そんな金は日本のどこにも ないですからね。だから、適当に飢えたところで、食べられるものから出す。現実を受容させるってことですよ。腹が減ってりゃ、かたいパンでも食いますよ、国民は」



「法律は ひとが ひとのために作り出した都合のいいルール。正義が勝つのではない。ルールを熟知して勝った者が正義――」


NHK/2015年10月24日放送
【脚本】
浜田秀哉/【原作】久坂部羊
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破裂・第2話 [破裂]

「なぜ日本が長寿世界一か、知ってます? 医療が無軌道に進歩したからですよ。ただ命を延ばせばいいという短絡的な発想でね。しかも、日本の老人は、脳の血管は弱いが、心臓は強いから、寝たきりになっても、なかなか死ねない。食生活の違いから、アメリカやヨーロッパは逆なんです。やつら、年を取ると心臓発作でどんどん死にます。介護負担もそれほど増えないんです」



「外から見れば、日本の多くの欠点が見える。自己主張が苦手、問題は先送りにする、確固たる自我がない。でも、裏を返せば、すべてが美点です。奥ゆかしい、慎重、協調性がある――。わたしは日本という国を愛し、同時に軽蔑した。ダメな子ほど、かわいいんですよ」



「循環器の医者なんて、心臓さえ治せば、脳の血管が詰まろうが、腎臓が弱って透析が必要になろうが、お構いなしだ。自分たちが寝たきり老人を増やし、社会全体を危機に陥れていることなど気づきもしない」



「(先生は)老人医療の現状をまったく理解していない。死ぬなと言うのは、ときに、死ねと言うより残酷なことなんだ。孤独な老人、家族に疎まれる老人、寝たきりの老人、息もできず、チューブにつながれ、床ずれに苦しみ、ときには虐待まで受ける。彼らにとって、文字通り、死は救いだ。(中略) お年寄りが死にたいとメッセージを発すると、世間はこぞって圧殺にかかる。それは社会が悪いんだ、みんなで改善していこう、なんてね。はっはっはっは、そんな小手先の改善なんて通用しない。もう充分だから、早くラクにしてくれと、多くの老人たちが思っている。なぜ誰もその声に耳を傾けない」


NHK/2015年10月17日放送
【脚本】
浜田秀哉/【原作】久坂部羊
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破裂・第1話 [破裂]

「医師国家試験は筆記だけで、実技がないだろう。これから きみは患者を練習台にして、腕をみがいていくしかない。不幸なことに、治療の失敗は当然 起こり得る。医療ミスじゃない。システム上、避けられないリスク、いわば通過儀礼だよ。だが、その先には何千、何万の救うべき命が待っている」



「偉大な研究医は人間の命を個ではなく、マスでとらえなければならない」



「どんな権力者だって、命の前では医者にひざまずく」


NHK/2015年10月10日放送
【脚本】
浜田秀哉/【原作】久坂部羊
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