銀と金・第11話 [銀と金]
「さも戦略のように ぐちゃぐちゃと並べ立てていたが、そんなもんじゃ、わたしには勝てないよ。修羅場とはそんなもんじゃない。勝負の分かれ目、最後の最後、ただこの一牌を引くには、理ではダメだ。最後の一線は越えられない。では、なにで越えられる。狂気だ。最後の一線は、心の内に狂気を宿して初めて越えられる」
「死ぬことを決意しろ。そこから道はひらかれる」
「勝つということは、相手の心臓をつかむこと。つかんだら、しぼること。そして、つぶすことだ」
テレビ東京/2017年3月18日深夜放送
【脚本】根本ノンジ/【原作】福本伸行
銀と金・第10話 [銀と金]
「皆、待てないんだなあ。敗者は必ず死に急ぐ」
「ひとはギリギリ切羽詰まってくると、無為に耐えられないものだ。ここまで築いた手牌を壊していく、その行為に耐えられない。だから、勇気を出す・・・いままで使ったことのない勇気をね。とんでもない弱虫が、限りなく死に近い決断だってする。通常の神経はもうとっくに壊れてる。だから、解放を望む。地獄を見つめて生きるより、希望を持って死にたい。そう望む。それが人間の末期。弱い。だが、実に人間的だ」
「ああ、愉快、愉快。自分以外の者の破滅。この世に、これほどの愉悦がほかにあろうか」
「やつの脳は金が積もりすぎて、すでに常軌を逸してる」
「オレの持ってるギャンブルのイメージは、身投げ。気がつくと高いビルの屋上に立っている自分がいて、ビルの向こう側へ飛び越えようとしている。でも、どれだけ飛べば、越えられるかわからない。しかし、越えなきゃいけないと感じている。このときの、次の一歩がギャンブル。オレにできるのは、地を蹴り、身を宙に投げること。飛べるか飛べないかは、もはや問題ではない。ただその飛ぼうとする行為こそが、ギャンブル」
「理で動くオレたちは、心のどこかでいつも計算してしまう。これがギャンブルの場では、たいてい足を引っ張る。損得を越えた感性が博打を打つ者にとって いちばん大事なセンス」
「人間は周囲との関係で正気を保っている。だが、その関係をすべて絶ってしまったら、狂わないではいられない」
テレビ東京/2017年3月11日深夜放送
【脚本】根本ノンジ/【原作】福本伸行
銀と金・第9話 [銀と金]
「歯を食いしばれ。おまえもオレも、もう普通の人生はムリだ。その境界線を越えたんだよ。もう市民じゃねえ。市民を食らう悪党だ。悪党がビビッてどうする。メンツを捨ててどうする」
テレビ東京/2017年3月4日深夜放送
【脚本】山岡潤平/【原作】福本伸行
銀と金・第7話 [銀と金]
「オレの家系をどんなにつつき回しても、金に縁のある人間なんて、ただのひとりも出てこない。オレはただオレ、それだけ。名前は森田鉄雄。背景はない」
「さっきのゲームでも、西条の表情は緩みきっていました。あれは勝つか負けるか わからない顔じゃない。勝ちを確証した顔。イカサマは間違いないと思います。ただ、イカサマをするってことは神経を使うはず。普通、あんなふうに体の力は抜けない。よっぽど熟練してるか、なにかが壊れてる。あいつら、これまでの人生で負けてこなかったんでしょう」
「確証に金を出して、初めて投資。いまならドブ金」
テレビ東京/2017年2月18日深夜放送
【脚本】山岡潤平/【原作】福本伸行
注)2段目:実際の台詞は 「イカサマをするってことは、よっぽど神経を使うはず。普通、あんなふうに体の力は抜けない。よっぽど熟練してるか、なにかが壊れてる。あいつら、これまでの人生でよっぽど負けてこなかったんでしょう」 でしたが、こちらの判断で 「よっぽど」 の連続を削除しました。
銀と金・第6話 [銀と金]
「あらゆる欲の中で、最も強烈な欲、それは “失いたくない” という欲。皆、儲けたいというより、賭けた金が惜しくて、さらに金を失う。そして、自ら地獄へ足を踏み入れ、欲望に溺れる」
「あんたは芸術にたかる寄生虫だ。自分じゃ、なにも生み出せないくせに、ひとが命を懸けて生み出したものに、エラそうに講釈をたれ、能書きを並べて批評する。あんたなんか美術品がなければ一銭の価値もない」
テレビ東京/2017年2月11日深夜放送
【脚本】根本ノンジ/【原作】福本伸行
銀と金・第3話 [銀と金]
「噂どおり汚い男だ。仲間の悲鳴が聞こえても、奥に引っ込んでる。てめえの保身しか頭にないんだろ。おまえは悪党ですらない。ただ卑しい、人並み外れて卑しいだけだ」
テレビ東京/2017年1月21日深夜放送
【脚本】山岡潤平/【原作】福本伸行