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やすらぎの郷・第129話(最終回拡大スペシャル) [やすらぎの郷]

「(わたしが書いた台本と、先生がそれを直した台本では)涙の深さが全然 違いました。先生がいつかどこかでおっしゃってた『子宮で泣かせて、睾丸で笑わせろ』って・・・。おっしゃってた意味がよくわかりました。あたしが読んでいただいた台本は、本当に上っ面の、大震災の事実におんぶした、ただそれだけの お涙もの だった気がします」



「ぼくがきみたちの台本ホンに打たれたのはね、いままでのテレビドラマに影響されずに、誰にも媚びることなく書かれていたからだよ。だから、コンクールに出したら、落とされちゃうかもしれないな。だって、いまのテレビ界ってのは、すぐに使えるものを、ウケるものを、重視する傾向があるからね。その台本ホンの新鮮さ、それから素晴らしさ、それに気づくようなプロデューサーはいないかもしれない」



「あそこに一本の立派な木があるだろ。あの素晴らしい木を、根元から切って自分の庭に移そうとしても、立たないのさ。根がないからね。木というのは、根があって立つんだ。でも、根は見えない。見えないから、みんな忘れる。忘れちまって、枝ぶりだとか、葉っぱとか、実とか、花とか、そういうものばかり大事にしてしまう。それだから、いまのドラマはダメなんだよ。そういうものを大事にしなきゃ、いいドラマはできっこないのさ」


テレビ朝日/2017年9月29日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの郷・第122話 [やすらぎの郷]

「あんなちっぽけな四角い箱(テレビ)が、みじめな敗戦から立ち直る日本人にどれだけの夢を残してくれたか。古橋(廣之進)、橋爪(四郎)、力道山、白井(義男)、長嶋(茂雄)、王(貞治)。若い青年たち。美しい女優さんたち。美空ひばり、江利チエミ、雪村いづみ、ザ・ピーナッツ。(石原)裕次郎、ヒデさん(高倉健)、勝新太郎。これらのひとがテレビで夢を見せてくれたおかげで、日本は耐えて、立ち直れた。その彼らに、この国はなにか報いたのかねえ。(中略) けがれのない、真っ白な処女だったんだねえ(あのころのテレビは)。それを、金儲けばっかり考えて、売女ばいたに落としてしまったんだ。その責任は誰が取る。テレビは古典をいくつ残した。テレビの文化だ。テレビの文化なんだよ」


テレビ朝日/2017年9月20日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの郷・第121話 [やすらぎの郷]

「『陸軍は暴力犯、海軍は知能犯』という言葉があってね。(中略) その一例が東京裁判ですよ。陸軍からは何人もの戦犯に絞首刑という判決が下ったが、(われわれ)海軍からはひとりも出さなかった。海軍の人間は団結力もあったし、同時に変わり身も早かった。アメリカで はじまったテレビの時代をいち早く察知し、日本における電波事業を認可させたのも、われわれのグループの裏の行動です」


テレビ朝日/2017年9月19日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの郷・第114話 [やすらぎの郷]

「尊敬する恩師から、こういうことを言われたことがあります。死に臨んでの、最も有効な処方箋は『納得』という ふた文字である、とね」


テレビ朝日/2017年9月7日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの郷・第113話 [やすらぎの郷]

「世の中には、数多あまたの女優たちがいる。皆それぞれに、若いころは美しい。けれど、かつての美しさに いつまでも必死にしがみつき、なんとか そのころの、いわば “時の花” に固執して、小じわを隠し、白髪を隠し、衰えの中に咲く “真の花” に気がつかないで、一生を終えていく者たちもいる」


テレビ朝日/2017年9月6日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの郷・第109話 [やすらぎの郷]

「わたしはこんなに以前から噂話が好きだったろうか。わたしはこんなに口が軽かったか。結局、われわれ先のない老人は、忍び寄る死への不安を紛らわすために、ひとの噂で時をつぶすのだ」


テレビ朝日/2017年8月31日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの郷・第104話 [やすらぎの郷]

「(役者の)仕事に道具はいらない。俳優の道具は想像力と演技力」



「男優は(顔面しわ伸ばし器も、小じわとりスチームも)使わないわ。使うのは女優だけ。だから、世間で言われちゃうのよね。『男の顔は履歴書。女の顔は請求書』って」


テレビ朝日/2017年8月24日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの郷・第103話 [やすらぎの郷]

「そんな(なつかしい)もん持ってたってさ、その時代に帰れるわけじゃないでしょ。(中略) 物を捨てらんないのは、物が大事なんじゃなくて、物にまつわる思い出が大事なのね。だから、思い出を断ち切らないと、人生、新しく踏み出せないのよ」



「物を捨てると、さっぱりするの。すっきりするの。清潔になるのよ」


テレビ朝日/2017年8月23日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの郷・第102話 [やすらぎの郷]

「ひとの脳にはさ、記憶の入ってる箱ってやつがあんのね。その箱には容量があるじゃない。だから、(長く生きてると)もう入る場所がなくなっちゃうのよね。そうすると、神様がこれはもう特に覚えてる必要がないなって思うものから、どんどん、どんどん捨てて、忘れるようにするの。これが物忘れ。箱自身が腐ってきて、中にある記憶まで、どんどん、どんどん流れ出して消えちゃう――。これが認知症。脳の断捨離」



「老眼ってあるじゃない。あれはね、長年 連れ添ったパートナーの顔にシミとかシワとか、どんどん出てくるじゃない。それを だんだん ぼかして見えなくするために、神様が眼球に手を加えてるのよ」


テレビ朝日/2017年8月22日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの郷・第101話 [やすらぎの郷]

ちまたではね、『道路を暴走するのは18才。道路を逆走するのは81才』なんて言われてますよ。気をつけましょうね」


テレビ朝日/2017年8月21日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの郷・第99話 [やすらぎの郷]

「世のクズどもは罰せられて当然です。だけどね、あなたたちは、ほかにやることが おありでしょ。(警察に任せろなんて)そんな野暮なことは言っていません。警察にお任せして、裁判にかけたって、せいぜい2年か、3年の刑を食うぐらいでしょう。あとは箔をつけて出てきて、また悪さをする。いまの法律はやわですからね。きっとやつらも高くくってんですよ。痛めつけてやんなきゃ、わからんですよ、あいつら。だけどね、この仕事はあなたたちがやる仕事ではありません。これは先のない老人のやる仕事です」



「殺しゃあしませんよ。ただね、二度と女の子に悪さが できないように、あんたらの玉をつぶさせてもらいます。集団自衛権、自主防衛――。他国が攻めてきたら、国を守るのはあんたら若モンの務めでしょ。家族を守る務めがあるのに、同胞をいたぶっては いけません。覚えておきなさい。ケンカはね、戦争です。戦後生まれのあんたらは知らんだろうけども、戦争というのは こういうもんです」


テレビ朝日/2017年8月17日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの郷・第89話 [やすらぎの郷]

「あのころ ほとんどの日本人は、あの戦争は日本が正しい、聖戦だって信じていたし、事実、相当な作家だとか画家が戦場に送り出されて、戦争報道に協力させられてた時代だったからね。ぼくも聞いたけど、かなりの大家が戦争報道に協力してるんだよ。それが日本人を無意識に洗脳して、無数の若者を戦場に駆り立て、数えきれない戦死者を出した――。たしかに それも事実なんだけどね」



「平和になったいまだから、みんな、戦争はイヤって大きな声で言うけどさ、あのころは口が裂けもそんなことは言えないムードだったし・・・。当時は違ったんだよ。愛国心に燃えてたしね。いまの感覚の目で見る戦争と、当時の日本人が思う戦争とじゃ、圧倒的に感覚が違うよ」



「オレはね、開戦のとき、国民学校の一年生だったんだ。戦争の中で育った口さ。なんの疑いもなく軍国少年だったね。日本が負けるなんて、思ってもみなかったよ。そう、あれは四年生、昭和19年か。配属将校といわれる軍人が国民学校へ乗り込んできてね、みんな、校庭に整列させられて・・・。その将校がいきなり みんなに言ったんだ。『特攻を志願する者は一歩前へ』――。全員、ためらわず一歩前へ出たね。心じゃ、多分、怯えてたと思うんだ。だって、特攻ってのは自爆だからね。いまのイスラム過激派の自爆テロとおんなじさ。だけど全員、みんな前へ出たんだ」


テレビ朝日/2017年8月3日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの郷・第88話 [やすらぎの郷]

「『無口なジャガイモは利口に見える』と、ある大御所俳優を評して言ったのは、かの三島由紀夫大先生だが、ヒデさんの一言にもそれは当てはまる。深遠な哲学がその一言にあるのか、ないのか、わたしにも さっぱりわからない」


テレビ朝日/2017年8月2日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの郷・第84話 [やすらぎの郷]

「たしかに あの子は、可愛いのは間違いないけど、演技は全然ダメね。あなたの台本、めちゃくちゃにしてるわ。(中略) あの子は単なる時の花で、まことの花にはほど遠い」



「ひとの作品は頼まれても見ないことに決めていた。ことに、新人の作品はとても読む気になれなかった。自分の筆が荒れる気がしたからだ」


テレビ朝日/2017年7月27日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの郷・第82話 [やすらぎの郷]

「(アザミに会える喜びで)わたしの心から、たった半日で及川しのぶ(の悲痛な姿)が風化していった。3.11の風化を笑えない。ひとは目先の己のことのために、人類の未来すら忘れてしまうのだ。恥ずかしいが、ひととはその程度のものなのだ」


テレビ朝日/2017年7月25日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの郷・第75話 [やすらぎの郷]

「(きれいにメークした白川冴子として演じたい)お嬢の気持ちは痛いほどわかった。だが、(80女の素顔をさらして演じさせたい)韮川秀樹の気持ちもよくわかった。(演出の)韮川はお嬢を役者として見ており、しかし、お嬢は自分のことをあくまでスターとして考えていた――。わたしはお嬢に言ってやりたかった。お嬢、これはおまえにとって、スターを脱皮する絶好のチャンスじゃないか」


テレビ朝日/2017年7月14日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの郷・第72話 [やすらぎの郷]

「いま、なんでもコンピュータでしょ。照明も、音響も、美術のデザインも。耳で仕事するはずの音響のやつらまで、機械の波長を目で見ていやがる。あれじゃあ、本当の仕事はできねえや」


テレビ朝日/2017年7月11日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの郷・第65話 [やすらぎの郷]

「よくペラペラとしゃべりますね。男は一生に ふた言もしゃべれば充分です」


テレビ朝日/2017年6月30日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの郷・第63話 [やすらぎの郷]

「おとぎ話のはじまりには、同じ言葉がつくじゃない? 『むかしむかし あるところに おじいさんとおばあさんが住んでいました』――。な、お父さんとお母さんが住んでいましたってのはないぞ。(中略) あれは、ジジババが孫を寝かしつけるために、炉端かなんかでさ、話したもんでさ、おやじとおふくろは そこには いないんだよ。つまり、むかしはおやじとおふくろは出稼ぎかなんかで家にいなくて、孫だけがジジババに預けられて、孫の面倒はジジババが見てたんだよ。(いまも)そうすりゃあさ、保育園に預ける必要もないし、余計な金もかからないですむでしょ。ジジババは孫に会えるのがうれしいんだし、金をよこせなんて言わないから、子供手当なんか いらなくなるし、待機児童の問題も解決するでしょ。ジジババには老後の生きがいもできるし、まあ Win-Win の関係だな」


テレビ朝日/2017年6月28日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの郷・第17話 [やすらぎの郷]

「きみは勝手だな。(スターになって)注目されるのが夢だったくせに、そうなったら、今度は世間の目が鬱陶しい。まあ、鬱陶しいってことはわかるけどさ。でも、夢を果たせたら、今度は逃げる。それはあんたのわがままだよ」



「スターとかタレントと呼ばれる連中と、役者との違い、どこかわかるか。スターはひとに見られるのが商売。役者はひとを観察するのが仕事さ」



「(物書きは)発信することより受信のほうが、ほとんど仕事の70パーセントだからね」



「物書きには、物書きとして守らなければいけない鉄則ってものがあるんだ。たとえ100万人を感動させられても、ひとりを傷つけちゃいけないってことさ」


テレビ朝日/2017年4月25日放送
【脚本】
倉本聰
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