パレートの誤算 ～ケースワーカー殺人事件・第１話

「家が火事になったら どうする？　消防車 呼ばない？　（中略）　生活保護もそれと同じなんだよ。火事になったら消防車、ケガをしたら救急車。生活が困窮したら生活保護。どれも、いざというとき、支え合うっていう社会のシステム――。消防士さんが、あそこの家は お礼を言わないから火を消さないってことないでしょ」

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「受給者って、だれ？　生活保護費をもらってるひとを『受給者』って言葉で、ひとくくりにしてない？　（中略）　ひとそれぞれ事情は違うんだ。みんなを同じ目で見ちゃいけない。まずは、できる限り一人ひとり、話を聞いてみることが大事なんじゃないかな」

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「『受給者』って言葉も、あまり よくないかもしれないね。なんか、税金を与えてやってるんだって感じ しない？　なるべく『利用者』って言うほうがいいと思うよ。実は、ぼくは自分の中で『クライアント』って呼んでるんだけど。なんか、そうしたら対等な気持ちで話ができる気がするんだよね。まあ、呼び方はともかく、生活保護費をもらってるかどうかで、そのひとの価値は決まらない――。ぼくはそう思うよ」

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「生活保護費をなにに使うかまでは、ぼくたち（ケースワーカー）は管理しません。ですが、もしギャンブルで利益が出た場合には、収入として申告する義務があるんです」

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WOWOW／2020年3月7日放送
【脚本】武井彩／【原作】柚月裕子