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特捜9 season4・第3話 [特捜9]

「特捜班主任、浅輪直樹 統括警部補――。9係に入った当初は、青二才を絵にいて、額に入れたような奴だと思った。底の浅い正義感で熱くなり暴走するところは、とても刑事とは思えず、見るたび げんなりしていた。(中略) 性格も、愚鈍な優しさ、過度な実直さ・・・とても刑事に向いているとは思えなかった」



「青柳靖 警部補――。世の中に刑事を職業とする人間は数多くいれど、自分と こんなにも合わない刑事は彼だけだと思ってる。独りよがりで子供っぽく、気に入らないことがあれば すぐに怒り、自分より有能な人間に対しては、ひがみこそすれ、決して尊敬することもなく、まったく ひととして成長しない。それでよく警察という組織に身を置いていられるなと思う。もし万が一、青柳さんのことをアウトローでカッコいいと思う者がいるとしたら、そういう人間とさえも自分は合わない。どんな思考で、この問題刑事をカッコいいと思えるのか わからない。自分勝手に行動すれば、それでカッコいいのか。青柳さんのせいで、どれだけの人間が迷惑を被っているの かわかっていて、 カッコいいと言っているのか。だとしたら、ひとを気づかって、社会のルールを守り、地道に一生懸命 生きている人間はカッコ悪いのか」



「元9係 係長、加納倫太郎――。自分にないものを持っていて、自分にあるものが欠けているひとだった。最初は、係長とは名ばかりの昼行灯ひるあんどんにしか見えなかった。こんな人物が警察にいること自体、どうなんだと・・・。しかし、係長の捜査の仕方を目の当たりにする中で、その考え方は変わっていった。被害者も、加害者も、ひとりの人間として向き合い、心からの言葉をぶつけていく・・・チームメンバーに対するのと同じように。オレが思い描いていたものとは まるで違うが、たしかに そこにも正義があった。もっと深い、父親のような正義。(それが)いつの間にか、自分の中にも入り込んでいた。もしも言葉で教えられたなら、当時のオレは きっと反発しただろう。だが、それらは加納係長の背中を見るうちに、自然に、自分に入り込んできたものだった」


テレビ朝日/2021年4月21日放送
【脚本】
徳永富彦金丸哲也
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