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行列の女神 ~らーめん才遊記~・第3話 [行列の女神]

「あんなに おいしい食べ物(ラーメン)をいままで食べさせてくれなかったなんて、虐待です。洗脳です。そんなひとのことを親だなんて、思いたくありません。わたしの本当の母親はきっと・・・きっと、ラーメンなんです。わたしの この体には いま、お母さんの血じゃなくて、ラーメンのスープが流れてるんです。指紋だって、もうすぐ なるとの渦巻みたいになるんだから。覚悟しておいてよね」



「ああもう、社長も、お母さんも、わたしのために争わないでください」
「(いや、争ってないよ、これっぽちも。)奪い合いじゃなく、押しつけ合いですからね、全力で」



「(なにもしないで結果を待つ?) それじゃ、つまらないでしょ。ケンカの火種がくすぶってるなら、薪くべて、ガソリンかけて、ついでに火薬も投入しないと」



「料理がおいしいだけじゃ、店は成功しないのよ。あなたの つけ麺は たしかに おいしかった。でもね、ほとんどの客は複数の店を食べ比べて、おいしいほうを選んでるわけじゃないの。料理対決なんて、マンガやテレビ番組の世界の話。客のほとんどは保守的で、知名度とか、誰かの推薦を頼りに店を選んで、そこで食べた味に満足して帰っていく。つまり、彼らは情報を食べているのよ」



「あの子を見てると、なぜイラっとくるのか、理由が わかったような気がするわ。ただ おいしいものを作ればいい、そう信じていた むかしの自分を思い出して、うらやましくなっちゃうからよ」


テレビ東京/2020年5月4日放送
【脚本】
古家和尚/【原作】久部緑郎
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