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記憶捜査3 ~新宿東署事件ファイル~・第6話 [記憶捜査]

「きみは言ったそうだね。社会に埋没したくなかった、と。でも、きみのしたことは、逆に社会に埋没することなんだ。この1年間で、巻き込み型無差別殺傷事件は15件以上 起きている。(通り魔事件の)田沼に影響を受けて こんなことをしてしまった きみ自身でも、ほとんど覚えてないだろう。ほかのひとは もっと覚えてない。報道されるのは最初だけだからね。一時いっとき、マスコミに思い出されることはあっても、これまで起きた その手の事件と十把ひとからげに扱われるだけ。犯人ひとりひとりの生い立ちなんて、振り返ってはくれない」



「この世界を終わりにしたかった――きみはそう言ったそうですが、きみが なにをしても この世界は なくならない。なくなるのは(刑務所に入る)きみの自由だけだ」



「(きみには最初から自由などなかった?)いや、本当はあったんだということを、(きみはこれから)思い知ることになるんだ。いままでの きみは、その想像力が足りなかっただけだ。(事件を起こした)きみに理解を示すひとも、一定数はいるだろう。きみが田沼を理解したと思い込んでいたようにね。だが、こんな曖昧な感情では、きみを殺したいほど憎んでいる被害者の厳然たる感情の前に、圧倒的に無力だ。多くの被害を残した事実は永遠に残るのに、きみは十把ひとからげで扱われる。そして、きみを殺したいほど憎んでいる人間が、塀の外には大勢いる。それを知りながら『なぜ自分はこんなことしてしまったのか』塀の中で考え続ける人生はツラいぞ。覚悟はできていますか」


テレビ東京/2022年12月9日放送
【脚本】
櫻井武晴
※ 3段目は2名による連続した台詞をつなげたものです
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