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自由な女神 -バックステージ・イン・ニューヨーク-・第3話 [自由な女神]

「これはやられた。女がらみ どころじゃなかった。(ケンは)所帯持ちだった。やばい やばい、これはやばい。想像の斜め上というか、思いもよらないところからヤリが飛んできた。(わたし)びっりしてる。痛いというより、びっくりしてる。びっくりしてるうちに帰ります。あとは よろしくお願いします。いまは まだびっくりしてるから、びっくりが渋滞してるから、痛みは まだ遠くで待機してるけど、びっくりが引いたら痛みがやってきちゃう。そうしたら動けなくなっちゃうから、駅までも歩けなくなっちゃうから・・・」



「ケンの立場を思いやるのはいいけど、あんた自身が思うことは いろいろあっていいんじゃない? なんで、あなたが引かなきゃいけないの。ムカつくじゃない。だって、むこうはきっと答えなんか出ないことに対して、『どうしたらいいんだ』って、たそがれてるだけの男でしょ。『悪いことしちゃったよ』って落ち込んでさ。本来 落ち込むべきは、悪いことをされたほうなのに、それを差し置いて落ち込んでさ。で、非難を寄せつけないようにしてるわけじゃない。そんなの、『がっかり泥棒』じゃない」



「あのひとって、ほら、なんでも できちゃうひとだったじゃない? でも、社会に出て、思い知るわけよ。なんとなくじゃ、なんとも ならないって」



「おまえ、サチにさ、『なんで、ここにいんの?』って言ったんだろ。オレはそれが本当に許せない。(中略) サチは おかしいことしたか? おまえを心配してここに来たのに、『なにしてんの?』って言われるようなことしたか」



「たしかに あんた、本物だった。むかしは あたしの偽物でしかなかったけど、今日のあんたは本物のあんただった。あんたを いちばん素敵に踊らせるのは、あんたしかいないものね」


フジテレビ/2023年3月18日放送
【脚本】
櫻井智也/【原作】オーツカヒロキ
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