SSブログ
やすらぎの刻 ブログトップ
- | 次の20件

やすらぎの刻 ~道・第82話 [やすらぎの刻]

山窩さんかって、知っとるか?(中略) むかしから世間と交わらずに、奥山で独自に暮らしとる。言うてみれば、山の民。日本の遊牧民じゃ。きちっとした住所は持たんで、瀬降せぶりっちゅう仮小屋を建てて、山から山へ流れて暮らしとる。明治の時代に戸籍制度ができたとき、戸籍に入ることを拒んだから、本当の実態は ようわからんのよ。でも、2、30万は いまでも おると聞く。結束が固くて、平地の人間とは つきあわんから、徴兵されることもないし、税金も納めんし、義務教育も受けようとせん。徴兵できんと国は困るから、警察はそういう人間を探し出して、戸籍を取らせることと、定住させることを、一生懸命させようとしとる。でも、なかなか うまくいかんらしい」


テレビ朝日/2019年7月30日放送
【脚本】
倉本聰
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ

やすらぎの刻 ~道・第81話 [やすらぎの刻]

「(召集令状を破り捨て、山に身を隠した)あいつの気持ちは ようわかる。しかし、あいつがしたことは間違っとる。時代が違う。イヤな時代だが、仕方がない。わしらから逃げ切れても、時代からは逃げ切れん」


テレビ朝日/2019年7月29日放送
【脚本】
倉本聰
nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ

やすらぎの刻 ~道・第70話 [やすらぎの刻]

「所詮、おめえも小作人じゃろうが。小作人なら小作人らしく、強いモンに取り入ることばかりせんで、作物 育てることを考えたらどうじゃ」


テレビ朝日/2019年7月12日放送
【脚本】
倉本聰
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ

やすらぎの刻 ~道・第69話 [やすらぎの刻]

「気が合わんようになったのなら、話し合って、きれいに別れりゃいい。だけどな、口をきかんとか、目を合わさんとか、そういう陰湿な態度はやめろ。そばにいるもんが、みんな迷惑する」



「これまで親しかったモンと別れるっちゅうのは、その別れ方が難しいんだよ。ひとには きれな別れ方と、あとで後悔する別れ方がある。嫌な別れ方をすると、のちに尾を引く。そういう別れ方は、気持ちのいいもんじゃない」



「(三平にイライラするのは)あいつが弱虫だからか。戦争に行くのを怖がってるからか。だとしたら、それは少し違うぞ。いまの日本で『戦争はイヤだ』『死ぬのは怖い』とはっきり言い切ることは、弱い人間のできることじゃない。よっぽど覚悟した、強い人間だから言えることだ。オレなんぞ、弱虫だから、そんなことは よう言わん。だから、怖いのを必死に抑えて、ムリして表面 強がっとるフリして、お国の命じるままに、行きたくもない殺し合いに出かけようとしとる。あいつは決して弱虫なんかじゃない」


テレビ朝日/2019年7月11日放送
【脚本】
倉本聰
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ

やすらぎの刻 ~道・第64話 [やすらぎの刻]

「軍事教練や、戦争のことや・・・ギスギスした毎日に、イライラ暮らしとって、オレは確かに人相が変わってきた。鏡 見る度に、自分でもそう思っとった。ひとを恨んだり、憎んだりしとるに、確かに人相が変わってきてるんだ。オレもおまえも、兄ちゃんも しのちゃんも、気づかんうちに変わってきてるんだ。大人になるっちゅうことは、そういうことかもしれんが、オレたちの顔はどんどん変わってきちょる。変わって、よごれて、醜くなっちょる」


テレビ朝日/2019年7月4日放送
【脚本】
倉本聰
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ

やすらぎの刻 ~道・第61話 [やすらぎの刻]

「いまのタレントの女の子は着物を着たことがないんです。おっしゃる通り(ひどい着付け)です。着物を知ってる衣装の者が どんどん首を切られて、替わりにスタイリストと称する、わけのわからないネエちゃん方が、わが物顔にタレントに引っ付いて(いるんですから)」



「ひとは、まわりに なにか されるのと、まわりに なにかをして喜ばれるのと、どちらが生き甲斐かって言われたら、それは あとのほうだ」


テレビ朝日/2019年7月1日放送
【脚本】
倉本聰
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ

やすらぎの刻 ~道・第58話 [やすらぎの刻]

「世間に ようやく芽を出しかかった若者の起こした小さな・・・とも言えないが、ひとつの事件が、雑誌やテレビに毎日 取り上げられ、それに飛びつく大衆がおり、そのことで儲けるマスコミがあって・・・。毎度のことながら、それは われわれ日本人の、卑しく、残忍な心の内側を悲しく露呈する現象であって・・・。だが、それを誰ひとり止めようとしなかった。止めるどころか、多くの大衆が新たな生贄を痛めつけるその祭に、陰惨な喜びで参加していたのだ」


テレビ朝日/2019年6月26日放送
【脚本】
倉本聰
nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ

やすらぎの刻 ~道・第41話 [やすらぎの刻]

「しゃべっちゃいかんことは、しゃべっちゃいかんが、黙るべきでないことは、断固しゃべるべきだ」


テレビ朝日/2019年6月3日放送
【脚本】
倉本聰
nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ

やすらぎの刻 ~道・第38話 [やすらぎの刻]

「あなたは たしかに なぎなたが強い。でも、あれ以上強くなることはない。武道は相手を叩きのめすためのものじゃない。とくに女性には、自分の身を守るためのもの。それで充分です。いまの力で充分です。それより女性には、好きな相手をくるんでやる優しさ、そっちのほうが何倍も大事です。お転婆もいいけど、しのさんも もう大人だ。戦うことは男たちに任せて、もっと淑やかに、優しい女に おなりなさい」


テレビ朝日/2019年5月29日放送
【脚本】
倉本聰
nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ

やすらぎの刻 ~道・第32話 [やすらぎの刻]

「ひとりの人物を書こうとするとき、その人物の生まれたところから、背景となる その時代、その人物に起こった様々な出来事を、細かいことまで考えて、書き込んでいく。その人物が影響を受けた出来事、人格形成に響いたと思われること、傷ついた出来事、楽しかった出来事、影響を与えたひととの出会い、そして別れ――。直接ドラマの中に出てくるわけではないが、それらの些細な出来事の積み重ねが、その人物の性格を作っていく。これは極めて重要であり、不可欠の作業だ。一人ひとりの そうした内面が、ほかの人物と出会ったときに発生する化学作用が、ドラマを生み出す要因となる。木は根によって立つ。されど、根はひとの目に触れず。一見、徒労に見える その作業こそが、ドラマを生み出す根幹なのだ」


テレビ朝日/2019年5月21日放送
【脚本】
倉本聰
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ

やすらぎの刻 ~道・第31話 [やすらぎの刻]

「いつもなら、(脚本を書きはじめる前に)根を固める。根をしっかり張り、そして幹に移る。その作業を今回は怠っている。これはいけないと、わたしは思った。これでは昨今のテレビドラマと同じだ」


テレビ朝日/2019年5月20日放送
【脚本】
倉本聰
nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ

やすらぎの刻 ~道・第30話 [やすらぎの刻]

「戦争とケンカは似たようなもんだ。殺す気にならにゃ、殺されるぞ。少なくとも、半殺しにするつもりでやれ。殺しちまったら どうなるとか、そんなこと考えたら、最初から負けだ。そのうち、おまえら戦争 出たら、なにも考えずに人殺しするんだ。それも、行き当たりばったりに。憎んでもない相手をだ。今度の相手は憎むべきゲス野郎だ。天に代わって、不義を討つ気でやれ」


テレビ朝日/2019年5月17日放送
【脚本】
倉本聰
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ

やすらぎの刻 ~道・第19話 [やすらぎの刻]

「医学は人間の生命を長く持たせることに懸命になってる。長く持たせて、健康にさせて・・・さて、その体が健康になっても、ひとの体は否応なく老化する。老化して、次第に衰えてくる。衰えて、社会の役に立たなくなっても、それでも命は なによりも尊いと言う。それが果たして本当に尊いのか。それを考えると・・・その先はタブーだ」


テレビ朝日/2019年5月2日放送
【脚本】
倉本聰
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ

やすらぎの刻 ~道・第18話 [やすらぎの刻]

「1年前までは、腰が曲がっても鉄兵兄ちゃんの炭焼きを手伝い、酒を飲んだり、ぼくらを笑わせたり、鉄兵兄ちゃんを怒鳴りつけたり、元気に動いていた おばちゃんの顔が、いまは まったく表情を持たず、口をポカンと開け、目を閉じ、しゃべらず・・・たぶん、いろんなことを全部 忘れて、一個の物体になってしまっていた。ひとが死ぬっていうのは、そういうことで・・・きっと もう ひととして生きた何十年の出来事は、死んだ瞬間にすべて溶け去り、記憶と一緒に消えてしまうのだ」


テレビ朝日/2019年5月1日放送
【脚本】
倉本聰
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ

やすらぎの刻 ~道・第16話 [やすらぎの刻]

「殺したら祈れ。謝罪でも、感謝でもいい、神様に祈れ。獣を殺すとき、わしは いつも そうしとる。食わしていただくんだから、わしは そうしとる。命をいただくんだから、わしは そうしとる。戦争は、殺しても相手を食わん。食わんのに殺す。そんなこと、わしはできん。だからわしは、戦争ちゅうもん、好かん」


テレビ朝日/2019年4月29日放送
【脚本】
倉本聰
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ

やすらぎの刻 ~道・第6話 [やすらぎの刻]

「原風景って、なぜ惹かれるんだろうって(中略) わたし、思うんですけど、原風景ってのは、最後に自分の帰っていく・・・帰り着きたい、最終の景色だということじゃ ないんですかね。ですから、まあ、人生なんやかんや いろんなことがあっても、結局、われわれはあの景色の中に、最後は歩いていくって ことじゃないんですかね」


テレビ朝日/2019年4月15日放送
【脚本】
倉本聰
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ

やすらぎの刻 ~道・第3話 [やすらぎの刻]

「戦時下のドラマを書くということは、ひとの傷口をのぞくことだった。かさぶたを剥いで、再生した皮膚をもう一度むしり、その奥から肉を出すことだった。彼らがこのドラマを観て、どう感じるのか。彼らが内心、どう傷つくのか。そのことが、わたしには大問題だった」



「演じる者を役として光らせるには、その役者が本来 持っている欠点をさりげなく書き込むことだ。長所ではなく、欠点をだ。欠点を書いたほうが、個性が光り、その役が生き生きと輝いてくる」


テレビ朝日/2019年4月10日放送
【脚本】
倉本聰
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ
- | 次の20件 やすらぎの刻 ブログトップ