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やすらぎの刻 ~道・第154話 [やすらぎの刻]

「本来、農業は商業と違う。自分で耕して、自分で収穫して、自分らが食えりゃ、それでいいのよ。残ったものは漬物にして、それでも余ったら近所に回す。そうすると、お返しに なにか いただく。それが、むかしからの農家の暮らしだ。いっぱい作って、売って儲けようなんて、そんなこと考えなきゃ、ラクに暮らせる」


テレビ朝日/2019年11月8日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの刻 ~道・第140話 [やすらぎの刻]

「ひとりの人間を立ち直らせるには、ケチな情けをかけちゃ、いけねえんだよ」


テレビ朝日/2019年10月18日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの刻 ~道・第137話 [やすらぎの刻]

「赤の他人の個人的なことを世間にばらまくのも おかしなことなら、好奇心の強い暇人がそれに乗り、次々につぶやきを書き加えていくのも(おかしなことだ)。それはもはや、つぶやきという範疇のものではなく、他人をおとしめて快感を覚えるという、ひととして恥ずべき卑劣の連鎖だ。そういうことが、スマホやら、パソコンやらを利用して、社会全体に病気のように広がっている」



「あんたには女の気持ちがわからないのよ。子供を作ったことのある女を “女” って言うの。(中略) 産みの苦しみを経験して、初めて女は “女” って言えるの。あんたには、子供を持った親の気持ちがわからない」



「女の体は、秘密という細胞でできている」


テレビ朝日/2019年10月15日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの刻 ~道・第129話 [やすらぎの刻]

「昭和20年から21年にかけて、日本は混沌の最中さなかにあった。町には闇市が氾濫し、進駐軍の残飯を煮出した 栄養汁なる真っ赤な汁が、1杯10円で人々の腹を満たした。新聞には、陛下とマッカーサーの屈辱的なツーショットが載り、日本の秩序は ほとんど崩壊寸前だった。そこへ、外地からの引き揚げ船が復員兵をどっと送り込み、彼らは疲弊した故郷ふるさとへ散った」



「あそこは軍の研究所でな、毒ガスの研究をやってたらしい。捕虜をひそかに送り込んでな、人体実験をやってたらしいんだ。2、3日前に駐留軍があそこを襲って解放したらしいんだが、(中略) そのとき働かされてた強制労働者が、これまでの恨みで あそこの管理者を何人か半殺しの目に遭わせたらしい。戦争は まだまだ そう簡単には終わらないよ」



「(満蒙開拓団が入植した)あそこらの村は、終戦直後に中国兵やら住民に取り囲まれてなあ。若い男はみんな徴用で関東軍に召し上げられて(いたから)、残っておったモンは女こどもと、じいさん、ばあさんよ。そこへ、ソ連兵がどっと攻め込んで、略奪、暴行をはじめたから、残されたモンは手の打ちようがない。村中が集まって集団自決したモンもおったし、残っとった女は家族を守るために、ソ連兵に寄ってたかって暴行されたり、中には しょうことなく露助ろすけの言いなりに・・・。村の連中を守るための防波堤になるために、体 投げ出した若い奥さんたちがおったりで。子供は中国人に売られるわ、家族は散り散りに逃げたり、殺されたり、そういうモンの中に、何人かは大連まで逃げて、たどり着いて、かろうじて帰還船に乗ることができて・・・」


テレビ朝日/2019年10月3日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの刻 ~道・第128話 [やすらぎの刻]

「戦争に負けたということは、想像していたのとは、随分 違った。上陸してきたアメリカ兵は想像していた鬼のような連中ではなく、なによりピシッとアイロンのかかった、きちんとした制服を着ていたことが、ぼくらを驚かせ、意外に思わせた。なによりも ぼくらを驚かせたのは、これまで報道されていた新聞の記事が、嘘ばっかり書いていたことであり、ぼくらは大東亜戦争が実際には どんな怖ろしい負け戦であったか、その現実を知らされて信じられない思いだった。正直、ぼくらは なにを信じていいか まったくわからず、なにがホントで、なにが嘘なのか、まったくわからずウロウロしていた」


テレビ朝日/2019年10月2日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの刻 ~道・第126話 [やすらぎの刻]

「テレビに出てくる渋谷の駅前交差点――。あの交差点は70数年前、瓦礫と絶望に覆われていた。破壊された街は、コンクリートと瓦礫の山に覆われ、腹をすかした焼け出された人々と、ようやく帰還した復員兵とが、ただ茫然と立ちすくんだ街だった。われわれには重機もブルドーザーもなく、1個のコンクリート、1本の鉄筋を取り除くにも、一片一片を手で取り除き、隙間を作るより術がなかった。頼りになるのは、空腹の中で生き残った人々が持つ、体の中のわずかなエネルギー・・・。しかし、どういう奇跡が起きたのか、われわれは それを成し遂げてしまった。あの不可思議な復興のエネルギーが、いまだに わたしには信じられない。そうして、復興を成し遂げてしまった当時の若者は、力を使い果たし、年老い、思い出に生きるしかなく、その時代を知らない若者たちが、スマホをいじりながら街を闊歩する。彼らは、歩き回るアスファルトの下に、あのころの先人たちの どれほどの苦労が、汗と涙と無数の死体が、埋まっているかに気づこうともしない」



「まもなく米兵が上陸しているからな。女こどもは米兵に絶対に顔を見せてはいけない。ことに後ろを振り向くと、身を許すという意味だから注意せよ。もし運悪く取り押さえられたら、『ノー、ノー』。そして、目下 生理中という意味の『メンス』。『メンス』という言葉を叫べ」


テレビ朝日/2019年9月30日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの刻 ~道・第124話 [やすらぎの刻]

「あなたの長話は、病気とは まったく関係ありません。単なる癖です。話が次々に飛んでいってしまうのは、物事を論理的にとらえられないからです。それは むかしからの性格であって、認知症とは関係ありません」



「あなたは計算が最近できなくなったんじゃなくて、もともと算数が苦手だったんじゃないでしょうか。小学校時代、算数の成績、いいほうでしたか。(中略) 計算が苦手なのは もともとで、いまに始まったことじゃありません。ボケとは関係まったくないですから、余計な心配はなさらないように」



「名詞が出なくて『あれ』とか『これ』とか、代名詞でいろいろ言ってしまうのは、これは誰にでもあることであって、これを病気だと思ってしまうと、わたしも家内も病人になってしまいます。うちなんか、しょっちゅう物の名前が出なくなって、『ほら、あれ』『ああ、あれね』と、名詞抜きで会話が進むことはしょっちゅうです。会話というのは、互いの間で物事が理解され、進行すればよろしいわけで、名詞そのものに大した意味はございません」



「相手の名前が覚えられないのは、認知症とはまったく無関係です。名前というのは、個人を識別するための、一種の便宜的記号のようなもので、『このハゲ』でも『このデブ』でも、自分で勝手につければいいものです。一般的・平均的識別記号として、各人、名前を持っており、それを名刺に刷ったりいたしますが、これは会った人の名前が全部 覚えきれるわけがない。だから、一応、名詞を交換して、わたしの記号は なになにですと、識別のための材料にしているだけの話で、それらを全部 頭に入れるのは、そもそも無理な話です。脳の許容量をたちまち越えます。名前をどんどん忘れることは、社会で生きるための重要な手段です」



「よく世間では『昨夜ゆうべなにを食べたか』『一昨日おとといの晩は なにを食べたか』なんてことを、記憶力の判断基準とすることがあるようですが、そんなことをいちいち覚えていても、なんの価値もありません。それより、あなたが さっき おっしゃったように『一緒に食べてた相手の口にソースがくっついてて、拭いてやろうかと思った』というほうが、ずっと重要な記憶力です」



「みなさんの記憶力の衰退は、衰退じゃなく、それが もともと お持ちの、本来のレベルなんです。忘れっぽい、計算ができない、名前が出てこない――いずれも、みなさん本来お持ちのレベルであり、癖です。ご心配のような、加齢による認知症とはまったく関係のないことですから、どうか つまらないことに お悩みにならないように」


テレビ朝日/2019年9月26日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの刻 ~道・第123話 [やすらぎの刻]

「ここ何日か、一日の中の数時間、めぐみさんの認知症は突然 現れ、彼女をまったく別の世界へいざなって、連れて行く様子だった。正常な時間がないわけではなかった。正常に戻ると めぐみさんは まったく いつもと変わらなかった。しかし、本当に一日のうちの何時間、ときには何分という短い時間、彼女は認知症という不思議な妖精に誘われ、その世界に連れて行かれるのだ」



「若いころ、わたしたちは しょっちゅう互いを見つめ合い、なにかをしゃべり合い、そして笑った。笑い合うことが、ふたりの幸せだった。だが、幸せの形はそのうち変わった。見つめ合うことは次第に少なくなり、並んで なにかを見つめることのほうが、あるいは聞くことが、感じることが、そして、同じことに心打たれ、語り合うのでなく、同じ感動を心の中にしっかり共有して、黙って並んで歩くことのほうが、恋の新しい形になってきた」


テレビ朝日/2019年9月25日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの刻 ~道・第115話 [やすらぎの刻]

「一時 名が売れ、世の注目を浴び、それが突然 みんなから忘れられ、誰も自分を振り返らなくなる。そのとき ひとは、そのさびしさに慣れ、次第に その中に しぼんでいくのだが、中には そうでない人間もいる。自分のしぼみを認められないで、あわれに 悲しく あがく者もいる」



「ひとりの人間がどんどん大きくなる。大きくなったと、自分でも思う。そのうち自分のその思いが、世間の思いをどんどん越えて、ひとり勝手にふくらんでしまう。そういう人間は、はた目に滑稽だ。しかし同時に、どこかで哀しい」


テレビ朝日/2019年9月13日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの刻 ~道・第113話 [やすらぎの刻]

「世の中、ひでえことになってんなあ。ドイツが無条件降伏したのは知ってんだろ。新聞、読んでないのかよ。イタリアがその前に降参したんだよ。ムッソリーニは大衆に吊るされて、銃殺されて死んだらしい。三国同盟もついに崩壊だよ。日本も もうあんま長くねえだろうな。(本土決戦?)そんな余裕なんか、あるもんかよ。竹槍 持って戦おうなんて言ったって、あっちの戦力なんか、そんなもんじゃねえよ。沖縄が敵の手に落ちたって言うぜ。あっちは ものすげえ戦闘だったらしいなあ。女学生まで戦ったそうだが、簡単に全滅しちまったらしい。沖縄が敵さんの手に落ちたってなりゃ、あそこからバンバン飛行機が飛んでくらあ。空襲はいままでの何倍にもなるぜ。本土決戦なんて言ってる暇はねえよ。面白いモン見せてやろうか。(中略) 敵機の撒いてった伝単でんたんだ。空襲予告の宣伝ビラだよ。次に空襲する都市の名前まで いちいち はっきり書き込んであるぜ。大本営じゃ、必死に隠して、(オレたちが)拾って隠していると、しょっ引かれるがね。予告はその通りになってるそうだぜ。しかもな、ご丁寧なことに、その文章には『爆弾には目がないから、どこに落ちるかわからない。だから、早いとこ避難しなさい』とさ。ここまでナメられちゃ、どうしようもねえな」


テレビ朝日/2019年9月11日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの刻 ~道・第112話 [やすらぎの刻]

「泣きたきゃ、泣きゃいい。(家族が死んだんだ、)男はこういうときにこそ泣くもんじゃ。泣いたって、べつに恥ずかしいことじゃない。(中略) だがな、これからは天涯孤独だと、そういうふうには考えるな。おまえらには、いつだって まわりにひとがいる」



「戦争は嫌だな。戦争はケンカじゃ。それも、なんの恨みもない、会ったこともない相手とのな。こういうことを考えたことがあるか。東京に爆弾を撒いていった敵兵、あいつらだって、自分の殺してる日本人を誰ひとり知らんで殺しよったんじゃ。なかには、なんの恨みもないのに どうして こんなことせにゃいかんのかと、泣きながら爆弾を落としていったやつがいたかもしれん。自分の殺しとる敵の人間が、自分の親父や、おふくろや、兄弟や、そういうモンだったら どうするんじゃと、そういうこと考えて、泣きながら爆弾 落としていったやつがいたかもしれん。きっと、そういうやつが おったと思うんじゃ。おらんはずがない。きっと、必ずおったと。おったはずじゃ。そういうモンがいることを考えると、わしは悲しくて涙が出る。戦争っちゅうのは、そういうもんじゃ。殺す理由などない者を、敵というだけで、国が違うというだけで、ただ訳もなく殺し合うんじゃ」


テレビ朝日/2019年9月10日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの刻 ~道・第111話 [やすらぎの刻]

「アメリカ軍の手に落ちたマリアナ諸島の基地から出撃したB-29の大軍は、首都東京を攻撃する場合、富士山を目標に浜松の上空から偏西風に乗って東京方面へ向かうルートをとった。だから、通過路である山梨県は連日のように空襲警報のサイレンにさらされた。3月10日の下町大空襲を皮切りに、4月13日、豊島・渋谷・向島・深川大空襲、死者2459、焼失家屋20万戸。4月15日、羽田・蒲田・大森・荏原・川崎方面、死者841、焼失家屋6万8000戸。5月24日、麹町・麻布・牛込・本郷方面、死者762、焼失家屋6万5000戸。5月25日、中野・四谷・牛込・赤坂・世田谷方面を狙った山の手大空襲、死者3651、焼失家屋16万6000戸。国会議事堂周辺や皇居の一部も焼失。B-29の投下したのは『モロトフのパンかご』と呼ばれた焼夷弾が主体であり、ひとつの爆弾が空中で分解し、油の雨を地上に ばらまくという、まさに日本の木造都市を火の海にするための攻撃であった。あの日、下町大空襲のあの夜、都心の夜空が真っ赤に染め上がったのを、わたしは ほど近い杉並善福寺の防空壕の中から、一家で震えながら見つめていたのだ。正直な告白をしなければならない。いま書いたことには、多分の嘘がある。いや。事実は決して嘘ではない。しかし、そのころ そうした実情を同じ東京に住んでいながら、ぼくらは ほとんど知らなかったのだ。いや、知らされていなかったと言うほうが正しい。その夜、東京下町で起こったことの事実を、ぼくらが現実に知ることになるのは、戦争が終結して、しばらく経ってからだ。その翌朝の朝日新聞の記事『大本営発表。本3月10日、霊時過ぎより2時40分の間、B-29 約130機、主力をもって帝都に来襲、市街地を盲爆せり』――。これが10万人以上を一夜にして失った、広島・長崎の被害に匹敵する東京大空襲の報道だったのだ」


テレビ朝日/2019年9月9日放送
【脚本】
倉本聰
台詞内の新聞記事については、こちらで表記を現代の仮名遣い、漢字に変換し、句読点を入れました
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やすらぎの刻 ~道・第110話 [やすらぎの刻]

「(キリスト教徒は)どんなひとでも愛するんですか。それは敵でもですか。敵という意味がわからないのかな。国が敵だと決めたものが敵ですよ。あなたは敵に右の頬を殴られたら、左の頬をも殴れと差し出しますか。(中略) あなたは戦争は嫌いですか。戦争はよくないと思いますか。いや、自分も正直(戦争は ないほうがいいと)そう思いますよ。しかし、いま日本は戦争をしてます。戦争をしている以上、仕方ありませんな。同胞が・・・というか、家族や友人が殺されるのを見て、自分も殺せと左の頬を敵さんに差し出すわけにはいかない。家族を必死に守るために、戦うことしか できんでしょう。あなたの言うことは間違っちゃおらんが、いまは その考えは言わんほうがいいです」


テレビ朝日/2019年9月6日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの刻 ~道・第109話 [やすらぎの刻]

「東京のほうは よっぽど食いモンがないらしくて、マメでも、イモでも、少しでいいから分けてくれって、押しかけてくるんだ。東京だけじゃない、甲府のほうからもな。それが ほとんど金を持たんから、誰もかれも着物を持ち込んでくるんだ。そんなもん持ち込まれたって困るって言うんだが、ちっこい子の手を引いて泣いて頼まれるとな・・・。うちのタンスは着物でいっぱいで、屋根裏部屋にまで置いてある始末だよ。(そんなに着物ばっか預かって)どうするんかな。戦争が終わったら、古着屋でも開くか」



「近々、農家にも “ねこそぎ動員” ちゅうもんが かかるらしい。これまで農家は、当主も長男も兵役に出ずに すんどったたろ。それが、政府の方針が変わって、もうそんなことも言っちゃおられんと。45才までの成人男子は、農家の当主も長男もなく、みんな軍隊に引っ張られるんだそうだ。それが “ねこそぎ動員” じゃ。わしも どうやら引っ張られるらしい。(男がいなくなった畑をどうするつもりかは)知らん。女や子供にさせる気だろう。(そんなもんで国民の食い物が間に合うかどうかは)知らん。国の方針だそうだから・・・。日本は この先、どこへ行くんかな」


テレビ朝日/2019年9月5日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの刻 ~道・第108話 [やすらぎの刻]

「仲間3人とジャングルを逃げてて、もう4日ぐらい、なんも食ってなくて、腹減って、腹減って、死にそうになって・・・。そしたら、一緒に逃げてた戦友のひとりが、とうとう動けなくなって、死んだんだとよ。そしたら、残ったやつのひとりが、死んだやつの体をゴボウ剣でえぐって、生のまま いきなり食いはじめたんだと。ほかのやつら、最初、びっくりしたんだよ。だけど、そいつが あんまり うまそうに食うんで、自分もえぐって食ってみたんだと。そしたら、それが なんとも うめえんだとよ。まあ、そいつも結局(中略)、死んだけどな。戦場ってのは そういうもんよ。内地にいる大本営のお偉いさんは、世界地図の上で線 引っ張って、ああだこうだって、命令するだけだけどな。現場の兵隊ってのは、そんなもんよ」



「(神風特攻隊は)自分の飛行機に爆弾 積んで、飛行機ごと敵艦に体当たりすんだ。行きの燃料しか積まれてねえから、帰ってくるわけにはいかねえんだ。一機ひとりで操縦してって、飛行機もろとも、敵艦にドカーンさ。そうよ(自爆だよ。ぶつかる寸前に落下傘で降りる?)そんな余裕なんかあるもんかよ。ドーン、ズバーンで一巻の終わりよ。あとは、そのまま靖国神社へ直行だよ」


テレビ朝日/2019年9月4日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの刻 ~道・第94話 [やすらぎの刻]

「いま書いている わたしのシナリオは(世間をあっと言わせてみたいとか)決してそういう作品ではない。誰にも読まれず、どこにも売らず、誰の目にも触れず、誰をも感動させず、だた自分が最後のエネルギーを費やして、生きたという証を自ら味わいたい、自分の体の消滅と共に、焼き場の火の中で一緒に燃え尽きる、誰にも見られない作品にしたいのだ。だからこそ、必死に書いているのだ」


テレビ朝日/2019年8月15日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの刻 ~道・第93話 [やすらぎの刻]

「過去のテレビ人たちが必死になって作ったものを、ひたすら笑いのタネにしようっていう制作態度は納得できません。(中略) こんな番組に(やすらぎの郷の)みんな 出してごらんなさい。お笑いタレントたちにメチャクチャにされて、結局、みんな傷つきますよ」



「本当に観たい視聴者はね、いまは録画して、あとで観るんですよ。その数字は、視聴率調査には ほとんで出てきません。調査会社は その数字を総合視聴率みたいな言い方で、一応 公表しているふりをしていますがね、あくまでも ふりだけです。いいですか、録画したものを再生して観るときにはね、コマーシャルはスキップしてしまうんですよ。ですから、いまの視聴率調査というのは、番組に対してではなくて、コマーシャルに対しての視聴率調査なんです」



「むかし売れててさ、いまは世間から忘れられちまった過去の売れっ子にはさ、恥をかいてでも、もう一度 テレビに出て、改めて自分を思い出してもらいたいって、そういうチャンスを狙ってるやつが もう うじゃうじゃ、結構 意地汚くいるんだよ」


テレビ朝日/2019年8月14日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの刻 ~道・第85話 [やすらぎの刻]

「オレがスターに手をつけたわけじゃない。オレがめかけをスターにしたんだ」


テレビ朝日/2019年8月2日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの刻 ~道・第84話 [やすらぎの刻]

「いま わたしは神奈川県 横須賀の海軍病院で働いています。(中略) わたしの仕事は毎日 輸送船で送られてくる前線からの傷病兵を『在隊治癒可能な微傷者』『自分で歩ける徒歩可能者』『担架で搬送しなければならない重傷者』『助かる見込みのない死者』の4段階に、軍医たちが即座に判断し分別するのに、荷札のように木札を(手首に)つけ、各病室に送り込む仕事です」


テレビ朝日/2019年8月1日放送
【脚本】
倉本聰
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やすらぎの刻 ~道・第82話 [やすらぎの刻]

山窩さんかって、知っとるか?(中略) むかしから世間と交わらずに、奥山で独自に暮らしとる。言うてみれば、山の民。日本の遊牧民じゃ。きちっとした住所は持たんで、瀬降せぶりっちゅう仮小屋を建てて、山から山へ流れて暮らしとる。明治の時代に戸籍制度ができたとき、戸籍に入ることを拒んだから、本当の実態は ようわからんのよ。でも、2、30万は いまでも おると聞く。結束が固くて、平地の人間とは つきあわんから、徴兵されることもないし、税金も納めんし、義務教育も受けようとせん。徴兵できんと国は困るから、警察はそういう人間を探し出して、戸籍を取らせることと、定住させることを、一生懸命させようとしとる。でも、なかなか うまくいかんらしい」


テレビ朝日/2019年7月30日放送
【脚本】
倉本聰
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