桜の塔・第８話 [桜の塔]
「人間、誰でも過ちは犯す。ましてや、オレたちのような立場なら、その過ちも ひとつやふたつじゃ済まされないだろう。だが、大事なのは、それを どう悔い改め、どう次の世代に生かすかっていうことだ。それこそが、定年間際になって警察の頂点に立つことの意味なんじゃないのか」
「なにかを成し遂げるためには、トップに立つしかない。トップに立ちたいなら、したたかに生きるしかない。そこで勝ち上がれないやつは、所詮、その程度の器に過ぎない。そんなやつが、なにかを成し遂げることなんて できるわけないだろう」
「警察は ひとを助けるためにある。それ以上でも、それ以下でもない――。警視総監を目指したのは、きみのお父さんの影響でした。でも、野心の階段を駆け上がるうち、上條さんから学んだ警察官の良心は徐々に失われていきました」
テレビ朝日／2021年6月3日放送
【脚本】武藤将吾
桜の塔・第６話 [桜の塔]
「わたしは派閥争いというものに興味がなくてね。関心があるのは、わたしに従うか、従わないか、その二択だけだ」
「相手の話に過敏になって まくし立てるのは、嘘をついてる典型だ」
「オレの将来なんて どうでもいい。大事なのは、警察の未来なんだよ。（中略） 悪魔に魂を売ってでも果たしたいのは、自分の出世なんかじゃない。本当の悪を倒すことだ。警察は ひとを助けるためにある。それ以上でも、それ以下でもない」
テレビ朝日／2021年5月20日放送
【脚本】武藤将吾
桜の塔・第４話 [桜の塔]
「仲間を疑うってのは、いちばん苦しいよな。だから、信じてダマされるほうが、よっぽどマシだ」
「もう外様派 扱いは勘弁してくださいよ。（新しい呼び名で）たとえば、こういうのはどうでしょう。（みなさんとは違う）金にも、コネにも、頼らない実力派」
「公にすることだけが正義じゃないだろ。おまえ、なにも わかってないよ・・・組織を守ることが、秩序を保つことが、どれだけの矛盾をはらんでるのか。その中で一貫する正義なんて、存在しないんだよ」
「あのとき上條さんを救えなかったのは、オレに力がなかったからじゃない。勇気がなかったからだ。あのとき、オレに戦う勇気さえあれば・・・強さがあれば、きみのお父さんは死なずに すんだかもしれない」
テレビ朝日／2021年5月6日放送
【脚本】武藤将吾
桜の塔・第１話 [桜の塔]
「どうだった、捜査会議という名の “吊し上げ” は？ （中略） オレたちキャリアは、いわば必要悪。やつら（現場の人間）の酒のサカナになるくらいが ちょうどいい」
「あなたもキャリア？ （うちの父の世話になっているのね。）じゃあ、刑事部・・・。エリートコースからは外れてるんだ。警察庁長官や警視総監になるには、警備部や官房長官クラスにいないとキビシイんでしょ。警察ヒエラルキーの上位を占めるのは、東大派と、九州出身者の薩摩派。学歴もコネも乏しいパパみたいな外様派は、天変地異でも起きない限り、トップに立つ事はできない」
「きみと、吉永くんと、権藤くんは85年組か。きみたちくらいの年齢になれば、たいていは もう警察庁長官と警視総監になる人間が決まっていて、それ以外の者は天下りの恩恵を受けてるはずだが。きみたちの代は、いまだ３人で その椅子をせめぎ合ってる」
「漣はね、キャリアだから、７年働けば自動的に警視になれるの。わたしたちノンキャリが、頑張って、頑張って、50過ぎで警視になれるところを、キャリアは30で警視、35で警視正、40過ぎで警視長、そのあとは・・・」
「警視監。そのぐらい覚えとけ。それに、自動的に階級が上がるのは警視までだ。警視正からは推薦が必要になる」
テレビ朝日／2021年4月15日放送
【脚本】武藤将吾
