おかえりモネ・第119話 [おかえりモネ]
「わたし、サヤカさんみたいになりたい。誰が来ても受け入れて、いつでも『行っといで』って送り出す。で、帰ってきたら『おかえり』って言ってあげる」
「みーちゃんが、どうしても自分を許せないなら、わたしが言い続ける・・・みーちゃんは悪くないって。記憶も、あの日 わたしたちを隔ててしまったものも、消えない。だから、みーちゃんが何度も何度も、自分を許せなくなるなら、そのたんびに わたしが言う。みーちゃんは悪くない。こんな言葉、きれいごとで、なんの役にも立たないかもしれない。でも、言う。みーちゃんが思い出すたんびに、わたしが言う。みーちゃんは悪くない。絶対に悪くない」
「忘れないって、大事だけど、苦しい。だから、ときどき忘れて、笑ってね」
NHK/2021年10月28日放送
【脚本】安達奈緒子
おかえりモネ・第117話 [おかえりモネ]
「(緊張しますね、こういう雰囲気。)歴史というか・・・時間ですかね。共有していないものの多さに圧倒されます」
「オレに漁師の勘が足りねえなら、科学で補えばいいんだ。借りられるもんは、どんどん借りればいい」
「大事なひとたちが幸せになる。こんなに うれしいことない」
NHK/2021年10月26日放送
【脚本】安達奈緒子
おかえりモネ・第116話 [おかえりモネ]
「(大事なひとが目の前から消えたら)怖いですよ。残念ながら ぼくらは、お互いの問題ではなく、まったくの不可抗力で、突然、大事なひとを失ってしまうという可能性をゼロにはできません。未来に対して、ぼくらは無力です。でも だから、せめて いま目の前にいる そのひとを最大限 大事にするほかに、恐怖に立ち向かう術はない」
NHK/2021年10月25日放送
【脚本】安達奈緒子
おかえりモネ・第115話 [おかえりモネ]
「なんか続けるっつーことはよ、おんなじことを なんでも ずっと やんなきゃいけねえってことじゃねえんだよ。変えなきゃいけねえものは とっとと変えてよ、大事なものを守っていきゃいいんだ」
NHK/2021年10月22日放送
【脚本】安達奈緒子
おかえりモネ・第110話 [おかえりモネ]
「亮くんは大丈夫しか言わない。優しい顔で笑って、大丈夫って言われる度にね、ああ、わたしじゃダメなんだ。やっぱり、なにもできないんだって、思い知らされる」
「りょーちんに、大丈夫って言われる度に、わたしも、みーちゃんも、ちょっとずつ傷ついてきた――。でも、そう言わせてきたのは、わたしたちだし、りょーちんは そう言い続けるしかなかったよね」
NHK/2021年10月15日放送
【脚本】安達奈緒子
おかえりモネ・第109話 [おかえりモネ]
「わたしたち(気象予報士)は、自分たちの力を過信してはいけません。わたしたちは予言者ではない。未来を予測できるのは、あくまでも科学に基づくデータの集積と分析によるものです。不確かな未来を、自分たちの思うように操作できるわけではありません。祈ることしかできないという経験を、わたしたちは何度もしています。永浦さんは最善を尽くしました。これ以上、できることは ありません」
NHK/2021年10月14日放送
【脚本】安達奈緒子
おかえりモネ・第105話 [おかえりモネ]
「あかりちゃんを助けてるようで、こっちも助けてもらってるから。あ、いや、それにね、もし助けてもらってるばっかりだったとしても、それはそれで いいっていう世の中のほうが いいんじゃないかな」
NHK/2021年10月8日放送
【脚本】安達奈緒子
おかえりモネ・第104話 [おかえりモネ]
「ここが痛いって言わせてあげるだけでいいんじゃないですか。ここが痛い、まだ痛むって、口に出させてあげることは、本人の心を軽くします。解決が無理でも、それで糸口が見つかるということもある」
「先生の言葉はときどきキツイけど、わたしには ないと困る」
「子供は堂々と大人の力を借りていいと思う。わたしも いろんなひとの力 借りてきたから。わたしに できることなら、(あなたのために、なにか)したい」
NHK/2021年10月7日放送
【脚本】安達奈緒子
おかえりモネ・第91話 [おかえりモネ]
「ぼくは あなたが抱えてきた痛みを想像することで、自分が見えてる世界が二倍になった。ぼくは あなたといると、自分が “いいほう” に変わっていけると思える。たぶん、これからも。だから・・・。違う。理屈ではそうだ。でも、理屈じゃない。(中略) そういうことじゃないんだ。(あなたの)顔を見れば うれしいし、声を聞けばホッとする。離れるときは、もう少し この時間が続けばいいのにと思う。これだ。この感情がすべてだ。一緒にいたい・・・この先の未来、一分一秒でも長く。結婚したいと思ってる」
NHK/2021年9月20日放送
【脚本】安達奈緒子
おかえりモネ・第90話 [おかえりモネ]
「若者たちが真摯に仕事に向き合う姿を見て、胸を熱くしてたのよ。年長者の醍醐味ね」
「(気象予報で)誰かを助けたいという気持ちは持っていていい。でも、助けることに成果を求めてはダメですよ」
NHK/2021年9月17日放送
【脚本】安達奈緒子
おかえりモネ・第89話 [おかえりモネ]
「落ち着いて、整理しましょう。被害状況を伝えるばっかりになってる。それは違う。被害報道はニュースが責任を持って伝えてくれる。(中略) わたしたち気象班が伝えるべきは、起こったことじゃない。これから起きること。これからいちばん危険なのはどこ? 防ぐべき被害はなに? わたしたちの仕事はなに? これから起きる被害を最小限に食い止めることよ」
「100年、200年、そこに暮らしている ひとたちに伝わる言い伝えは、過去の災害を踏まえているものだったりします。安易に受け流すべきではありません。伝え方はいろいろでも、そこに暮らしている ひとたちを守りたいっていう思いが、残されているんだと思います」
NHK/2021年9月16日放送
【脚本】安達奈緒子
おかえりモネ・第88話 [おかえりモネ]
「ぼくは難しい状態にある患者さんには、少し先の未来に起きるであろうことを、できるだけ具体的に、想像できるように説明するようにしています。たとえば食事が取れなくなってきている おじいちゃんの ご家族には、このままだと2、3週間後には体力が落ちて、起き上がることは まずできなくなりますと伝えます。これから先どうなるか、まったくわからないという状態よりも、なにが起きるかが わかっていたほうが、人間は心が安定する。そして、ちゃんと行動できるようになると、ぼくは思う」
NHK/2021年9月15日放送
【脚本】安達奈緒子
おかえりモネ・第85話 [おかえりモネ]
「情報は正確でなければならない。それは、もはや基本です。では、その次は? どう伝えるかです。わたしたちは全員、伝えるエキスパートを目指すべきだ。でもね、人間の情報処理能力には限界があるんで、どうしても受け取り側の経験や価値観に左右される――。ひとは自分の好きなひとや、なんとなく信用できそうなひとの話しか、聞かないってことです。だから、信用されるひとになってください」
NHK/2021年9月10日放送
【脚本】安達奈緒子
おかえりモネ・第80話 [おかえりモネ]
「わたしたちが やれることなんて、あとひとつぐらいですよ。最後までカッコよく生きてやりましょうよ。かなわねえなって、思われるぐらい。そうしたら、子供たちも、生きんの楽しくなるでしょう」
NHK/2021年9月3日放送
【脚本】安達奈緒子
おかえりモネ・第73話 [おかえりモネ]
「約束して会う――。これが大事なの。『いつも なんとなく会う』とか、『仕事で会う』とかじゃ、ダメなんだよ」
「ひとの気持ちなんか、フワフワしたもんなんだよ。自分が大好きで、相手も自分のこと好きでいてくれる瞬間なんてね、ホント、一瞬しかないんだからね。奇跡だからね。この一瞬を逃したら、次の日には いろんなことが変わっちゃうかもしれないんだよ。それで、変わっちゃったら、もう元には戻らない」
NHK/2021年8月25日放送
【脚本】安達奈緒子
おかえりモネ・第70話 [おかえりモネ]
「大事にしてきたことは、大事なんです。それを失うような忠告では、誰も行動しない」
「わたしがスポーツ気象に力を入れようと思ったのは、情報の活用が大きな成功を生むという体験を、みんなにしてもらいたかったから。情報を得て、的確に予測して行動すれば、喜びや幸せは手に入る――。ひとはもともと、ずっと そうやって生き抜いてきたんですよね・・・どこにいても。それで、未来をよくしてきた。気象情報は未来をよくするためにある」
NHK/2021年8月20日放送
【脚本】安達奈緒子
おかえりモネ・第69話 [おかえりモネ]
「(予測を超える被害が出たことが)自分のせいだなんて、青臭いことは言いません。わたしは あの時点での最善を尽くした――。そう言えないとしたら、それは無責任です」
「ようやく元に戻ってきたところで、また災害が起きる――。私は薄情なので、なにも好んで そんな土地にとどまることはない。離れればいいじゃないかと(思ってしまう)。土地へのノスタルジーなんて、命には代えられないだろう、と。でも、命を引き合いに出して、大事なものを捨てろなんて迫るのは、部外者の暴力でしょう」
「オレも思ってましたよ・・・(こんな土地は)離れたらいいって。自然なんか、本当、思い通りにならないしね。(中略) ただ、親父なんか見てっとね、べつに海とか土地にだけ、根づいてるわけでもないんだろうなって、ときどき思うんです。ひとなのかなあ・・・わかんない。そこに生きてきたひとたちの、顔も声も知らない、何十年、何百年と、生み育ててくれた ひとたちの、こう、愛情っつうか、その思いに報いなきゃって、なんか厄介な親子の情みたいなもんがね、なんかこう、染みついてんでしょうね」
NHK/2021年8月19日放送
【脚本】安達奈緒子
おかえりモネ・第67話 [おかえりモネ]
「深刻な問題に対処するには、当事者ではない人間のほうが より深く考えるべきだと、ぼくは思うんです。いま痛みを抱えてるひとや、近しいひとは、考えることすらツラいでしょ。だから、医者のような人間が、たとえ厳しい選択でも、患者さんのために考えて決断する――」
「(たとえ慣れ親しんだ土地であっても、自然災害によって)たびたび命に危険が及ぶような場所は、もはや その生物にとって、適した環境とは言えない。離れた方がいい。(中略) サンマの漁獲高が減ってるでしょ? 彼らは冷たい水が好きなんですよ。だから、わざわざ我慢して、生ぬるい水の海域には とどまらない――。自分たちが快適に生きられるように、なにも考えずに移動する。それが生物のたくましさだし、そのことに なにか後ろめたさを感じる必要はないと思いますよ」
NHK/2021年8月17日放送
【脚本】安達奈緒子