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イチケイのカラス・第1話 [イチケイのカラス]

「わたしは(面倒くさい堅物だと)周囲にそう思われている――。そのことは理解しています。正しいこと、それは『面倒くさい』の同義語。正しいことを言って、面倒くさがられている。つまり、わたしには避けられない問題だと、受け止めています」



「(判決を出すときは)基本、悩みません。検察は時間をかけて綿密な捜査をおこなう疑似裁判的な役割を担います。そこで出てきた証拠で間違いなければ起訴するし、そうでなければ起訴はしない。簡単に言えば、99.9パーセントの確証がないと、起訴はしない。だから、(裁判官が)悩む必要はありません」



「裁判官は常にひとりで250件前後の事件を担当しています。処理した事件数が、新規の事件数を上回っていれば『黒字』、逆の場合は『赤字』と呼ばれます。赤字を出さないこと、それが裁判官にとって、いちばん大事なことだと考えます」



「ぼくはこう思うな。裁判官にとって大事なこと。話を聞いて、聞いて、聞きまくって、悩んで、悩んで、悩みまくって、いちばん いい答えを決めること。違うかな。(中略) きみは裁判官としては優秀なんだろうね。でも、 “悩まないこと” に悩むことになるよ」



「学歴は大事です。学生時代、どれだけ努力してきたか明確にわかる ものさしです」



「本人が納得してない刑を下すと、どうなると思う? 出所したら、また罪を犯すかもしれない。今度は傷害では すまないかもしれないんだよ。ぼくたち(裁判官)の仕事は なんだったんだって思わない? (中略) すべて わかった上で、この事件に関わったひと全員にとって、いちばん いい判決を下したい。これは譲れないな」



「(浦島太郎に出てくる乙姫の罪状はなにか、)答えは明白でしょう。地上とは時の進み方が違う竜宮城に連れて行ったことに関して、詐欺罪が適用される。さらに玉手箱の煙は、明らかに危険物。それを、まるで お土産のように、明確な使用目的を告げず持たせた結果、浦島太郎を老化させ、甚大な苦痛を与えた。煙の量を間違えれば、死んでいた。殺人未遂も視野に入れるべきです」


フジテレビ/2021年4月5日放送
【脚本】
浜田秀哉/【原作】浅見理都
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