ナイト・ドクター・第11話（最終回） [ナイト・ドクター]
「人知れず夜に働くひとたちがいる――。そのおかげで、時刻通りに走る電車、ゴミのない きれいな街並み、いつも通りの通勤場所。そこには、わたしたちの知っている当たり前の朝がある。わたしたちナイト･ドクターに課せられた使命、それは夜の病院を守るだけじゃない。この当たり前にあるはずの毎朝を、きっと守ることなんだ」
フジテレビ／2021年9月13日放送
【脚本】大北はるか
ナイト・ドクター・第８話 [ナイト・ドクター]
「救急医が ほかの科の先生たちから、なんて言われてるか知ってる？ なんでも屋――。幅広く初期治療をおこなえる代わりに、専門性は皆無で、一生 中途半端な医者で終わるだろうって。若い医者が救急医になりたがらないのも、まあ、きっと それが原因のひとつだよ。人生100年時代に専門性のない仕事を選ぶなんて、リスクでしかないでしょ」
フジテレビ／2021年8月23日放送
【脚本】大北はるか
ナイト・ドクター・第７話 [ナイト・ドクター]
「夜に働く医者が、昼間の連中と同等、もしくは それ以上に優秀だと知れ渡れば、意識の高い優れた医者が ここに学びにやって来る。いつの日か、ナイト･ドクター制度が全国に波及し、おまえたちのような夜間専門のドクターが、いて当たり前のものとなれば、医者の過重労働に頼らない、新しい働き方が日本でも実現する。そうなれば、人手不足にあえぐ救急医療の未来を変えられるかもしれない」
フジテレビ／2021年8月16日放送
【脚本】大北はるか
ナイト・ドクター・第６話 [ナイト・ドクター]
「頑張るってさ、本人は それで 気持ち満たされてる部分あるのかもしれないけど、見てる側からすると、心配で、心 すり減らすことだってあるんだよ」
「働き方改革って、働く時間を減らすことだけじゃないんですよね。仕事で毎日 同じことを繰り返すよりも、例えば、休みの日に自分の知りたい分野の論文を読んでみたり、学びたい手術のDVDを見たり、最新の技術を身につけるためにセミナーに参加したり、同僚の力を借りて勉強したり・・・。そうやって、休んでる時間にも学べることは たくさんあって。労働時間が減った分、いかに効率よく作業できるか工夫したり。そういうことも含めて、よりよい環境を作り出すことが、働き方改革なんですよね」
フジテレビ／2021年8月9日放送
【脚本】大北はるか
ナイト・ドクター・第５話 [ナイト・ドクター]
「働き方改革のせいで、わたしたちは労働時間が削られた分、経験を積める機会も減った。成瀬先輩が１年で学べたことが、いまは２年、いや３年は かかるかも・・・。このままじゃ、日本の医療のレベルは落ちる一方。それってさ、ホントに患者のためなの？」
「形式的なインフォームドコンセントを徹底した結果、アメリカでは、逆に訴訟が増えたという事実を ご存じですか。マニュアル通りの説明だけして、ありとあらゆるリスクを羅列し、患者には同意のサインだけを求める――。医学的知識の乏しい患者が、医者の説明をすべて理解できるとは思えない。患者は よくわからないまま、とりあえず目の前の書類にサインすることになる。そんな状況では、患者が あとになって、あのとき自分が下した決断はホントに正しかったのか、ホントに あの医者を信じてよかったのか、不安になるのは当然です。みなさんもインフォームドコンセントを実施される以上は、きちんと その正しい使い方を理解してくださいね」
フジテレビ／2021年7月19日放送
【脚本】大北はるか
ナイト・ドクター・第４話 [ナイト・ドクター]
「ありのままの自分を受け入れてくれるひとなんていない。だから、きっと誰だって理想の誰かを演じている――」
「女医には30パーセントの法則があるの知ってる？ 30パーセントが独身、30パーセントが結婚、30パーセントが離婚――。悲惨でしょ。必死に勉強して、ようやく医者になれたとき、まわりに 『すごいね』って言われるかと思いきや、『結婚できなそう』『大変そう』って同情された。なんかもう、悔しくて。だから、わたしは絶対 仕事もプライベートも充実させて、誰もが うらやむ女医のロールモデルになるって決めたの」
「（精神科を受診するのは）大袈裟なんかじゃありません。髪が伸びたら美容室に行きますよね。それと同じように、心のケアだって、もっと気軽にしていいんです」
フジテレビ／2021年7月12日放送
【脚本】大北はるか
ナイト・ドクター・第３話 [ナイト・ドクター]
「これから先も、きみに好き勝手を言う大人は多いだろう。いま こうして話してる わたしも その一人だ。でも、ひとつだけ言えるのは、誰もきみの人生の責任までは取ってくれない。それが、どんなに優秀で、素晴らしい親であろうとだ。だから、きみが どうしたいのかは、きみ自身で決めろ」
「自分の本当の気持ちってさ、どんどん言えなくなるんだよ。どうせ かなわないなら、なかったことにして あきらめるほうがラクだから」
「たしかにさ、桜庭の言う通り、生まれた時点で、ある程度 運命って決まってるのかもしれない。どんなに頑張っても、どうしようもないことってあるのかもしれない。でもさ、きのうの桜庭と、今日の桜庭は、絶対に違うよ。少しずつかもしれない・・・でも、桜庭だって、絶対に変われるよ」
「母さんや先生は『命を大事にしろ』って言うけど・・・いや、それもわかるんだけど。でも、オレは それと同じくらい、自分の気持ちを大事にしたい」
フジテレビ／2021年7月5日放送
【脚本】大北はるか
ナイト・ドクター・第２話 [ナイト・ドクター]
「深澤先生は（中略） 自分のためには頑張れない。でも、誰かのためなら頑張れる――。どう、救急医に向いてると思わないかい？」
「普通って、何なんですかね。（中略） ちょっと前までは、女性は結婚して子供を産めば、家庭に入るのが普通でした。だから、昼間に子供を病院に連れていけた。でも、いまは鮎川さんのように、女性が外に出て働くのが普通になった。それなのに、まだ『昼間に病院に連れていくのが普通』って言われたら、そんなの矛盾してますよね」
「これからはさ、ほかの家庭をマネするんじゃなくて、オレたちが どうしたいかを基準に決めていけばいいんだよな」
フジテレビ／2021年6月28日放送
【脚本】大北はるか
ナイト・ドクター・第１話 [ナイト・ドクター]
「平気で患者の受け入れを断る医者がいる。平気で たらい回しにされる患者がいる。とくに夜は、どこの病院も当直を任されるのは若い医師ばかり。経験のない彼らが受け入れたところで、患者を救えないのもまた事実。（中略） だから、わたしは絶対に受け入れる。たとえ100人中、99人 救えなかったとしても、たったひとり救えるんだとしたら、わたしは諦めない。朝をさ、見せてあげたいんだよね」
フジテレビ／2021年6月21日放送
【脚本】大北はるか
