デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士・前編(土曜ドラマ) [単発]
「(手話通訳士技能認定試験は)難しくて当然ですよ。手話は流行りのオモチャじゃありませんから。正確な通訳ができなければ、かえって聾者の負担になります」
「聾者は『日本手話』という日本語とは異なる言語を話す言語的少数者である。聾者には聾者の文化がある。日本手話は聾者独自の言語である」
「捜査対象者と知りながら かくまえば、門奈さんが真犯人であろうと なかろと、犯人蔵匿罪に問われます」
NHK/2023年12月16日放送
【脚本】高橋美幸/【原作】丸山正樹
※ 2段目は2名による連続した台詞をつなげたものです
さすらいのグルメハンター・猿払編「恋とホタテとアイスクリーム」 [単発]
「(猿払)村を立て直すために、昭和46年、当時の村長と漁協の組合長が村税の半分を投じて、ホタテの稚貝を放流したんです。村にとっては一大決心の大きな賭け――いや、挑戦だったんです。それから10年の歳月をかけて、獲るだけの漁業から、育てて獲る漁業への転換に見事に成功したんです」
「愛せるひとを見つけたら、そのひとの そばで生きるのが いちばん幸せだと、わたしは思います」
BS日テレ/2023年12月3日放送
【脚本】山中優
笑いに魂を売った男たち(誰も知らない明石家さんま第9弾) [単発]
「役者とか、歌手は いいよな。不幸があっても、それを背負って、涙を流してカメラの前に立てば、客が勝手に感動してくれる。けど、芸人には それができないからね」
「あのころは楽しかったですよね。みんな、新しい笑いを求めて必死で。いまじゃ、みんな 金の話ばっかりですよ。株とか保険とか」
「みんな、売れたよなあ。いいことだと思うよ・・・飯も食えなかった芸人が売れてさ。その代わりに なくすものがあるなんて、当たり前のことなんだよな」
日本テレビ/2023年11月26日放送
【脚本】伊達さん
友情 ~平尾誠二と山中伸弥「最後の一年」~ [単発]
「人生は理不尽の連続や。(中略) 理不尽な批判にエネルギー使っても、しゃあないですわ。理不尽こそ、面白がらな。応援はありがたく受け止める。けど、余計なことは気にしない」
「病気はひとを選びません。病気になったのは、決して平尾さんのせいではありません」
「結婚ちゅうのは、相手がなにを持ってるかが大事なんやない。そのひとの持ってるもんが なんも なくなったとき、それでも好きでいられるかどうかが大事なんや」
テレビ朝日/2023年11月11日放送
【脚本】吉田紀子/【原作】山中伸弥、平尾誠二・惠子
シリーズ “宗教2世” 「神の子はつぶやく」 [単発]
THE MYSTERY DAY ~有名人連続失踪事件の謎を追え~ [単発]
「ネットの無責任な噂は、どこまでも巨大化する怪物です。わたしたちのような立場の者は、こうして反論することもできる。それでも、信じてもらえない。ましてや市井のひとたちは、ひとたび噂を流されれば、どれだけ声を上げても世間に真実は届かない」
「刺した少年は裁かれましたが、彼を犯行に駆り立てたネットの人間たちは、罪悪感もなく、なんの責任も取らない。特定した情報が間違っていても、どんな二次被害が出ても、彼らは罰せられない。七菜子さんと そのご遺族が、どれだけ無念だったことか――。わたしにも、みなさんにも、想像することしかできません。想像したって、遠く及ばないでしょう。ですが、ひとの痛みを想像することこそが大切だと、わたしは思います」
「ネットのすべてが悪だと言うつもりはありません。温かい言葉に励まされたことだって、何度もあります。ひとの命を奪う怪物にするか、ひとを救う灯火にするか、わたしたち次第です」
日本テレビ/2023年10月7日放送
【脚本】清水友佳子
精神分析医(サイコセラピスト) 氷室想介の事件簿2 ~ベストセラー小説に隠された殺人事件の謎~ [単発]
「とりあえず、井上ここみさんに話を聞きにいく。ついてきて。ありがとう」
「お礼を先に言う新しい命令スタイルだな」
「ツラいことを貯めたら、いいことが返ってくるっていう先生の謎理論。もう、ツッコむのも飽きました」
「どうして人間がここまで進化できたのか知ってる? それは優しさがあったからなんだ。動物は普通、群れの中に劣ったやつがいると、その群れから排除したり、殺したりしちゃうんだ。そうしないと、自分の群れが弱くなって、ほかの群れに やられちゃうからね。だけど、人間は自分より弱い者を排除せず、守ることを覚えたんだ。その結果、力は弱くても、絵の才能があったひと、歌の才能があったひと、頭がよかったひと、いろんなひとが生き残って、多様性を持つことができたんだ。それは全部、人間が優しい心を持った おかげなんだ」
「楽しい時間は あっという間に過ぎてしまうのに、どうしてツラい時間は長く感じるのか? それは『概略的情報処理』と『精緻な情報処理』、このふたつの作用によるものなんです。楽しい時間というものは、自分にとって害がないと脳が判断するため、情報処理が曖昧になります。だから、時間が早く過ぎるんです。一方、ツラい時間というものは、自分にとって害がある、危険であると、脳が判断するため、ひとは あらゆる情報を取り込んで、処理をして、その危機を脱する策を練ろうとします。だから、長く感じるんです」
「動物は1時間くらいしか記憶が もたないそうです。人間だけなんです・・・何年も、何十年も、むかしのことを覚えているのって。それって、どうしてでしょう。ぼくは、記憶が人間にとって必要だからだと思うんです。人間は幸せだった記憶、ツラかった記憶――全部、未来を生きるための糧にできる。だから、記憶するんだと思うんです」
「『一貫性の法則』を用いた典型的な心理テクニックだな。『あのころは楽しかったよね』『あの先生、ムカついたよね』なんて、高校時代の共通の思い出を語り、相手に同意――つまり『イエス』という言葉を何度か引き出させる。ひとは無意識に一貫した行動をとりたがるから、そのあとで なにか頼まれごとをされたときに『イエス』と言ってしまう確率が上がるんだ」
BS-TBS/2023年10月1日放送
【脚本】山岡潤平/【原案】吉村達也
こむぎの満腹記・前編 [単発]
「わたしは小麦料理ラバーだ。パン、うどん、パスタ、ラーメン、お好み焼き――。わたしたちの胃袋が欲する食の正体、それが小麦料理だ。ある日、自分が無意識に食べているものの ほぼ すべてが小麦料理ということに気づいたのだ。そう、わたしの体の60パーセントは、水分ではなく、小麦でできている」
テレビ東京/2023年9月29日深夜放送
【脚本】畑中翔太/【原案】畑中翔太
筋トレサラリーマン 中山筋太郎 [単発]
「ダイエット中だからサラダ? 正気か。きみが いま食べてるのはシーザーサラダだぞ。(中略) 上にのっているドレッシング、見てみろ。そんなもの、油を食ってるのと一緒だろ」
「アルコール類は筋肉を分解し、成長を妨げる悪魔の飲み物。死んでも飲みたくない」
「旅先では筋トレができないという理由で、オレは ほぼ旅行を あきらめてきた。行くとしても、ジムが近くにあるホテルを探すしかなかった。せっかく京都旅行に来ても、八ツ橋が三角筋に見える始末」
「マッチョは その広すぎる肩幅から、電車の座席に座ると どうしても隣のひとに肩が当たってしまうので、座ることを躊躇してしまう。ましてや、通勤ラッシュ時にマッチョが電車で座ることなど迷惑千万。万死に値する」
「人間の体は、空腹になると体内のたんぱく質、すなわち筋肉を分解し始めるようになる。つまり、腹が鳴る音は、筋肉が分解され始める合図。言うなれば、マッスルの危機を告げる『Mアラート』である」
日本テレビ/2023年9月28日放送
【脚本】佐々木貴博、八代丈寛/【脚本協力】西村英樹
無用庵隠居修行7 [単発]
「わたしはね、寂しさを紛らわせるために、欲のないフリをしていたのかもしれません。でも、それじゃあツラい。(中略) 熱い心がなきゃ、死んだと おんなじだ」
「誰もが はじめは未熟なまま やり続けて力をつける。年も家柄も関係ない。存分に力を発揮せよ」
BS朝日/2023年9月28日放送
【脚本】土橋章宏/【原作】海老沢泰久
青空との約束 ~味の素冷凍食品の果てなき挑戦~・後編 [単発]
「きみは『恩送り』という言葉を知っているか。『恩返し』はひとから受けた恩を、そのひとに返すこと。『恩送り』は受けた恩を、別のひとに送るという考え方だ。(中略) わたしには先人たちのように、受けてきた恩を次の世代に送る責任がある」
「冷凍食品を使うのは『手抜き』じゃなくて、『手間抜き』って言うの。とくに餃子なんて、一から作ろうと思ったら大変じゃない。だから、その手間は工場で下ごしらえを済ませてくれている冷凍餃子に任せちゃえばいいのよ。(中略) 家事はね、いかにして手間を抜くかが勝負よ」
BSよしもと/2023年9月17日放送
【脚本】赤松新
青空との約束 ~味の素冷凍食品の果てなき挑戦~・前編 [単発]
「旦那の母親って、変な査定モード入っちゃうひと 多いじゃないですか。『いまは いいわよねー』とか、『むかしは こんな出来合いのものを売ってる お店は なかったわー』とか、嫌味 言っちゃって。ホント、ムカつく」
BSよしもと/2023年9月10日放送
【脚本】赤松新
秀吉、スタートアップ企業で働く [単発]
「なぜ、そんなに すぐに あきらめる? この時代、すぐには ひとは死なぬであろう。拙者の時代は、次々に仲間が死んでおった。こんなにも ひとが死なぬ世で、なにを怖がっているのじゃ」
「蓮殿は すでに大きな一歩を踏み出しておる。多くの人間は一歩すら踏み出さぬ。誰も挑戦しない中、動き出した。それだけで偉業を成し遂げたのも同じじゃ」
「夢が かなわなくても、不幸になるというわけじゃない。夢を追いかけてるときも幸せだったろうし、夢をあきらめた その先にも、きっと もっと大きな幸せが待ってるはずじゃ」
テレビ東京/2023年9月9日放送
【脚本】政池洋佑
恐怖の科学 崩れゆく現実・「顔が消えていく」 [単発]
「社会生活を送るうち、見聞きしたことに影響を受けて、自然と培われていくのが、そのひとの『ものの見方』。そこに危険が潜んでいます。他人はあなたとは違います。あなたは無の状態で、相手と接しなければいけません。初めて会ったひとの顔をじろじろ見たり、年齢や出身地、最終学歴などを聞いてしまったことはありませんか。相手を都合のいい解釈にはめ込んで、自分が安心したいという あなたの自己防衛心が、そのような意味のない質問をさせているのです。あなたの中にある人間識別図鑑――それを いますぐ閉じて、消し去ってください」
「目から入る情報は、全部 心の中で消せってことか。面接官は目隠ししないとな」
「(好きなひとに出会ったから離婚したいなんて)言い訳になると思ってんの? 出会った? 仮に誰か興味ひかれるひとに出会ったとしても、我慢するのが結婚でしょ。いや、違うよ。そもそも、誰にも目を向けないのが結婚の誓いじゃん」
NHK BSプレミアム/2023年8月19日放送
【脚本】落合正幸
アナウンサーたちの戦争(NHKスペシャル) [単発]
「オリンピックに『地団駄』という種目があるならば、彼は間違いなく金メダルでしょう」
「少し前まで、誰もアメリカを憎んでなかったでしょう。むしろ、映画、音楽・・・わたしたちはあこがれ、大好きだった。なのに、敵への憎しみを煽るように(原稿を)読め? アメリカやイギリスには獣偏をつけて、突撃ラッパのように読め? 国民に憎しみを植えつけるなんて、怖ろしいことですよ」
「信用のない言葉ほどミジメなものはない」
「ラジオが現れたとき、夢の機械だと、わたしたちは喜んだ。これで なんだって知ることができる。(中略) なにに人々が喜び、なにに悲しんでいるのか、それが聴ける。困っているひとたちに呼びかけることができる――。しかし、わたしは それを使って『(戦争へ行って)死ね』と呼びかけた。そうだ、われわれは夢の機械を、悪魔の拡声器にしてしまった」
NHK/2023年8月14日放送
【脚本】倉光泰子/【脚本協力】山下澄人
※ 4段目は2名による連続した台詞をつなげたものです
軍港の子 ~よこすかクリーニング1946~ [単発]
「(狩り込みの)あいつらは あたしたち(戦争孤児)を一匹二匹と数えて、悪さする野良犬だと思ってる。逃がさないように、裸にされてオリに入れられるんだ」
「(アメリカの力は借りたくないとか)そういう負け犬根性 丸出しなやつが、アメリカにとっては支配しやすいんだよ。服の染みと同じだ。ほうっておくか、洗い落とせばいいだけだろ。そんなの痛くもかゆくねえやつらだ。オレなら もっと でっかいシミになってやる・・・アメリカにも洗い落とせないくらいのな。それが負け犬の勝ち方だ」
「米兵がドルを円に換えるのに、基地では1ドルが15円にしかならない。でも、それを外に持ち出せば、闇で何百円にもなる。タバコだって、1箱8セントで買ったものが、闇市では1ドル以上で売れる。オレはその橋渡しをしてるだけだよ。アメリカを憎んで、腹がふくれるか? 幸せになれるのか?」
「父さんはオレに言ったよ。どんなことがあっても、この世界中のひと恨むなって。戦争をすることが、世界でいちばんバカげたことなんだって。ひとを恨めば、そのバカに近づくだけだって」
「みんな、頑張るしかないの。だけど、どう頑張るかは、あんたが選べるんだよ」
NHK/2023年8月10日放送
【脚本】大森寿美男/【原作】西田彩夏
君しか見えないよ [単発]
「作家さんが言うには編集で抜け落ちてしまった人間の営み、ライフスタイルを、編集前の状態に再構築し、俳優を通して観客が追体験する(のが演劇な)んだって」
「厭世観なんてのは、時間にゆとりのある人間の、暇つぶしの思想なんだから」
「面倒だから、わたしがキャベツ切るとこ、カットするね。だって、まだ全然 (芝居の)本題に入れてないしさ。(中略) ファンタジックに時間を改変しないと、いろいろ批評家にダメ出しされちゃんだってさ」
「さすが、役者の目をしてる。いくらでも変えられる自分と、絶対 変わらない自分を持ってる――」
「テレビドラマ(における登場人物)の死って、演劇より重いよね。演劇は死んでも、なんだかんだ舞台袖には いるって わかってるけど、ドラマだと もう回想シーンにしか出てこないから、喪失感が強いんだな」
「テレビに いまどき、不条理っていうのも はやらないし、やっぱり こういう『これ、教訓かも』みたいな、カタルシスみたいな、エモい死じゃないと、視聴者が納得できないんだよね」
BS松竹東急/2023年7月9日放送
【脚本】山本卓卓、山科有於良
※ 当ブログは演劇作品を対象外としていますが、『君しか見えないよ』は演劇とテレビドラマのクロスオーバーを前提に作られた作品のため、ステージ部分(演劇)の台詞も採録対象としました。
1~4段目は演劇内の台詞 【脚本】山本卓卓
5、6段目はドラマ部分の台詞 【脚本】山本卓卓、山科有於良