孤高のメス・第８話（最終回） [孤高のメス]
「肝移植はやれる、あるいは できないということを、個々の医者を対象とせず、施設をもって決めることに、わたしは疑問を感じます。（これまで肝移植研究会がやってきたことを）否定するつもりはありませんが、肝移植が必要な患者がいつも認定施設の近くで発生するとは限りません。一刻を争う場合、そこに移植の心得を持つ医者がいたら、即、対応すべきではないでしょうか」
「（脳死判定の）社会的なコンセンサスを待ってる間に、何人もの患者が死んでいきます。待ちきれない患者が、経済的に、物理的に、大きな犠牲を強いられながら、海外に移植を求めていきます。同じ待ち切れない思いから、移植に踏み切る医者がいても いいのではないでしょうか」
「もちろん、わたしも患者のことをいちばんに考えます。でも、それだけじゃない。わたしには野望があります。力を得て、この窮屈な日本の医学界を変えたい。まあ、言ってみれば、わたしのメスは “打算のメス” だ。でも、当麻先生は違う。あなたのメスは “孤高のメス” だ」
WOWOW／2019年3月3日放送
【脚本】前川洋一／【原作】大鐘稔彦
ゾンビが来たから人生見つめ直した件・第７話 [ゾンビが来たから人生見つめ直した件]
「なにが言いてえんだ、おまえは。オレがいつか おまえのこと裏切って、ダマして、おまえが いままで つき合ってきたクソ野郎たちみてえに、おまえを へこませるだけの存在になるって言いてえのか。なにが どうなったって、おまえはオレのこと、嫌いになんか なれねえんだよ。おまえだけには全力でカッコつけるからだ。いまのおまえは、いまのオレを求めてんだろ。だから、この先、いるかもしれねえ、いないかもしれねえ おまえに、いま確実に ここにいるオレたちのことを突っぱねられたって、そんな関係ねえやつが首 突っ込んでくるんじゃねえって話なんだよ」
「いままでオレ、守りたいと思ったひとを傷つけてしまうような人生 過ごしてきたからさ。ここにきて、最後に おまえたちのこと、守れてよかったと思ってる。ちょっと満足しちゃってるよ。（中略） 早く行け。おまえたちのこと かばえねえ自分、見たくねえからよ」
「男って、自分勝手なセンチメンタルで酔っぱらえるから、安上がりでいいよね」
「あんた みたいに なりたいって、ずっと思ってた。あんたって、なんでも そこそこ できちゃうし、自分があるっていうか、ないっていうか、鈍感っていうか・・・。（これ）ホメてないもん。けなしてんだよ。だって、あんたに なれないなら、軽蔑するしかないじゃない」
「死にかけの人間が話すことって、なんか ためになる感じがするからさ、そういうフィルターをかけた状態でわたしの話を聞いて欲しいんですけども。わたしはね、自慢じゃないですけども、ひたすらダラダラ生きてまいりまして。わたしとしてはですね、様々な理由をつけて、そんな生き方を肯定してきたんですけども。肯定するしかないっていうか・・・だってよ、どうにもなんない現実を受け入れるには、ダラダラしたくないのにダラダラしちゃってる自分を肯定するしか、勝ち目がないじゃないですか」
「おまえたちのいる世界もね、くだらねえよ。くだらないんだけど、生かされてるうちは、どうにも なんねえよ。（中略） 生かされてるうちはね、生きることの素晴らしさなんか、どうせ わかりっこねえんだから。うん、まずは生きてみよう。せっかく生きてんだから、死んだように生きるのなんて、それこそ くだらねえよって、オレは思うけど・・・オレは思うんだけど、ここにきてね、それが わかったところでもう、オレはもうすぐ終わっちゃうしね。これが おまえたちに届かないっていう現実が、なんかもう、オレなんだなって感じがして。生まれて初めて、生まれて初めてっすよ、オレは・・・くいやしいです」
NHK／2019年3月2日放送
【脚本】櫻井智也
僕の初恋をキミに捧ぐ・第７話（最終回） [僕の初恋をキミに捧ぐ]
「移植しないって、逞が決めたんだったら それでいい。でも、死んでもいいなんて（あたしは）言ってない。あきらめないで」
「オレたちはずっと。逞が我慢するとこばかり見てきた。もう我慢するな。親孝行なんて考えるな。逞がしたいことをするのが、最高の親孝行だ」
「お父さん、（結婚に）賛成してくれて ありがとう。お母さん、反対してくれて ありがとう」
テレビ朝日／2019年3月2日放送
【脚本】尾崎将也／【原作】青木琴美
