姉ちゃんの恋人・第６話 [姉ちゃんの恋人]
「あの子、自分がツラいのは大丈夫なんだと思うんですよ。でも、自分のせいで誰かがツラいとか、悲しいとか、そっちが耐えられないとこあるから」
「あると思うんだ、人間にはさ・・・逃げてもいいときって。いや、むしろ我慢しないで逃げろってときもさ、あると思うんだ。でも、真人にとって、それは いまじゃない。いまは逃げちゃダメだ、絶対にダメだ。乗り越えるんだ」
「悪いけど（あんたの恋は応援）しない。反対する。べつに、あたしが反対したからって、あたしの言うこと聞かなくたっていい。でも、あたしは反対する。必要なんだよ、あんたにはさ・・・反対するひとが。こういうとき、親だったら絶対 反対するの。好きなら仕方ない、とか言わないの。あたしも、親なんて いてもいない ようなもんだし・・・。でも、きっと そうなの。嫌われても、悪役になっても、反対するの、親は・・・あんたのことを思って。（中略） 必要なんだよ、そういうひとは。そういうひとが いるからさ、そのひとを説得するには、納得させるには、幸せになるしかないの。わかる？ だから、わたしは反対する。そんなやつ、やめとけ。悔しかったら、わたしに『だから、言っただろ』って言われないようにしな」
「２種類の仲間がいると幸せなんだって、ひとは。うん、なんかツラいことがあったときに、ひとりは とにかく なんでも打ち明けられるひと。で、怒ったりもしてくれてね。で、もうひとりは なにも聞かずに、バカやって一緒に笑ってくれるひと」
「このあいだ話してくれてことも、本当なんだと思います。でも、本当のことだけど、正直なことではないような気がします」
「姉ちゃんは、生きていく上で必要なのは衣食住なんだって教えてくれた。でも、こうも言った。生きるだけじゃなくて、強く生きるために必要なのは、誰かを大切に思うことだ。誰かを大切に思えば、きっと相手も思ってくれる。そういうひとが この世界にいれば、強くなれる。そのひとのために生きようって思えるから――」
フジテレビ／2020年12月1日放送
【脚本】岡田惠和
