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おいしい給食・第10話(最終回) [おいしい給食]

「神野は間違いを正しにきただけだ。バカなマネなどしていない。神野は必死に走ってきた。あんたたちにも噛みついただろう。だが、正しいことを言っていたはずだ。なぜなら、間違ったのは大人のほうだからだ。(中略) どんな方法であれ、子供の真剣な姿に触れたとき、大人はたとえ相手が子供であっても、負けを認めなければならない」


TOKYO MX/2019年12月16日放送
【脚本】
永森裕二
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おいしい給食・第9話 [おいしい給食]

「一般的には、コッペパンを油で揚げ、砂糖で味つけした菓子パンのことをアゲパンと呼ぶ。(中略) 作ってから時間が経って、もう硬くなってしまったパンを おいしく食べられるようにと考えた調理師が完成させた。なによりも、学校で甘味を食すという “いけない感” が凄まじい快感を呼び起こす」



「人生には、いつも なにかが起こる。なにかが起こってから、そいつの生き様が出る」


TOKYO MX/2019年12月9日放送
【脚本】
永森裕二
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おいしい給食・第8話 [おいしい給食]

「(青信号は『進め』ではなく『進んでもよい』だと警察は言う。この)『進め』と『進んでもよい』の違いは、取り締まる側と、取り締まられる側の目線の違いだ。青だったら進むのを許すという、心地いいまでの上から目線」



「黄色信号の意味は『止まれ』なの。(中略) 本来の意味は赤も黄色も『止まれ』。でも、ひとはすぐに反応できないから、赤に変わるあいだに危険を知らせる時間を作っているの。それが黄色。黄色になって止まれるなら、止まらなきゃダメなの」



「信号の青は、緑ではない。日本にはもともと、緑という概念が希薄であり、青で想像する文化がある。青葉の葉は青いですか。その論法でいくと、青汁は緑汁と呼ばねばならない。教師としては軽率ではないですか」



「みんな、冷凍ミカンというものをわかっていない。真夏にミカンが出る奇跡を感じていない。冷凍ミカンの日は、今日一日をそのために使うべきなんだ。真夏の暑さに立ち向かい、あえて体に渇きを与え、カラッカラの自分へのご褒美を享受する。決して 道中 冷えた液体などで逃げてはいけない。カラッカラを経てからの、カチンコチンこそが勝利のプロセスだ」



「(冷凍ミカンは)もともと冬から春ごろにしか販売されていなかったミカンを、通年販売できる商品にしようという考えから発案された一品。収穫したミカンをそのまま夏まで冷凍し、1955年から駅で販売するようになったのが、はじまりと聞く。出荷ピーク時は1000万個を販売。給食への採用で、一気に国民食の地位に登りつめた。実はこの冷凍ミカン、冷凍庫に入れておけば完成すると思ってる輩が多すぎる。急冷と水つけを繰り返して、外に氷の膜を作り、乾燥を防ぐ工夫をしている。この膜によって、ミカンの水分が外に出てしまうことを防ぎ、パサパサしない おいしい冷凍ミカンができる。しかも、低温で食べるために、あえて甘みの強いミカンを使う。(中略) アイスとも違う、かき氷とも、フルーツとも違う。独特の食感と、天然の甘み。眉間にくる冷感も心地がいい。これは・・・これは日本人が考えた、最も安価な極上スイーツだ」


TOKYO MX/2019年12月2日放送
【脚本】
永森裕二
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おいしい給食・第7話 [おいしい給食]

「給食焼きそばにキャベツが多いのには、わけがある。焼きそばの歴史は2700年ほど前の中国と言われているが、この日本のソース焼きそばの歴史は浅く、終戦後あたりからだと言われている。当時の日本は食べ物が乏しく、麺の原料となる小麦は手に入れにくかった。それで、キャベツで かさ増ししたのがはじまりだ。だが、キャベツで かさ増ししたがゆえ、キャベツの水分で味が薄くなってしまったのだ。そこで、ソースで味を調えたのだ。回転釜を使った加熱方法によって、さらにいくつかの独自性が生じる。何10キロという焼きそばを力任せに かき回すので、麺が重みで切れてしまい、一本一本が短くなる。しかし、それが結果的に、大量の長い麺が一気に口に入ることなく、食べやすさを演出している。そう、麺にコシはなく、野菜もベッチョベチョ、肉は硬い――。なのに、うまい。ナポリタンスパデティやカレーライスのように、日本人はオリジナルから独自に発展させるのが天才的。まさに日本が誇るべき創作料理だ」



「目の前にコッペパンと焼きそばがあって、焼きそばパンにしない人間は、ただ意固地になってるだけの頑固者だ。(中略) そして、ワカメスープ。メカニズムはわからない。どんなケミストリーを経て、この相性が生まれたのか。ソースのしょっぱさをパンで薄めつつ、水分を取られた口の中をスープで潤す。スープの中のワカメ、野菜、そしてゴマ。こいつらが焼きそばパンにさらなる彩りを与える。口の中で一体なにが起きているんだ。この料理をどう呼べばいいんだ。いや、そう、答えは決まってる。そう、それが給食だ」



「焼きそばとパンで、焼きそばパンを作ることで、見栄えがさびしくなる。それを加味してのことか、今日はデザートにバナナがある。もちろん、栄養価も鑑みてのことだろうが、焼きそばとバナナ、すごい組み合わせだ。さすがに いっぺんに口に入れることはないが、脳内で素早いシフトチェンジが不可欠だ。一見、カオスな様相を見せながら、その奥底には秩序のようなものが垣間見える。カオスとは、ただの乱雑な混沌ではない。その中に秩序は確かに内包されているのだ。給食はそれをわたしに教えてくれる」


TOKYO MX/2019年11月25日放送
【脚本】
永森裕二田口桂
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おいしい給食・第6話 [おいしい給食]

「白身魚のフライという漠然とした表記――。だが、わたしは知っている。これはメルルーサという名前のタラの仲間。深海魚だ。名前の響きが なんとなくカッコいい。ロボットアニメに出てきそうな名前だ。だが、お世辞にも食欲がそそられる名前ではない。メルルーサは給食用に選ばれた安価な輸入魚だ」



「『雲をみ込むお湯』と書いて雲呑湯ワンタンスープ。雲を食べると縁起がいいからとか、食感がふわっと雲をつかむようだからだとか諸説あるが、さておき うまい。(中略) この ほぼ溶けかかっているワンタン。こいつが大事なんだ。先割れスプーンでこの脆弱なワンタンをすくい上げるのは緊張する」



「いつものパン、いつもの牛乳――。その安心感、そのありがたみ。相手が誰であろうと、かたくなに君臨するパンと牛乳のレゾンデートルは、すなわちコミュニケーション手段なのだ。自分調べだが、同窓会における給食の話題ベストスリーは『牛乳 飲めないやつがいた』『牛乳 拭いた雑巾がクサイ』『パンが食べきれない』の3つ。それほど このツーアイテムは、学校給食の思い出アイコンなのだ」



「わたしは吹奏楽部の顧問だが、吹奏楽のスの字も知らんし、正直 興味すらない。そんな わたしにで もわかる・・・おまえたちが下手くそだということが。つまり、下手くそでも楽しめればいいと、割り切って やってるということだ。好きなものを、ああしろ、こうしろと邪魔するのは無粋だ。そういう部活もあってもいい。ただ、おまえらは まだ子供だ。もう少し、俯瞰から見てくれるひとが必要かもしれない。もう少し うまくなったほうが、もっと楽しいはずだからな。ということで、本日から顧問は御園みその先生になる」



「(頑張りすぎという指摘、)それはダメ出しではないですね。わたしも神野もダメを出しているんじゃないです。むしろ、われわれのほうが一生懸命さに欠けるダメ人間です。頑張ってるひとが、ダメ人間の言うことを真に受ける必要はない。ただ・・・先生は楽しんでいない。それだけです」


TOKYO MX/2019年11月18日放送
【脚本】
永森裕二田口桂
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おいしい給食・第5話 [おいしい給食]

「いまから100年ほど前、中国は清という国だった。そのころに登場したのが、このパイナップル入りの酢豚だ。一説によると、当時パイナップルは いまでは考えられないくらい貴重で、値段もバカ高かったらしく、それを酢豚に入れれば高級感が出るだろうとレシピに導入されたとか。(中略) それにしても、この組み合わせ、まだまだ食い物ビギナーの子供たちには、いささか敷居が高い料理では ないだろうか。わたしだって、こいつらくらいのころは、この組み合わせが不可解でならなかった。甘いんだか、すっぱいんだか、おかず食ってんだか、デザート食ってんだか、なんだか、わけが わからなくなり、口の中がパニックになったものだ。清王朝から100年続いた食習慣のやめ時を失ったとしか言いようがない。だが、いまは違う。うまい・・・と思う。そう、これはうまい・・・はず。パイナップルが不可欠とまでは いかないが、食ったら食ったで、とてもうまい・・・気がする」



「世間は誤解をしている。パイナップルは肉を柔らかくするために(酢豚に)導入されたわけではない。たしかにパイナップルに含まれている酵素には、肉を柔らかくする効果がある。だが、その効果は60度以上で調理すると消えてしまう。ましてや、この給食に入っているパイナップルは缶詰パイナップルだ。すでに熱処理が施されているので、効果は皆無だ。しかし、酢豚にパイナップルの良し悪し(が問題)ではないんだ。酢豚のパイナップルを余裕で食べる大人でなければならない。そこが子供とは違うのだよ、子供とは」


TOKYO MX/2019年11月11日放送
【脚本】
永森裕二田口桂
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おいしい給食・第4話 [おいしい給食]

「八宝菜は具が八種類ではなく、五種、六種、七種でも、八宝菜ということに気がついたあの日・・・。あの雷に打たれたような発見をした日、わたしは天命を知ったのだ・・・まだ30だけど。そう、八宝菜の『八』は八種類ではなく、『多く』という意味なのだ。ちなみに、またの名を『五目うま煮』とも言う」


TOKYO MX/2019年11月4日放送
【脚本】
永森裕二綾部真弥
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おいしい給食・第3話 [おいしい給食]

「健康診断の日は、なにげに あがる。こいつら みんな、テンション、マックスだ。自分の姿かたちを数値化される羞恥心なのか、自分の成長度合いに対する期待感なのか。こういう日の給食は盛り上がる」



「今日の献立は、ミスター給食『4番サード ソフト麺』。そして、なみなみと盛りつけられたミートソース。つけ合わせはフレンチサラダ・・・レーズン、リンゴ入りという給食オリジナルメニュー。なぜかダブル炭水化物のコッペパン。カロリー過多にならないのか なんていう邪推はしない。給食の栄養バランスは、世界に誇るジャパニーズ・スタンダード」


TOKYO MX/2019年10月28日放送
【脚本】
永森裕二綾部真弥
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おいしい給食・第1話 [おいしい給食]

「どんなオカズであろうと(給食には)パンと牛乳である事実がうれしい。ブレない姿勢はひとを魅了する。いちごジャムの下品な甘みも、この食事全体から見たら必要なアクセントだと思えてくる。コッペパンのパサパサ加減も、牛乳を欲する欲望を掻き立てるための滑走路だと思えば、必然性を帯びてくる」



「日々の(給食の)献立は、おまえたちの健康バランスを考えて、それこそ針の穴を通すような、微妙な計算のもとに成り立っている。そこに(おいしくなるからといって、タルタルソースみたいな)異物を持ち込むことは ご法度だ。給食にかかわるすべての人間に対する冒涜だ」


TOKYO MX/2019年10月14日放送
【脚本】
永森裕二
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おいしい給食・補遺 [おいしい給食]

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劇場版 おいしい給食 Final Battle(映画)
劇場版 おいしい給食 卒業 (映画)
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