こっち向いてよ向井くん・第10話（最終回） [こっち向いてよ向井くん]
「最高じゃないっすか。友達として気が合うひとが、恋人になるんすよね。一台で焼く、煮る、蒸す、揚げるが全部できる 最新型のオーブンレンジぐらい、有能なマルチプレイヤーじゃないっすか」
「恋愛感情ってさ、よく考えると、すげえ一方的なワガママなもんだなって、思ってきちゃって。だって、相手に自分の気持ちを伝えるのって、実は相手からしたら、なにかしらの答えを強制的に求められることになるんだなって・・・。それって、結構 相手に負担かける行為だよな」
「ひとりで強くなる必要なんて ないんじゃないかって（思うんだよね）。誰かと一緒にいるから強くなれるってこともあると思う」
「ほら、子供のころに楽しかったイベント・・・誕生日会、クリスマス会、入学式、夏休みの旅行に、体育祭、文化祭とか、そういうの。子供がいれば、親の立場で もう一度 全部 経験できるの、めっちゃ うれしくない？」
日本テレビ／2023年9月13日放送
【脚本】渡邉真子／【原作】ねむようこ
こっち向いてよ向井くん・第８話 [こっち向いてよ向井くん]
「嘘つかれちゃった。ったく、お腹 痛いって、人間が いちばん最初に覚える嘘じゃん」
「たかだか紙切れ一枚で離婚して、煩わしいこと全部なくなるって思ってるんだったら、それは甘いからね」
「恋愛に賞味期限はくるもん。それは真実で、逃れられないことじゃん。わかってるけど、悲しくはなったよ。（中略） ここまでは、お互いに着飾って よそ行きの顔で、恋愛の いちばん きれいな時間。この先に待っているのは、素の部分を見せ合う行為。わたしは それを求めてないから、そろそろ終わりが近いかなって思ったんだよね」
「ちょっとの嫉妬は うれしいよ、わたしも。かわいいなって思う。でも、環田さんのは嫉妬っていうよりかは、独占欲」
「わたしはね、パフェの この上の部分しか食べたくないの。ここはフルーツやら なんやらが おめかしして、いろいろ載ってるし、可愛いし、最高でしょ。でも、ここを食べ終わっちゃったら、掘れども 掘れども、ずーっとバニラアイスとコーンフレーク。なにか出てくるかもと思って食べ進めて行くんだけど、現れるのはアイスの水分を吸った しなしなのコーンフレークだけだよ。わたしは この完璧に演出された部分しか、見せたくないの。だから、泊まりたくないし、一緒に朝ごはんも食べない。日常は見せたくないの。朝ごはんを食べるってことは、バニラアイスゾーンに入りかけてるってこと。だから、バニラアイスゾーンに入っちゃったら、お互いの素の醜さとか、自分勝手さとか、そういうのと向き合わなきゃいけなくなる。その胆力が、わたしには ないんだよ」
「パフェの本体って、このバニラアイスのゾーンじゃないの？ だって、ここが最高に おいしいところじゃん。コーンフレークにバニラアイスがしみてて、マジで最高。オレはここが食べたくてパフェを頼んでると言っても過言じゃないね。（中略） そりゃね、フルーツ きれいに盛られてるやつは おいしそうだよ。華やかだしさ、『うわあ』とか思って、やっぱ目いくよね。でも（中略） そーっと崩れないように、ひとつひとつ 恐る恐る食べなきゃいけないじゃん。でも、ここからは ぐわ―って、気にせずいけんじゃん。『パフェ最高』『うまー』みたいなゾーンじゃん」
日本テレビ／2023年8月30日放送
【脚本】渡邉真子／【原作】ねむようこ
こっち向いてよ向井くん・第７話 [こっち向いてよ向井くん]
「そうやって、いっつも なんでも わかったような顔して、正論で横っ面ひっぱたくようなことするの、坂井戸さんの よくないところだよ」
「夫婦ゲンカは負けるが勝ち。負けて、負けて、自分を押し殺す。男はそれで真の男になっていくのよ」
「いまの時代さ、あのマッチングアプリってやつで結婚したりすんだろ。いや、オレは賛成なんだよ、ああいうの。新しい出会いの形だからよ。それだけ、いまの世の中、出会いがないってことなんだよ。うちの会社なんてさ、異性ふたりで食事に行くのも、これ、コンプラ違反で禁止なんだってよ」
日本テレビ／2023年8月23日放送
【脚本】渡邉真子／【原作】ねむようこ
こっち向いてよ向井くん・第６話 [こっち向いてよ向井くん]
「（向井くんって）悪気ないんだけど、適当。優しいんだけど、適当。いや、頑張ってんだけどね。なんか ふわっとしてて、着地しきってないっていうか、宙に何ミリか浮かんで歩いてる感じなんだよね」
「独身でも、結婚してても、母になっても、好きな仕事をしても、寂しいときは寂しい」
日本テレビ／2023年8月16日放送
【脚本】渡邉真子／【原作】ねむようこ
こっち向いてよ向井くん・第５話 [こっち向いてよ向井くん]
「むかし つき合ってたってだけで、いまも全部 知ってるような顔されたら最悪。とりあえず（会ったら）バリアは張るよね、強めに。ガン無視だと逆に意識しちゃってるみたいだし、やっぱり ここは会釈 一択なんじゃないかな」
「10年 経ったら他人って言われたら、そりゃ そうかもしれないけど。でも、あのとき共有した時間と感情の片割れを持ってるのは、彼女なんだ。なにもない みたいな顔されるのは寂しいよ」
「自分では『ここまで言ったんだから、わかるでしょ』って思っても、相手がどう思うかは、ひとそれぞれ。察してくれるって、期待しないほうがいいよ」
日本テレビ／2023年8月9日放送
【脚本】渡邉真子／【原作】ねむようこ
注）３段目：実際の台詞は「相手が 思うのは、まあ ひとそれぞれ」でしたが、こちらの判断で「相手が どう思うかは 、ひとそれぞれ」に変更しました。
こっち向いてよ向井くん・第４話 [こっち向いてよ向井くん]
「大人の恋愛が なにか なんて、他人が定義することじゃないけど・・・強いて言えば、ちゃんと自分の足で生きてきたひとたちが、誰かに依存したり、されたりとか、そういうことじゃなくて、自分の責任で相手と向き合うことじゃない？ どんな向き合い方かは、各々の問題でしょ」
「いつの間にか、責任を負って当然の歳になったんだよ。だから、どこにも着地しない恋愛をする男は、やっぱり無責任だと思う」
「自分が わからないことや、自分の中にはない価値観を悪だと決めつけることこそ、不毛だよ。違う人間なんだもん。同じ価値観を持ってるはずないよね」
「あきらめたっていうか、『結婚』経由のバスから降りたといいますか・・・。30ぐらいまではさ、オレもそれに乗ってたのよ。でも、ちっとも目的地に着かないわけ。幸せ（という目的地に）。道は悪しい、車酔いはするし、本当に このバスに乗ってて目的地に着けんのかって思いはじめて・・・で、降りた」
「あたし（が乗ってるの）はさ、『結婚と子供』経由のバスなんだけど、子供ってバス停がいっぱいあんのよ。卒乳、トイレ、イヤイヤ期、習い事とか。間違いなく進んではいるんだけど、もう停車駅が多すぎて、いつ着くのって思ってるうちに、疲れて白目むいて寝てる、みたいな感じよ」
「忘れられない恋があって、切ないわけじゃないんです。思い出す恋がなくて、切ないんです」
「あたしの人生には、恋人と海で はしゃいで、キャーキャー言い合うなんて行動は存在しないんです。ていうか、もはや あれって映画やマンガの中に出てくるファンタジーだと思ってますよ。ゴムゴムの実を食べて腕が伸びるのと同じぐらいのファンタジー」
「あたし、卵子凍結しようと思ってるんです。それで なにかが変わるわけじゃないのは わかってます。でも、年齢と体力という自分では どうにもできないことに振り回されて、あせって・・・それで自分の人生を、自分で舵が取れなくなるのはイヤだなって。年齢を重ねると、選択肢ってなくなる一方じゃないですか。でも、選択肢を残す方法だってある。お守りみたいなものですけど。そう思うことで、自分の人生を主体的に生きられると思うんです」
「（花は）たくさん買って、しおれたのを抜きながら、少しずつ小さな花瓶に移していくのが楽しいんですよ。手をかけなくちゃいけないものが家の中にあるのって、緊張感があっていいんですよね。わたし、すぐ だらしなくなっちゃうんで」
日本テレビ／2023年8月2日放送
【脚本】渡邉真子／【原作】ねむようこ
こっち向いてよ向井くん・第３話 [こっち向いてよ向井くん]
「恋ってさ、不快じゃないくらいのレベルで向き合うほうが長続きするよね」
「苗字が変わること、『主人』『妻』って扱われること――全部、結婚前は気になんなかったけど、結婚してみたら、全部メチャクチャ鬱陶しかった。わたしと元気、それだけでいい。なのに、なんで わたしたちの関係を、他人や制度に定義づけされなきゃいけないの」
「元気って、バカじゃん。わけわかんない価値観 持ってて、理解しがたい行動パターンで。でも、だから なんか生き生きしてて・・・それが元気なの。なのに、『ご主人』なんて言われてヘラヘラしたり、大黒柱として勝手にプレッシャー感じたりしてて、なにそれって思う。わたしの好きな元気、返して欲しい」
日本テレビ／2023年7月26日放送
【脚本】渡邉真子／【原作】ねむようこ
こっち向いてよ向井くん・第２話 [こっち向いてよ向井くん]
「アンちゃんて、あの自分で自分が可愛いことに気がついてるけど、自然体を装ってる感じの なれなれしい若い子？」
「向井くんは優しいけど、誠実じゃないね。（中略） 好きでもない相手を、いつか好きになるなる詐欺を働いて、自分を好きでいてもらおうとしてるでしょ。その『いつか』いつくるの？」
「（向井くんは）相手が投げてきたボールを、ただ受け止めてるだけ。（中略） LINE につきあってあげなきゃ、とりとめのない おしゃべりを聞いてあげなきゃ、自分を好きだって言ってくれるから好きになってあげなきゃ・・・そう思ってなかった？」
「そもそも、お互いに熱量の同じ恋愛なんて、あるの？ いつ、どうやって、同じだってわかるの？ あたしは相手が同じ熱量じゃなくても、自分が好きでいられるなら それでいい」
日本テレビ／2023年7月19日放送
【脚本】渡邉真子／【原作】ねむようこ
こっち向いてよ向井くん・第１話 [こっち向いてよ向井くん]
「結婚とか出産って、誰もが経験しておきたい人生のイベントみたいな感覚ない？ あたし、イベントって、子供のころから あんま好きじゃないんだよね。文化祭とか、サボってた口だし。しかも、文化祭は本番の日がくれば終わるけど、結婚とか出産というイベントは、一度 開催してしまったら、そう簡単にはねえ・・・」
「彼女が なにを求めてるのか、ちゃんと彼女の立場で考えた？ イメージとか、一般論で決めてない？」
「本当につき合いたかったの？ その子のこと、好きだった？ いけそうだから、いったろって、なったんじゃないの。適当に雰囲気で過ごして、なんとなく可愛い子とつき合って、なんとなく幸せになれるわけないよ。みんな、欲しいものは ちゃんと欲しいって、願ってると思う」
「『女の子』なんて人格は、ないの。ひとそれぞれ、相手に あわせて考えて」
日本テレビ／2023年7月12日放送
【脚本】渡邉真子／【原作】ねむようこ
