SSブログ

先に生まれただけの僕・第1話 [先に生まれただけの僕]

「ぼくは奨学金で大学 通ってたんだ。中学のときに親父が死んでね。家に金がなくてさ。そのおかげで大学は卒業できたんだけど、奨学金が借金だって実感したのは就職してからだった。そこそこの会社には入れたんだけど、最初の給料なんて大したことないからさ。そこから3万近く引かれるってのは、かなりきつかった。いまでも払い続けてる。利子含めると600万近くなるからね。全部 払うのに、あと10年かかるよ。でも、そんなことになるなんて聞かされた記憶がないんだよね。もしかしたら高校の先生 言ったのかもしれないんだけど。『奨学金はあとで負担だぞ。よーく考えろ』――。そんな言い方は絶対しなかった。ぼくは一応 返せてるけど、きつい思いしてるひとはたくさんいると思うよ。大学は出たけど、入った会社がつぶれちゃったひと。奨学金の返済で貯金ができなくて、結婚もあきらめてるようなひとがね」



「(奨学金は)大変な借金だよ。だから、きみは大学に入っても一生懸命 勉強しなくちゃいけない。必要な単位は全部 取って、遊びもなるべく就活に生きるような経験をして、ちゃんと4年で卒業して、しっかりとした仕事に就かなければならない。それでも、この先、世の中どうなるかなんて わかんないよ。一流企業はつぶれるかもしれないし、少子高齢化はどんどん進んでいくし、世界情勢は激変していくだろうし、たくさんの仕事はロボットに取って代わられるかもしれない。そんな将来が待っているかもしれない。だから、生きていくのに必要なスキル・・・スキルってわかるか。きみの代わりがいないと言われるような、ひとに必要とされるような力を身につけていかなきゃならないんだ。いまのきみにその覚悟があるなら、奨学金もらって大学に行け」


日本テレビ/2017年10月14日放送
【脚本】
福田靖/【脚本協力】株式会社CRG/【原案】福田靖
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。