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真夏の少年 ~19452020・第4話 [真夏の少年]

「いまは戦後か? 新しい戦争のはじまる前ともいえる。戦争はゲームと違って、スイッチを入れたら はじまりじゃない。気がついたら、いつの間にかスタートしてる。あれよあれよという間に、戦争の空気に包み込まれる。だから、戦前を生きているという自覚もせんとな」



「あの子は強い子なんだ。誰もが今日を生きるのに必死だったとき、生まれてくれた。そう簡単に死んだりはせん。戦時色がますます濃くなり、町中に『贅沢は敵だ』という看板が掲げられ、電気器具の使用も、食堂で米を出すことも禁止になった。お国は『産めよ、増やせよ』と大号令を出すが、人口は減る一方だった。そんな中、あの子は力いっぱい泣き声を上げて、生まれてきてくれた」



「小さな命が生まれるのは、当たり前のことじゃなく、奇跡だ。その奇跡に立ち会えることも奇跡。だから、生まれてくることの喜び以外ない。赤ちゃんの泣き声は、未来への叫びだ」



「魅力なんてのは、自分を信じて、自信 持たないと出てこないよ」



「湧いてきた怒りを作品に込めるのが、マンガ家の仕事だ。拳を上げて立ち上がるだけが、怒りの使い方じゃない。オレはこれに怒りをぶつけて、完成させるつもりだ。悟も将来、怒りをぶつけられる仕事を見つけろ」



「これだよ。わたしが待っていたスクープは、これ。ついに、そこらへんを はいずり回るゴキブリやドブネズミになるときがきたよ」


テレビ朝日/2020年8月21日放送
【脚本】
樋口卓治
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