鉄の骨・第5話(最終回) [鉄の骨(WOWOW)]
「営業が勝ち取った仕事を、職人やオレたち(建設現場の人間)が形にする。建物は何十年も残り、地図にも載る。これだけなら、こんなに いい仕事はないよな。でも、ときどき上の人間が(談合なんて)無茶苦茶なことをしやがる。現場のオレたちまでも、世間から同じ目で見られて、ツラい思いをしていることに気づかない」
「なんの変哲もない四角いビルばっかりだ。だが、たとえ見かけは平凡でも、施主にとって、その建物には夢がある」
WOWOW/2020年5月16日放送
【脚本】前川洋一/【原作】池井戸潤
鉄の骨・第4話 [鉄の骨(WOWOW)]
「おまえたちの会社のワガママのために、業界全体が手を汚すんだ。反省の気持ちすらないのか」
「談合は必要悪だと思ってました。でも、ホントにそうでしょうか。小さな会社を守るためには談合も必要だと言いながら、結局、政治家とつるんだ大手ゼネコンばかりが得してるじゃないですか」
「ロクな経営努力もせず、政治家を動かして談合に逃げる。そんなことをしてるから建設業界は腐っていくんだ」
WOWOW/2020年5月9日放送
【脚本】前川洋一/【原作】池井戸潤
鉄の骨・第2話 [鉄の骨(WOWOW)]
「人間ってのは、英雄の前だと性格を隠す。だが、おまえのような年若を前にすると、ついつい人柄を出してしまう。あれが やつらの本性だ」
「少し気の利いたやつなら、資金洗浄するのに、実体のない会社なんか使ったりしない。そんな会社を利用したら、資金の流れが一発でわかってしまうからな。こういう地味な会社だからこそ、利用価値があるんだ」
WOWOW/2020年4月25日放送
【脚本】前川洋一/【原作】池井戸潤
鉄の骨・第1話 [鉄の骨(WOWOW)]
「この(建設)業界ってのはな、清濁併せ呑むってのが必要なのよ。正しいことばかりが、正しいわけじゃない。かといって、いい加減な(仕事をする)ことばかりが、正しいわけでもねえ」
「この日本で、建設業の関係者は500万人以上いる。その多くが中小零細で、なんとか食えてるのは談合があるからだ。もし毎回、工事価格のたたき合いになってみろ。体力がない中小零細なんか、あっという間に倒産だ。今回、コスト削減に協力してくれた下請けもな。下請けが つぶれれば、大手だって危ない。この業界、一社だけでやっていけると思うなよ」
「(談合は)必要悪だとか思ってるんだよな、彼ら。談合するのは、会社が弱いからなんだよ。強くする努力は棚に上げて、ラクなほうに流れていくんだ」
「あなたは、調整をして みんなで利益を分けたほうが得だと思ってるでしょ。たしかに、すべて平等に配分されるのなら、そうなんでしょう。ですが、実際には大きな工事は おたくさんのような大会社がさらっていき、わたしたちに投げ与えられるのは、みみっちい工事ばかりだ。せいぜい死なない程度のね。それでは会社は永久に大きくならない」
WOWOW/2020年4月18日放送
【脚本】前川洋一/【原作】池井戸潤