自転しながら公転する・第３話（最終回） [自転しながら公転する]
「わたしからは『別れる』とは言ってあげない。言ったら、あんたは『自分はフラれたんだ』ってところに逃げ込むから、『中卒で、稼ぎが悪いから捨てられたんだ』ってところに逃げ込んで、ぬくぬくするに決まってるから」
「わたしには いわゆる普通の家庭はムリだけど、勉強したいことをして、旅行したり、興味のあることに打ち込んだり・・・そういう人生にするって決めたんだ。言っとくけど、わたし、幸せだよ。自分の幸せは、自分なりにカスタマイズすることにしたんだ」
「マッチングアプリって、まるで通販サイト。この中から、運命のひとを どうやって見つけたらいいんだろう」
「幸せにならなきゃって思いつめると、ちょっとの不幸が許せなくなる。思い通りにいかないとツラくなる。（中略） 『幸せだ』って自分で言えるなら、それでいいじゃない」
日本テレビ／2023年12月28日放送
【脚本】池田奈津子／【原作】山本文緒
自転しながら公転する・第２話 [自転しながら公転する]
「オシャレなひとって、そもそも狭量な面があると思う。（中略） ひとの服や持ち物を、聞かれてもないのに どうこう言うのって、価値観の押しつけじゃない？」
「わたし、ズルいんだよね。いまのままじゃ不安だけど、変わってしまうのも怖い。なんか、幸せってさ、こだわれば こだわるほど ヤな人間になってくね」
「オレ、中卒だしな。お宮が そんなことで差別するような人間じゃないってことぐらい、わかってる。でも、（結婚を考えると）不安なんだろ。耐えられないんだろ。育ちがいいって、そういうことだと、オレは思う」
日本テレビ／2023年12月21日放送
【脚本】池田奈津子／【原作】山本文緒
自転しながら公転する・第１話 [自転しながら公転する]
「わたしの毎日は同じ風景をぐるぐる回るだけ。気持ちは あせるばかりで、結婚なんて宇宙旅行と同じぐらい遠いことで・・・」
「おしゃれって、ひととは違うのが いいんじゃないの」
「細部だけちょっと違えばよくて、それよりも まわりから浮かないことのほうが大事なの」
「地球はな、秒速465メートルで自転して、その勢いのまま秒速30キロで太陽の周りを公転してる。しかも、ただ円を描いて回ってるんじゃなくて、こう、スパイラル状に宇宙を駆け抜けてるんだ。太陽だって同じ。銀河を渦巻き状に回ってる。だから、オレたちはピッタリ同じ軌道には一瞬も戻れない。地球は自転 公転してるからこそ、季節があって、冬にはコートが売れて、夏にはＴシャツが売れる。旬な魚があるから、寿司も売れる。そして、経済が回って、オレたちの給料も支払われる」
日本テレビ／2023年12月14日放送
【脚本】池田奈津子／【原作】山本文緒
