病室で念仏を唱えないでください・第10話（最終回） [病室で念仏を唱えないでください]
「ある徳の高いお坊さんが、まわりのひとたちに聞いたんだけど・・・もし川に、妻と母が同時に落ちたら、どちらを助けるか。なんて答える？ （答えは）近いほう。命に色はついてない。考えるから迷うんだ。ぼくらの仕事は とにかく ひとの命を救うことだろ」
「助けたいと思って医者になったのに、いざなってみたら、助けたひとと同じくらい、死んでいくひとも見なきゃいけなくて・・・。（わたしたちは）助け方は教わっても、送り方までは教わらない」
「ひとの命を救うのは、たぶん ぼくの欲だ。ひとりの命、一日 永らえた命が作る未来が、今日より よくなって欲しいって期待してる。欲深い煩悩のかたまりだ。全然、悟れない」
TBS／2020年3月20日放送
【脚本】吉澤智子／【原作】こやす珠世
病室で念仏を唱えないでください・第８話 [病室で念仏を唱えないでください]
「悪の反対は正義でもないし、逆もまた然り。白黒はっきりつけられないことのほうが多い。二者択一からの自由・・・」
「一緒にするな。ぼくの（やっているの）は患者に必要な悪だ。（きみみたいな）問い詰めたらすぐ謝るような、薄っぺらい、覚悟のない悪とは違うんだよ。（中略） 辞めるとき、いまさら自分の罪、公表するようなダセえ反省ポーズなんかしたら、全力で医学界から追放しますから」
「医者は、金でも、法でも、正義でもない。命の奴隷だ」
TBS／2020年3月6日放送
【脚本】吉澤智子／【原作】こやす珠世
病室で念仏を唱えないでください・第７話 [病室で念仏を唱えないでください]
「ひとは余裕がなくなると、醜い本音を隠し切れなくなる。わたしは醜態を見せることなく、正しく死んでいきたい」
「わたしの最後の仕事は、娘にきっちり憎まれて、思いっきり文句 言われること。（中略） あたし、謝らない。懺悔もしない。だって、あたしが謝っちゃったら、娘が文句 言えなくなるでしょ。文句 言われて、情けない死にざま見せられたら、それで充分。自分の業は、自分で引き受けないと。ね」
TBS／2020年2月28日放送
【脚本】吉澤智子／【原作】こやす珠世
病室で念仏を唱えないでください・第５話 [病室で念仏を唱えないでください]
「あの男を殴ったのは、自分の無力へのいら立ちを、正義ぶってあの男にぶつけた ぼくの我です。我を張っただけでした」
「必死で命を救ってもさ、心までは救えない。逆に命を救えなくても、心は救えるときもある」
TBS／2020年2月14日放送
【脚本】吉澤智子／【原作】こやす珠世
病室で念仏を唱えないでください・第３話 [病室で念仏を唱えないでください]
「他人には取るに足らないものだが、自分にとっては大事――というものこそ、宝物の真理。そこに愛があるという証」
「（心も体も健康に）導きたい？ 救急医の仕事は、第一に目の前の命を救うこと。それぞれが持ち場を守るから、病院は回ってるの。鬱なら精神科 受診させるしかない。それも患者が望まなきゃ、なんにもできない。松本先生、さっき外まで宮島さん探しにいったらしいけど、それは警察の仕事。ムダにやる気出してもらっても迷惑」
「『老い』『病』『死』――。この３つの苦しみに『生まれる』を加えた４つが、人間の苦しみの根源だと、お釈迦様はおっしゃった。生きること自体、苦なんだよ。ぼくはこの生きる苦しみからも、患者を救いたいんだよ」
「ひとの命を預かる仕事だから、イヤになることもあるけど・・・。助けられなかったら自分がツラいから、たとえ無茶でも、火ン中 飛び込んじまったほうがラクなんだ、オレは」
「すごいね、三宅先生は・・・いっつも三宅先生で。毎日 化粧して、髪 整えて、通勤して、残業してって・・・当たり前にちゃんとしてるのって、女の人は年 重ねてくと、大変なことなのよ。キツイ職場でいろんな気分の日があるだろうに、毎日なにがあっても、普通の顔して生きてるだけでスゴイよ」
TBS／2020年1月31日放送
【脚本】吉澤智子／【原作】こやす珠世
病室で念仏を唱えないでください・第２話 [病室で念仏を唱えないでください]
「どう死ぬかは、どう生きるかと同じです」
「まわりが責めなくても、まわりが忘れても、自分は覚えてる。一生、自分を責めることになるぞ」
「いつか家族に会って、謝りたいって、後悔を支えに生きてきたそうです。過去の過ちや後悔が、ひとを生かすこともあるんです。最初からホームレスのひとなんていません」
「症例は人格ではありません。患者さんを見てあげてください」
TBS／2020年1月24日放送
【脚本】吉澤智子／【原作】こやす珠世
