私(あたい)のエレガンス・第6話(最終回) [私のエレガンス]
「茶道というのは、極限までムダを省いた芸術です。所作も、飾りも、必要のないものは すべて そぎ落とした世界――。省いた結果、なにが残るか おわかりですか。人間と人間です。この小さな茶室で向かい合うと、相手がどんな人間か、手に取るようにわかります。ここでは、嘘や ごまかしは通用いたしません」
「エレガンスの語源は、ラテン語の『エルグレ』からきてるの。精選する――つまり、注意深く丁寧に選ぶということ。エレガンスの神髄は そこに あるのかもしれないわね。誰にも流されることなく、自分の意思で人生を選択していく。わたしは そう思ってるわ」
BSテレ東/2022年5月7日放送
【脚本】大谷洋介、本山久美子
※上記台詞の1段目は大谷洋介、2段目は本山久美子の脚本パート
私(あたい)のエレガンス・第5話 [私のエレガンス]
「人間の五感――視覚、聴覚、触覚、味覚、そして嗅覚。この中で、香りを感じる嗅覚だけが、人間の脳に直接 働きかけることができる。脳の中で喜怒哀楽をつかさどる部分と、嗅覚が直結してるの。つまり、匂いによって感情が動かされる。とくに記憶をつかさどる海馬という部分とのつながりが強いの。香水をつけると、自分や、まわりのひとの、感情や記憶を刺激する効果があるというわけ」
「ランジェリーは女性を変える魔法――。美しいランジェリーを身につけることは、自分がエレガントであると、常に心に留めておくことでもあるわ」
BSテレ東/2022年4月30日放送
【脚本】大谷洋介、本山久美子
※上記台詞の1段目は大谷洋介、2段目は本山久美子の脚本パート
私(あたい)のエレガンス・第4話 [私のエレガンス]
私(あたい)のエレガンス・第3話 [私のエレガンス]
私(あたい)のエレガンス・第2話 [私のエレガンス]
「いくつ持っていても、(新しいバッグが)欲しくなる気持ちは わかるわ。ほとんどの女性がそうよ。ステータスを保つため、流行に遅れないため・・・。だがしかし、バッグを大量に持つことで虚栄心を満たそうとするのは間違ってる。真のエレガンスとは対極ね。(中略) TPOにあわせて大量のバッグを買い漁ったり、流行を追ってチープなものを毎シーズン買うよりも、ひとつでもいいから、長くつきあえる質のいいバッグを持っていたほうがいい」
「身につけるもので、エレガントになるわけじゃない。身につけるものをエレガントにするのは、その持ち主」
「大切なひとが選んでくれた靴を、大切に履く――。その行為自体にエレガンスがあるんじゃないの」
BSテレ東/2022年4月9日放送
【脚本】本山久美子
私(あたい)のエレガンス・第1話 [私のエレガンス]
「あなたは普段、強い色ばかりを好んでいるようだけど、こういう(複数の色が混ざった曖昧な中間色の)ニュアンスカラーは洗練された印象を与えるし、着るひとの物腰まで上品に見せてくれるわ」
「20世紀初頭、黒は男性が身につける色で、女性が黒を着るのは哀悼の意を表す喪服のみ。パーティでは色鮮やかなドレスを着る女性ばかりだった。そんな中、格式高く、気品のある色として黒を採用したドレスが登場したわ。リトル・ブラック・ドレスの創始者こそ(ココ・シャネル)。ココ・シャネルは、あらゆる色に勝る色は黒として、黒の概念を変えたの。そして、華美なドレスをシンプルでラグジュアリー、しかも 着心地のよさを追求したモードとして作り変えた。シャネルにとって、黒は女性の新しい生き方を示す、自立の色だったとも言えるわね」
「リトル・ブラック・ドレスが普及した いまでは、パーティーに行くと、黒いドレスを着た女性ばかりで、かぶってしまうことが多いわ。そこで、重要になるのが色よ。(中略) 黒には濃淡があるの。浅い黒から、深い艶やかな漆黒まで。もちろん、素材によっても見え方が変わるわよ。着るひとの肌の色にマッチしたものを選ぶことが大事なの」
「リトル・ブラック・ドレスは、余計な装飾がなく、シンプルであればあるほど、アクセサリーひとつで印象を変えることができるわ。(中略) ファッションとは、上級者になるほど引き算なの」
「エレガンスを生まれ持ってるひとはいないわ。エレガンスとは、一生をかけて磨いていくもの。時間をかけて、ゆっくりとね」
BSテレ東/2022年4月2日放送
【脚本】本山久美子