石子と羽男 -そんなコトで訴えます？-・第10話（最終回） [石子と羽男]
「（奥様は）投資に失敗したんじゃありません。ダマされたんですよ。（中略） 奥様を無責任に批判するひとは、奥様を救ってはくれません。声を上げることで、ご自分を守ってください。そうすれば、わたしたちは寄り添えます」
「あなたのように法の抜け穴をくぐり抜けようとするひとがいるから、法律はどんどん、どんどん、増えていくんです。そういう悪人を取り締まろうと、毎年 法律は変わる。それでも くぐり抜けてくる あなたのようなひとがいる。いたちごっこだ」
「法律って、誰が作ったか知ってます？ 強い人間です。権力、影響力、そういう力が強い人間。彼らが世の中を良くしようと作ったルールです。ですが・・・だからこそ、どう転んでも、自分たちが負けるようには なってないんです。カジノ、見てよ。胴元が負けるようには できてない。そういうこと。法律も力の弱い人間が勝つようには できてないんです」
「あなたは以前、法律は力の強い人間たちのためにしか作られていないと、おっしゃいましたね。わたしは、そうは思いません。毎年 増えていく法律のほとんどは、力の弱いひとの訴えに寄り添って できたものです。その方々が声を上げた歴史なんです。力が弱い者も、強い者も、同じ世界で平等に生きていくために必要なルール。法律は そのために できていくんだと思うんです」
「力が弱くちゃいけないんですか？ あなたが弱者と呼ぶひとたちの多くは、力が強くなりたいなんて思ってないんじゃないですかね。彼らは誰にも迷惑をかけず、かけられることもなく、ただ普通に日常を送りたいと願うひとたちです。そして、そういう ひとたちこそが この社会を支えているんです。われわれは法律に携わる者として、これからも真面目に生きる方たちに寄り添い、戦ってまいります。マチベンとして」
「後悔のない人生なんて ないけど、ひとつでも少ないほうが いいんじゃない？」
TBS／2022年9月16日放送
【脚本】西田征史
石子と羽男 -そんなコトで訴えます？-・第９話 [石子と羽男]
「確認ですが、本当に大庭さん『自分でやった』って言ったんですね？ 『やったの？』と聞いて、うなずいただけだと、全然 変わってきますよ」
「オレだって（彼は）やってないって信じたいよ。でもさ、信じたいって気持ちで動いてたら、アレでしょ。『弁護士倫理に反します』でしょ」
「ぼく、感情って、ビジネスにとって１％パーセントも必要ないと思ってるんですよ。怒り、動揺、不安――全部、邪魔です。だから、負けるやつは何度も負けるんです。判断を見誤らせるもの、それが感情です」
TBS／2022年9月9日放送
【脚本】西田征史
石子と羽男 -そんなコトで訴えます？-・第８話 [石子と羽男]
「ここは裁判所です。すでに存在する法律にのっとり、その解釈適用を争う場所であり、今回のような情報自体の扱いを問題としたいのならば、それは立法作用、すなわち法律を変える国会の仕事です。法律自体を変えたいのであれば、政治家に訴えてみては いかがでしょうか」
TBS／2022年9月2日放送
【脚本】西田征史
石子と羽男 -そんなコトで訴えます？-・第３話 [石子と羽男]
「残念ながら、パラリーガルってさ、日本の法曹界じゃ、なんの資格もないって扱いなのね。だから、接見には立ち会えないし、法廷だって、入れるのは傍聴席までなの」
「（たしかに、あなたがネットに上げたファスト映画を見て、本編が見たくなったとコメントしたひとはいたでしょう。でも、）見たくなって、本当に見たひとが どれくらい いるんですかね？ 動画を見て、もういいやと思うひとのほうが多いんじゃないですか。メリットより、デメリットがあまりに大きすぎる。しかも、製作者が望んでいないなら、それは間違った行為なんです・・・いくら良かれと思ってやったことだとしても」
「10分の動画だけで、見た気になって満足する。ネット記事の見出しだけで、知った気になって なんでも叩く。中身まで知ろうとは思わない。だって、時間がもったいないから」
TBS／2022年7月29日放送
【脚本】西田征史
石子と羽男 -そんなコトで訴えます？-・第２話 [石子と羽男]
「本物のガチャガチャは、不良品だった場合、追完請求権で交換できますが、親ガチャに関しては、不良品だと思ったとしても、交換を命ずる法律はありません」
「多くの親は頑張って親をしていると思うんです。多くの子供も、期待に応えようと頑張って子供をしています。そういう親子の関係を、当たりだ、ハズレだっていうのは、なんの意味があるんだろ」
TBS／2022年7月22日放送
【脚本】西田征史
石子と羽男 -そんなコトで訴えます？-・第１話 [石子と羽男]
「いまや弁護士は あふれかえってる。飽和状態。だから、どんな弁護士なのか、色づけが必要なんだよ。コスプレ弁護士、アイドル弁護士――。（ぼくの場合）それが天才弁護士だったってだけだ。ブランディングだよ。天才っぽく振る舞えば、依頼が増えると考えてね」
「日本人の多くはな、弁護士に頼むのは最終手段だって思ってるからね。アメリカのさ、訴えまくるシステムもさ、銃社会っていう前提はあるけど、直接 個人が争って、深刻な関係にならないための方法だと思うんだよ。まあ、法律に対する向き合い方が全然 違うっていうのかね」
「イジメは法律で裁かれるべきです。『バカ』や『死ね』などの暴言は、侮辱罪。根も葉もない噂を流されれば、名誉毀損。なにかを強要されれば、強要罪。誰かを殴ったら、暴行罪です・・・れっきとした」
「人間関係を円滑にするためにあるルール、それが法律なんです。そのルールにのっとり 声を上げる行為は、情けなくもないし、少しも間違っていません。（中略） 法律を知っていれば、守れること、避けられることもある。傷を最小限にとどめることもできる。そのお手伝いをするのが、われわれ（法律事務所）です。ただ、声を上げていただかなければ、お手伝いできません。ぜひ、法律を上手に活用し、幸せに暮らしていただければと存じます」
TBS／2022年7月15日放送
【脚本】西田征史
