民衆の敵 ~世の中、おかしくないですか!?~・第10話(最終回) [民衆の敵]
「最初から(産廃処理場を作ると)言ったら、みな反対するでしょ。さっきの佐藤さんみたいに、反射的に反対するんですよ。多くの場合、民衆のほとんどは政治家の言うことに聞く耳を持たない。聞くことを放棄しておきながら、あとで『聞いていなかった』って言うんです。なら、民衆には伝えず、導いたほうがいいときもある」
「なぜ(選挙に)行かなかったんですか。民衆に与えられた権利です。民衆をバカにする政治家が嫌なんだったら、そんな人間に政治をさせなければいいんです。民衆にはそれを選ぶ権利があります。それが選挙です。その権利を放棄しておきながら、『世の中おかしくないですか』って、ぼくは そっちのほうが おかしいと思います」
「ぼくが高校生のころ、ある法案を強行採決しようとした父がぼくに言ったんです。『独裁政治だと言われても仕方がない。愚かな民衆を導くためには、独裁しか手がないときもある』――。ぼくは耳を疑いました。このひとは本気で言ってるのかなって。で、本気でした。駆け引きや、根回しなら、それは政治ですから、ある程度は仕方がないと許せました。ただ、民衆を愚弄することだけは しちゃいけない。民衆のための政治だという、その理念を失っちゃいけないんだ。でも、そのときのぼくは言い返さずに、あきらめたんです。佐藤さんは、ぼくがあきらめる前のぼくなんです。だから、ずっと見てきたんです」
「『切り捨てられてる』って声を上げてるひとの後ろには、声すら上げられないようなひとたちがたくさんいるんだよ。『民衆が賢くなれ』って、あんたみたいな立場で言うのは簡単かもしんないよ。でもさ、毎日ご飯 食べることだけに必死でさ、自分が切り捨てられてることすら、気づかないでいるひとたちがいるんだよ。(中略) 賢くなるっていう機会 与えられてないからさ、声を上げる方法だってわかんないでいるんだよ。それで、いないことにされちゃって、簡単に切り捨てられちゃってるんだよ」
「みんなが幸せになるために、誰かがひとりでも犠牲になるなんておかしいでしょ」
「ひとりの幸せのために、みんなを犠牲にするなんておかしくないですか。どちらが正しいなんて、そんな単純な話じゃありません。きっと、どちらも正しい。だから、(市長として)あなたはあなたの信じる道を進めばいいんです。ぼくは国政に行って、みんなの幸せを選びます」
「わたしたち 一人ひとりの無関心が積み重なって、結局は一部の人間だけが得をする、そんな世の中になってしまうんです。あとになって、あれ、おかしいなあ、なんて思ったって、もう遅いんですよ。民衆の敵は外にいるんではありません。わたしたち 一人ひとりの無関心、それこそが民衆の敵なんです」
「いまの世の中、突拍子もないことが起きる。だが、突拍子もないことは、実は突拍子もなく起きたりしないものだ」
フジテレビ/2017年12月25日放送
【脚本】黒沢久子 /【脚本協力】梶原阿貴、ねじめ彩木
民衆の敵 ~世の中、おかしくないですか!?~・第9話 [民衆の敵]
民衆の敵 ~世の中、おかしくないですか!?~・第7話 [民衆の敵]
民衆の敵 ~世の中、おかしくないですか!?~・第6話 [民衆の敵]
「世の中なんて変わらない。変えられない。でも、変えてほしい。そんな思いが高まると、ひとはカリスマを求める。カリスマが熱狂をもって迎えられるとき、そのときこそが危機的状況のはじまりなのかもしれない」
「相談なんて、そもそも自分の言ってほしいことを聞きたいだけでしょ」
フジテレビ/2017年11月27日放送
【脚本】黒沢久子
民衆の敵 ~世の中、おかしくないですか!?~・第3話 [民衆の敵]
「いいひとが悪いことするから、世の中、複雑なんですよ」
「有権者の不安や不満を受け止め、それを解消できるのは自分だけだとアピールする。ときには、こちらからも煽り立てる。で、より説得力のある人間が選ばれる。それが政治です」
「貧困家庭が問題になってるけど、いまに はじまった話じゃない。景気が良かろうが悪かろうが、貧しい家庭はあったわけで、むかしはそういった子供たちを近所のひとたちが世話してきたわけですよ。その “ご近所さん” が “コミュニティ” と呼ばれはじめたころから、子供に声をかけるのが ためらわれる世の中になったでしょ。(中略) GPSで常時 監視されたり、過保護なくらい守られてる子供たちがいる中で、孤独と空腹を抱えたまま街をさまよってる子供たちも確かにいるんです。そういった子供に声をかければ、不審者だと言われる。だから、孤独な子供たちは誰の助けも得られないまま、さらなる闇へ落ちていくんです」
フジテレビ/2017年11月6日放送
【脚本】黒沢久子/【脚本協力】小嶋健作、真田啓五
民衆の敵 ~世の中、おかしくないですか!?~・第2話 [民衆の敵]
「(多数会派に入るのはいいけど)自分の政策をひとつ通してもらう代わりに、やりたくないことを100もしなきゃいけないかもしれないのよ」
「イジメって、暗いトンネルみたいだなあって・・・。(中略) イジメられてるときって、その先が見えないんですよ。暗闇の先に出口があるなんて思えない。延々、闇が続いてるみたいで」
「残念だけど、イジメはなくならないと思います。だから、せめて逃げられる場所を奪わないでほしいんです」
フジテレビ/2017年10月30日放送
【脚本】黒沢久子
民衆の敵 ~世の中、おかしくないですか!?~・第1話 [民衆の敵]
「かわいいは正義・・・。だったら、わたしは犯罪者か」
「市議会議員の当選確率は8割を超えており、正社員で事務職に就いたり、ほかの公務員になれる確率が1割を切ってる中、これは驚異的な高確率。市議会議員は現実的な選択肢です」
「上を見ちゃダメ。下を見たら幸せなんだって、ずっとそう思って生きてきました。でも、もうイヤだ。だって、それって本当に幸せなんですか。ずっと・・・ずーっと、ふざけんなって思ってたんです。だって、おかしくないですか。生まれた時点で、自分の人生 決まっちゃうなんて、おかしくないですか。自給950円の生活も知らないやつらが、市民の幸せ語るな。自己責任? わけわかんない。卵焼きはどう頑張ったってステーキじゃないんだよ。本物のステーキが食べたい。誰にだって、ステーキ食べれる権利ありますよね。あるでしょ。あるんです。だから、幸せなフリはやめて、本当の・・・本当に幸せになりましょうよ」
「自分が頑張っても、どうしようもないことって多いじゃない? それを なんとかするのが、政治家だって思うの。だから、みんな期待してるのよ、あなたに」
「突拍子もないことをしでかすひとはたくさんいても、その突拍子もないことに ひとを巻き込めるひとは、滅多にいないと思うのよ。だから、もう後戻りできないよ」
「いいんだよ、有権者なんか。そんとき騒いでいても、すぐ忘れるんだから。タレントが不倫でもしてくれたら、おまえが なにしようが、きれいさっぱり忘れちまうんだよ」
「子育て優先したら、自分の人生 二の次なんて、そんなのおかしくないですか。しょうがないなんて、あきらめないで。独りでやっても どうしようもないことを変えていくのが政治家の仕事。わたし、頑張りますから」
フジテレビ/2017年10月23日放送
【脚本】黒沢久子