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セイレーンの懺悔・第4話(最終回) [セイレーンの懺悔]

「甘えんなよ。(報道記者)失格で逃げて済むほど、自分の責任が軽いと思ってんのか」



「世間はいま、SNSの悪口なんかで、簡単にひとを殺す連中に興味津々だからな。化けモンなのか、同じ人間なのか、正体を知って安心したくて、うずうずしてんだよ」



「われわれ(テレビ局)は謝罪はしない。単純な言い間違いや、事実誤認についての謝罪ならいい。だが、報道の姿勢を問われる間違いについては、局として認めて謝るわけにはいかない」



「わたしたち(報道)の役目は、生贄を見つけて祭壇に捧げることでも、他人の不幸に土足で立ち入ることでもありません。ひとが、組織が、国が、同じ過ち、同じ悲劇を繰り返さないための道しるべを探し、伝えていくことです。そのために、わたしたち自身も、絶えず自分と組織を疑い、権力に おもねることのないように、律し続けていく覚悟が必要です」


WOWOW/2020年11月8日放送
【脚本】
篠﨑絵里子/【原作】中山七里
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セイレーンの懺悔・第2話 [セイレーンの懺悔]

「(女子高生を自殺に追い込んでおいて)まだ取材する元気があるのか。(事件は終わっていない?)それなら、終わってから報道しろ。誰が殺された。誰かが逮捕された。事件を伝えるなら、それで充分だろ」



「サイレンだろ。ひとに注意を促すために大きな音を出す。(番組を)観てもらうために、派手な演出をして視聴者を煽る。(犯罪抑止のための問題提起をしている?) なあ、思い上がるなよ。サイレンには、聞きたくないことでも強制的に聞こえてしまうリスクがある。それが今度のような事態を招いた。サイレンの語源を知ってるか。ギリシア神話に出てくるセイレーンという妖精だ。上半身が人間の女。下半身が鳥。海にいて、きれいな歌声で船員たちを惑わし、船を遭難させる――。あんたたちマスコミは、そのセイレーンだよ。視聴者を耳障りのいい言葉で誘って、真実と名づけた娯楽の中に引きずり込む」



「いま おまえが感じてる思いに、慣れるなよ。相手の苦しみを理解して、できる限りの配慮をしながら取材するのが報道記者だ。だが、記者ならまた、相手が苦しむと わかっていても、報道しなければならないときが必ずある。いまの気持ちを絶対に忘れるな」



「犯人が捕まっても、娘は帰ってきません。こんな悲劇が二度と起きないように、一日も早い解決を望みます――。そう言っておけば、マスコミは満足しますから。なにもしゃべらずに逃げていても、ずっと追いかけられるだけです」


WOWOW/2020年10月25日放送
【脚本】
篠﨑絵里子/【原作】中山七里
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セイレーンの懺悔・第1話 [セイレーンの懺悔]

「報道協定ってのは、あくまでも警察側の要請で、こっち(報道機関)が一社でも反対すれば、成立しないんですよね。だったら、交換条件です。われわれが報道協定を結ぶ代わりに、そちらは被害者の実名と住所を出してください」



「あれは あんたたちと どこが違うんだ。(あいつら野次馬は)殺人現場に集まって、写真を撮って、ひとより早く世間に出して喜んでる。(あんたたちマスコミは)報道の自由を盾にして、許可されない場所でもズカズカと踏み込んでくる」



「警察は被害者とその家族の無念を晴らすために働いてる。だけど、あんたたち(マスコミ)は野次馬の好奇心を満たすために働いてる」



「あの遺体発見現場のには、強い驚きがあった。視聴者は衝撃を受けて、犯人の残酷さを憎む。二度とこんな事件が起こってはならないと考える。驚きが強いほど、ひとを動かす力があるんだ。スクープは、ニュースに力をつけるためにあると、オレは思ってる」


WOWOW/2020年10月18日放送
【脚本】
篠﨑絵里子/【原作】中山七里
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