しずかちゃんとパパ・第8話(最終回) [しずかちゃんとパパ]
「そのひとが かわいそうか どうかを決められるのは、そのひとだけなんです。ひとの “かわいそう” を勝手に決めてはいけません」
「わたしね、息子のこと、ずっと卵だと思ってて。こうやって、大切に守って、あっためてないと壊れちゃうって。でもね、鳥だったの・・・いつの間にか、手の中にいたのは。飛んでっちゃって」
「ごめんね、静。ずっと縛ってきたよね、わたし、あんたのこと。(お兄ちゃんの面倒を見てくれて)『ありがとう』って言葉で」
NHK BSプレミアム/2022年5月1日放送
【脚本】蛭田直美
しずかちゃんとパパ・第7話 [しずかちゃんとパパ]
「圭一さんが言いたくないこととか、圭一さんが言わないほうがいいなって思ったことは、なんにも言わなくていいんです。ただ、独りじゃないってことだけ、ここ(頭)の隅っこに置いといてもらえれば」
「パパ、言ってたもんね。卒アルは、未来の自分が悩んだときの地図だって」
「オレがガキなのかもしんねえけどよ。あんのか? 好き同士が一緒にいる以上に、いい方法なんてよ」
「(道永くんと)一緒に行くか行かないか、本来 静ちゃんが持ってるはずの選択権を、道永くんが勝手に忖度して奪っちゃうのは違うと思う。悩ませないようにって、思いやりだろうけど、悩む権利があるからね、静ちゃんには」
「親が子供に してあげられるのは、ひとつだけ。――旅支度。旅に出ちゃうのなんてイヤだから、わたし、うーんと甘やかして育てたつもりだったんですけど、いつの間にか できちゃったみたいです」
NHK BSプレミアム/2022年4月24日放送
【脚本】蛭田直美
しずかちゃんとパパ・第6話 [しずかちゃんとパパ]
「わたしは、わたしが寂しいより、圭一さんのお母さんが寂しいほうがイヤです。だって、大切なひとの 大切なひとは、大切じゃないですか」
「感動するということなんですね・・・誰かを好きになるということは」
「結婚という形がベストなのかは、静さんと お互いの価値観について話し合ったあとの判断となりますが、どちらかが死ぬまで一緒にいることを、便宜上 結婚と表現するなら、ぼくは そのつもりです」
「ついてこないでください。(圭一さんと一緒にいると)嫌がるひとが いるからです。わたしが誰かに好きになってもらったり、優しくされたりすると、『傷ついた』って泣かれたり、『イラつく』って怒られたり、媚びてるとか、あざといとか、うざいとか、キモいとか、怖いとか、不幸自慢とか、めちゃくちゃ・・・めちゃくちゃ傷つく悪口 言われたりするからです。そういうのって、もう誰にも好きになってもらえなくていいって思うくらい、イヤなんです」
「あなたは媚びてないし、あざとくないし、大袈裟でも、うざくも、キモくも、怖くもないし、不幸自慢なんかしていません。あなたを そう見る側に、なにか理由があるんだと思います・・・あなたに そうであってほしい なにかが。(これは)優しさではなく、質問の回答として断言します。あなたは なにも悪くないです」
「夢は必須ではありません。ぼくも夢はありません。でも、祖父が教えてくれました。夢は探すものじゃない。向こうからやって来てしまうものだと。逃げても、逃げても、追いかけてくるものだから、探す必要はないと。(もし、一生やって来こなくても)問題ありません。必須ではありませんから」
「わたし、好きなんです・・・。大好きなんです、わたしのこと。いいですよね・・・わたしのこと 嫌いなひとがいても、わたしの好きな わたしでいて。いいですよね・・・それで ひとに好きになってもらっても」
NHK BSプレミアム/2022年4月17日放送
【脚本】蛭田直美
しずかちゃんとパパ・第4話 [しずかちゃんとパパ]
「(静さん、)言ってましたよね。同じことされても、好きなひとと、そうじゃないひととでは、違うって。(中略) ぼく、(他人の手料理は食べられないのに)食べられたんです・・・静さんのお弁当。それで わかりました。ぼくは あなたが好きだと」
NHK BSプレミアム/2022年4月3日放送
【脚本】蛭田直美
しずかちゃんとパパ・第3話 [しずかちゃんとパパ]
「すっごい勇気 出したと思うよ、息子さん。だって、自分のこと嫌ってるひとから離れるのは簡単だけど、好きでいてくれるひとから離れるって苦しいじゃん」
「すぐにバレる嘘つくんじゃないよ。嘘つくならね、墓場に持ってく覚悟で、つき通しな」
「(開発会社の人間だろうが、客としてうちのカフェに来るなら)飯は食わす。 毎日 来たっていい。けどね、食うたんびに思い知りな・・・あんたが ぶっ壊そうとしてるもんを」
「乗り越える・・・壁をですか?(中略) 壁は乗り越えてはいけません。必要だから、そこにあるんです。道を歩いていて、壁に突き当たったとき、乗り越えようとしてるひとを、ぼくは見たこと ありません。乗り越えるのは 、おそらく泥棒と忍者くらいです。そういうときは、引き返して別の道を探すものかと」
「目的は(壁を乗り越えようと)頑張ることではなくて、壁の向こうにある どうしても行きたい場所へ行くことですよね」
「壁の主な役割は、守ることですから。なにかを、なにかから大切に守ってるんです、壁は。だから、簡単に乗り越えようとするべきではないと、ぼくは思います」
NHK BSプレミアム/2022年3月27日放送
【脚本】蛭田直美
しずかちゃんとパパ・第2話 [しずかちゃんとパパ]
「オレ、謝ってないからね、さっき。ずっと『米、野菜』って言ってたから。聞こえたよね、『ごめんなさい』に。便利なんだよね、これ。謝りたくないけど、謝んなきゃいけないとき」
「いいよ、きみはきみの正しさに従って(仕事してよ)。見せてよ、その先に なにがあるか。ただ、もったいないからね。きみの正しさが、きみの正しさに邪魔されちゃってんのが。だから、呪文だと思ってさ、(相手が怒ってたら)『米、野菜』『米、野菜』って」
NHK BSプレミアム/2022年3月20日放送
【脚本】蛭田直美
しずかちゃんとパパ・第1話 [しずかちゃんとパパ]
「パパの撮影 見てると、思うんだよね、いつも。パパには、0.5秒前がわかるんだなって。表情って、一瞬で変わるから、いい顔した瞬間にシャッター押しても、間に合わないでしょ。でも、パパは間に合うんだよね、そのひとが最高の顔した瞬間に」
「教えてやる、いちばん いい仕返しのやり方――。楽しくいる。おまえを泣かせたやつらより、楽しくしてろ。それが仕返し」
NHK BSプレミアム/2022年3月13日放送
【脚本】蛭田直美