エール・第119話 [エール]
「わたしは音楽を愛していた。きみは音楽から愛されていた。いま思えば、それが悔しくて、恐ろしくて、きみを庶民の音楽に向かわせたのだろう。愚かだった。もしあのとき、嫉妬を乗り越え、応援していたら、きみはクラシックの世界で才能を開花させていたはずだ。わたしは己のエゴのために、きみという才能とともに、愛する音楽を冒涜してしまったのだ」
「わたしはね、ひとの力になるための音楽をたくさん作ってきました。だから・・・もう ぼくの中にある音楽を、ぼくだけで楽しみたいんだ。ダメかな。わたしの役目は終わったんだ。次はきみたちが担ってくれ」
NHK/2020年11月26日放送
【脚本】吉田照幸/【原案】林宏司
エール・第116話 [エール]
「『きみは特別だ』っていう言葉を信じちゃダメ。モテるひとは(女の子に)みんな言ってるから」
「いつの間にか親になって、いつの間にか むかしの自分 棚に上げて、安心とか、幸せって言葉を隠れ蓑に、大切な なにかを見落としてたのかもしれない。(それは)自分の子どもを信じる気持ち――。(中略) ぼくたち(の親は、ぼくたち)を信じる気持ちだけで(結婚を)許してくれたのかもしれない」
NHK/2020年11月23日放送
【脚本】吉田照幸/【原案】林宏司
エール・第106話 [エール]
「古山が なんでも書けんのは、どんな題材にも自然と感情を寄せていけるからだと思うんだよ。なんでも受け入れて、愛せる素直さは、もちろん もともとの性格もあるだろうけども、愛情に恵まれて育った人間ならではって気もすんだよな。逆に言うと、そこが欠けてる人間は、自分の愛し方すら よくわかんないっつうかさ、まあ、難儀なもんだ。でもさ、われわれには想像力ってもんがあんだろ。ふくらませるのも、しぼませるのも、てめえ次第だ」
NHK/2020年11月9日放送
【脚本】清水友佳子/【原案】林宏司
エール・第104話 [エール]
「もっと若いころだったら、挑戦し続けようって、思えたかもしれない。でも、残念だけど、大人になると いろんなことが見えてきてしまう・・・。わかってしまったんです。わたし・・・わたしは ここまでだって。悔しい・・・。悔しいけど、どうにもならん」
NHK/2020年11月5日放送
【脚本】清水友佳子/【原案】林宏司
エール・第99話 [エール]
「オレはさ、この年になるまで、友人っていう人間に出会ったこと ないんだよ。ひとは裏切るし、信用すれば痛い目 見る。そう思って生きてきた。けど、あいつは どうだ。一点の曇りもなく、心の底から、あんたを生涯の友と言い切って、なんとしても助けたいとさ」
NHK/2020年10月29日放送
【脚本】清水友佳子/【原案】林宏司
エール・第96話 [エール]
エール・第95話 [エール]
エール・第92話 [エール]
「1回15分(のドラマ)なんて、短すぎます。いままで30分だったのに、どうして? (アメリカでは、それが一般的でも)英語と日本語じゃ、テンポが違う。英語の15分は、日本語では25分だ」
NHK/2020年10月20日放送
【脚本】吉田照幸/【原案】林宏司
エール・第87話 [エール]
「古山さんの音楽は、国民を戦いに駆り立てる音楽だ。そのことに良心の呵責を覚えていませんか。自分の作った音楽がトゲになっていませんか。もしトゲを抜きたくて・・・自分のおこないが正しいと 確かめたくて戦場に行くなら、おやめなさい。戦場に意味を求めても、なにもありません。(中略) 戦場にあるのは、生きるか、死ぬか、それだけです」
NHK/2020年10月13日放送
【脚本】吉田照幸/【原案】林宏司
エール・第86話 [エール]
「前線は地獄です。険しい山、濁流の大河、悪疫、食糧不足――。戦う以前に、命を保つことさえ難しい。前線部隊への、武器や弾薬、食料の補給もまったく追いついていない。それなのに、進撃命令を出す司令官。すべて、無謀で、無駄な死。まさに犬死にです。(中略) 一杯の水がないだけで、死んで行く者がいます。そんなこと、許されていいのでしょうか? 古山さん、日本は負けます。命を尊重しない戦いに未来はありません」
NHK/2020年10月12日放送
【脚本】吉田照幸/【原案】林宏司
エール・第85話 [エール]
「歴史は繰り返す――。人類は生まれてからずーっと戦ってる。へんな話、ギリシア神話では神々だって戦ってるんだから。(中略) 早く戦争が終わって、おいしいコーヒーがいれたい。それだけが、ぼくの望み」
「戦争がはじまり、ぼくの曲は急に売れるようになりました。歌謡曲では邪魔した西洋音楽への未練が、戦時歌謡では吉と出ました。戦意高揚に敵国の音楽の知識が役に立つとは皮肉です」
NHK/2020年10月9日放送
【脚本】吉田照幸/【原案】林宏司
エール・第83話 [エール]
「ツラさは、いろいろあります。家族と離れた寂しさ。訓練についていけないときのミジメさ。集団生活に馴染めない孤独。わたしのせいで班員がしごかれてるときの不甲斐なさ。中でも、いちばんツラかったのが洗濯です。寒さで指先が切れ、痛くて痛くて・・・。それを母は、ぼくのためにずっとしてくれていた。予科練に入るまで、服がきれいなのは当たり前だと思っていた自分が情けなくて。親に報いるためにも、わたしは立派な飛行兵になり、皇国の御為に戦います」
「うわさ話なんだけど、激戦地への慰問、裕一が候補に挙がってるらしい。頼まれたら、期待に応えようとしちまう性格だから、要請きたら行くんじゃねえかと思って。優しさって、ときに命取りになっから・・・」
「ここの初期の練習生が卒業するときに、わたしは『愛染かつら』の『花も嵐も踏み越えて、行くが男の生きる道』――。あの一節を歌い、『若いおまえたちには、花のような まだ見果てぬ夢があるだろう。また、行く手には恐怖をそそる嵐もあるだろう。だが、それを勇敢に踏み越えて進むのが日本男児の道だ』と言葉を贈りました。その中に、爆弾小僧と あだ名された、田丸という暴れん坊がいたんです。勇猛果敢なやつでした。炎で燃え上がる飛行機を田丸は操縦し続け、敵艦に体当たりして、大きな戦果を上げました。きっと田丸は、あの歌を心に刻んで、立派に戦ったんです。先生、歌には ひとの心を奮い立たせる力があります。何百万人の心をひとつにする力があります。どうか、これからも命を賭して生きる若者のために、よろしく お願いします」
NHK/2020年10月7日放送
【脚本】吉田照幸/【原案】林宏司
エール・第80話 [エール]
「われわれの使命は軍需産業に従事する者たちの士気を高め、日本の勝利に貢献することです。音楽は軍需品なんですよ。いまは芸術だの、楽しみなどといった のん気なことを言っている時世ではありません。(中略) 戦争の役に立たない音楽など、いらないのです」
「みんなが同じ考えでなくてはならないのかな。そうじゃないひとは いらないっていう世の中は、わたしはイヤ」
NHK/2020年10月2日放送
【脚本】清水友佳子/【原案】林宏司
エール・第58話 [エール]
「楽しいのに進展しない時間が続くと、女性は男性を恋愛対象から友達へと認識を変えてしまいます。早く勝負をかけた方がいいと思います」
「独りでいるのは好きだが、彼女のことも好きだ。自分の中で どちらも欲しい。これまでの関係が気まずくなるのもイヤ。自分が傷つくのもイヤ。(それが いまのあなたです。)ある本に書いてありました。ひとは行動することで、自分を変えられると。言い換えれば、ひとは考えてても、自分を変えることはできない ということです。すべては行動です。まずは食事に誘ってみましょう」
「あなたが この店を一歩 出れば、すべてが変わります。(中略) 言ったでしょ、すべては行動です。結果は変わらないかもしれない。恵さんは得られないかもしれない。しかし、あなたは変わります。人生の分かれ道は突然やって来ます。そこで行動すれば、すべてが変わります」
「ぼくは いままで過去に生きてきました。でも、あなたと出会って、初めて未来を見ることができたんです」
NHK/2020年6月17日放送
【脚本】吉田照幸/【原案】林宏司