映像研には手を出すな!・第6話(最終回) [映像研には手を出すな!]
「アニメーターの本領発揮は、締め切り時間を過ぎてから」
「(作業は)終わったんですか」
「終わるとか、完成するとかではなく、魂を込めた妥協と あきらめの結石が出た」
「おうおう、下手に出てりゃ、つけ上がりやがって。てめえっちに頭下げるような おアニさんと、おアニさんの出来が少ーしばかり違えんだよ。てめえら生徒会にあわせてやった儀式みてえな くだらねえ能書きの段から、グズグズ文句ばっかり言いやがって。なにを? 問題ありまくり? なっ、てやんでい、黙って聞いてりゃ、ガタガタ、ガタガタ、好き勝手ぬかしやがって、この唐変木。好きで悪漢に追われて、ボロい部室にケガさせられてるわけじゃねえや。どれもこれも、アニメ作るにゃ、必要な苦労だったんだ。てめえらには わからねえ “細工” の苦労だ、べらぼうめ。細工は流々 仕上げを御覧じろ、だろ」
TBS/2020年5月12日深夜放送
【脚本】英勉、高野水登/【原作】大童澄瞳
映像研には手を出すな!・第5話 [映像研には手を出すな!]
「わたしは友達じゃないでしょう。児童総友達説は教育現場の妖怪信仰ですよ。おたくとは利害が一致しただけです。互いに相手がいなかったんですから。しかしまあ、学校では当分、持ちつ持たれつの共生関係でしょうな」
「ガスマスクの少女、着地するもバランスを崩す。倒れる――。これが、わたしの描きたいアニメーションなの。世の中にはリアル志向の動画があるんだよ。演技は素朴でも、写実的な動画は充分 見栄えするよ。(簡単で、派手で、尺があるアニメを作れと言うけど)わたしにとっては、これが豪華絢爛なアニメーションなんだよ」
「生徒の自主自立という詭弁で、(生徒会は教師から)仕事と責任をなすりつけられているわけでしょ。それは飼い殺しというのでは?」
「自由はもろく、自由の価値に気づく者も少ない。気づかなければ。価値は存在し得ない」
TBS/2020年5月5日深夜放送
【脚本】英勉、高野水登/【原作】大童澄瞳
映像研には手を出すな!・第4話 [映像研には手を出すな!]
映像研には手を出すな!・第2話 [映像研には手を出すな!]
「昨今、映像コンテンツの主張手段が多様化し、映像媒体による垣根は なくなりつつあると言って差し支えないでしょう。映画をテレビで観(て)、テレビを通信用小型デバイスで観る時代――」
「原点であり頂点。王が誕生したと思ってください。映画、ドラマ、アニメ、エトセトラ、エトセトラ・・・。それらの原点は なんですか。そうです(映像です)。ですが、これまで映像という概念そのものを研究する部活動はありませんでした。いま枝葉ばかりが広がり、むやみやたらに細分化される映像系部活動に必要なのは、大きな幹だとは思いませんか。ひとびとは待っているのです、(映像研究同好会という)王の誕生を。いずれ、すべての部が わたしたちに ひれ伏すでしょう」
TBS/2020年4月14日深夜放送
【脚本】英勉、高野水登/【原作】大童澄瞳