silent・第11話(最終回) [silent]
「想の見てる青羽って『高校生の紬ちゃん』で止まってんだよね。青羽の変わってないとこばっか見てる。逆に、青羽はすぐ いまの想のこと 受け入れて、いまの想のこと ずっと ちゃんと見てて・・・。ちゃんと お互いのこと見てるのに、見てる時間だけ違ってる。8年分ずれてる」
「わたしたちは、うつむいてたら優しく声かけてもらっても気づけないんだよ。見ようとしないとダメだよ」
「お別れするときこそね、全部 相手に渡さないとダメ。中途半端にすると、自分の中に残っちゃうから。(中略) 思い出 残ると厄介だから投げつけてきな。いいの、いいの、そのうち美化されて、原形なくなるんだから。投げつけてきな。できなかったら、お別れしないほうが いいってことだから」
「ひとそれぞれ違う考え方があって、違う生き方してきたんだから、わかり合えないことは絶対ある。他人のこと かわいそうに思ったり、間違ってるって否定したくもなる。それでも一緒にいたいと思うひとと一緒にいるために、言葉があるんだと思う。たぶん全部はムリだけど、できるだけ わかり合えるように たくさん話そうよ。言葉にできないときは、黙って泣いてもいいよ。わたしも、黙って背中さするから」
「会社の近くに お花屋さんが できてたから、入ってみたの。店員さんと筆談で おしゃべりしてたら、教えてくれた・・・お花は音がなくて、言葉があって、気持ちが乗せられるんだよって」
「青羽の声、思い出せないし、もう聞けない。でも、青羽の言葉が見えるようになって、よかった」
フジテレビ/2022年12月22日放送
【脚本】生方美久
silent・第10話 [silent]
「手話はコミュニケーションの手段でしかなかった。言葉の意味を理解することと、相手の想いが わかるってことは違った・・・聴者に いろんなひとがいるように、聾者にだって いろんなひとがいたし。いろんな聾者と知り合ったけど、桃野さんみたいなひとは、桃野さんしかいなかった。結局は、伝えたいとか、受け取ろうとか、そういう気持ちがあるかどうかなんだと思う」
フジテレビ/2022年12月15日放送
【脚本】生方美久
silent・第8話 [silent]
「ニコッと笑う子だった。彼女が笑うと、ホントにニコッと音が出そうだった」
「善意は押しつけられたら偽善なの」
「なんか悪いことした? ごめんなさい言う前の顔してる」
「実家から帰るとき、荷物 増える現象――そろそろ、名前 欲しいわ」
「親の真心――。言葉じゃ伝えきれないからさ、物に託すの」
フジテレビ/2022年12月1日放送
【脚本】生方美久
silent・第7話 [silent]
「フラなくていいよ。フッた側って悪者みたいになるでしょ・・・勝手に好きになられただけなのに。想くんは いままでも、これからも、ずっと友達。悪者になろうとしなくていい」
「しゃべりたくないなら、無理にしゃべることないし。イヤなことの理由って、わざわざ言いたくないこともあると思うし」
「気持ちを伝えようって必死になってくれる姿って、すごく愛おしい。真っ直ぐに そのひとの言葉が自分にだけ飛んでくる――」
「この前(あの子に)『プレゼントを使い回された気分』って言っちゃった・・・わたしが想くんに教えた手話が、あの子に伝わっていくの。でも、いまは おすそ分けしたって気持ち。あげてよかったって気持ち」
フジテレビ/2022年11月17日放送
【脚本】生方美久
silent・第6話 [silent]
「(人生から)音がなくなることは悲しいことかもしれないけど、音のない世界は、悲しい世界じゃない。わたしは(生まれつき耳が聞こえないけど)生まれてから ずっと悲しいわけじゃない。悲しいこともあったけど、うれしいことも いっぱいある。それは、聴者も、聾者も同じ。あなたも同じ」
「『どんなひと?』って聞かれたとき、好きなひとのことだと、そのひとの好きなところ言っちゃうんだって。嫌いなひとのことだと、嫌いなところ。どちらでもない知り合いとかだと、普通に関係性とか、プロフィールとか、説明しちゃうんだって」
「(紬さんは)そこの手話教室で勉強してるんだよね。想くんにも手話 教わってる? わたしが想くんに手話を教えたの。プレゼントを使い回された気持ち・・・。好きなひとにあげたプレゼント、包み直して他人に渡された感じ」
フジテレビ/2022年11月10日放送
【脚本】生方美久
silent・第5話 [silent]
「誰のせいでもないことが、いちばん厄介なの」
「自分のこと好きなひと 好きになるとさ、片思いできないよね。もったいないよね。楽しいのに、片思い」
「女の子にはね、ちょっと優しくないほうがモテるよ」
「戸川くんといた この3年の紬は、穏やかだったの。うーん、キラキラっていうよりは、ぽわぽわしてて。落ち着いてて、幸せそうだった。(中略) 女の子をキラキラさせる男って、スゲエなって思ってたんだけど・・・でも、ぽわぽわさせるのもね、なかなかの才能だと思うけどね。だから、わたしは・・・他人の わたしからしたら、この3年の紬、幸せそうで うれしかったけどね。戸川くん、やればできるじゃんって」
「好きなひとが言う『カワイイ』はね、強いから、威力が。中学生のときに買ったヘアピンも、捨てらんなくなる」
フジテレビ/2022年11月3日放送
【脚本】生方美久
silent・第4話 [silent]
「紬さ、意外と本気で戸川くんのこと好きだよね。好きなひと いなくなったから、いるひと好きになったのかと思ってた」
「この3年、(紬はオレと一緒にいて)ホントは楽しくなかったと思う。行きたいとこ、食べたいもの、欲しいもの・・・オレ、全部なんでもいいよって。紬の好きでいいよって言うから、つまんなかったと思う。紬が教えてくれた音楽とか、映画とか、いいねって感想しか言えなくて・・・。オレ、ホント つまんないから」
「紬、想の横にいるときが いちばんカワイイんだよね。知らなかったでしょ。いつでも自分が見てきた あの紬だと思ってるでしょ。(想は)耳 聞こえないだけでしょ? ほかに なんにも変わってないから。すっごい性格ゆがんでないかなとか、ちょっと期待したのに。(オレが紬と別れるのは)べつに想のためとかじゃなくて、どっちかというと紬のためで・・・ホントに本音を言えば、自分のため。オレがしんどいだけ。ふたり見てて、ふたりがどう思ってるか、なに考えてるか わかるから。言ったじゃん、みんな 戻れると思うって。戻れたら、オレはうれしいって」
フジテレビ/2022年10月27日放送
【脚本】生方美久
silent・第3話 [silent]
「無理なことってあるんだよ。無理してやったことって、無理なことなんだよ。無理すると、ホントに全部 無理になっちゃうんだよ。『やればできる』って、やらせるための呪文だよ。期待と圧力は違うよ」
フジテレビ/2022年10月20日放送
【脚本】生方美久
silent・第2話 [silent]
「佐倉くんに向けられる悪意ってね、全部 嫉妬だから聞き流して大丈夫だよ。みんな、佐倉くんのこと嫌いなんじゃないの。好き過ぎるの」
「ひとの悪口ってね、悪口 言っていいひとには言っていいんだよ。わたし、言っていいひとだから。寝たら忘れるひとだから。はい、どうぞ」
「泣きたいとき、優しくされると、泣きたくなるよね。 わかる。いいよ、泣いとこ 泣いとこ。男の子も泣いていいんだよ。わたし、寝たら忘れるから」
「なにかあったら電話して。なにもなくても電話して。佐倉くんの電話したいときに電話して。わたし、したくないときないから。24時間体制だから」
「すごく好きだけど両思いになれなかったり、なれても別れてしまったり・・・そういうとき、思いません? はじめから出会わなければよかったって。このひとに出会わなければ、こんなに悲しい思いしなくて済んだのにって思いません?」
「好きになれてよかったって思います」
フジテレビ/2022年10月13日放送
【脚本】生方美久
silent・第1話 [silent]
「いま思うと、学校っていうのは すごい場所だった。嫌でも週5で行く場所で、嫌でも週5で好きなひとに会える場所だった」
「クリスマスにプレゼント交換しようって言って、予算だけ決めて いざ交換したら、同じイヤホンの色違いで、ホントに交換しただけだねって言って、笑った」
「優しい(ひと)です。なんかもう『主成分 優しさ』って感じのひとで。(中略) ひとのために、優しさ全力で使っちゃって、自分の分 残すの忘れちゃうひとで」
フジテレビ/2022年10月6日放送
【脚本】生方美久