女神の教室 ~リーガル青春白書~・第10話 [女神の教室]
女神の教室 ~リーガル青春白書~・第9話 [女神の教室]
「いまここに警察が踏み込んできて、5年前に起きた ある殺人事件の容疑者として、あなたを逮捕したらどうする? どうやって無実を証明する? その日、どこで なにをしていたかを説明して、その証拠を用意できるかな。やっていないことを、やっていないと、ひとに認めさせることは、とても難しい。だから『疑わしきは被告人の利益に』――この原則が必要なの。冤罪は絶対にあってはならない人権侵害だから」
「真犯人を見つけ出すのは捜査機関のすること。刑事裁判の目的は冤罪の防止。つまり、自分がやっていないにもかかわらず、やったとされることを防ぎ、もし やっていた場合にも、やったこと以上の責任を負わされることが ないようにすることなの。裁判官だって人間。決して全能じゃない。『自分は正しい』――そういう思い込みが、冤罪を生んでいるの。だから、裁判には検事がいて、弁護士がいて、裁判官がいる。それぞれが役割を全うし、それぞれを信じて力を合わせる。そうすることで、ようやく真実に近づける――」
「励ますだけなら、家族でも、友達でもできる。弁護士が寄り添うっていうのはね、一緒に戦うことなの」
フジテレビ/2023年3月6日放送
【脚本】神田優/【脚本協力】伊吹一
女神の教室 ~リーガル青春白書~・第8話 [女神の教室]
「照井さんは いま確実に、一歩一歩 前に進んでる。その歩幅は、もしかすると自分の理想よりは小さいのかもしれない。でも、前にさえ進んでいれば、必ず司法試験は突破できるよ」
「(憲法第27条。すべて国民は働く権利を有し、義務を負う――。)そう、義務の前に権利がある。働くことを通じて、誰かの役に立ったり、社会の一員だと感じられたり、自分のやりたいことを実現させたり、いろんなことができる。そんなふうに、ときとして仕事はみんなに収入以上のものを もたらしてくれる。だから、一人ひとりに働く権利が保証されているんじゃないのかな。夢とか、目標とか、なくたっていい。なくても生きていける。ただ、働く権利がある意味だけは忘れずにいて欲しいな」
「いまロースクールは、その存在意義の薄さから、早期に廃止に向かうべきではないかという意見が出ています。ですが、わたしは ただ知識を詰め込んだだけでは、プロの世界で行き詰ると思うんですよ。ロースクールは本来、得た知識を実際に使う力、そして法曹家に必要な高い人間性を育める場所です。そうなれる場所をわたしは目指しています」
フジテレビ/2023年2月27日放送
【脚本】神田優/【脚本協力】蓼内健太、伊吹一
女神の教室 ~リーガル青春白書~・第7話 [女神の教室]
女神の教室 ~リーガル青春白書~・第6話 [女神の教室]
女神の教室 ~リーガル青春白書~・第5話 [女神の教室]
「刑法199条・殺人罪――。ひとを殺した者は罪に問われるけど、じゃあ、この場合の『ひと』って? そこに胎児は含まれるのかな。クローン人間は? 法律はそういった解釈の難しい いろんな問題にぶつかる度に、改正されたり、新たに制定されて、いまじゃ2000個くらいある」
「(法科大学院で学ぶことは)懲役3年、罰金400万円と揶揄されるぐらいですからね。ロースクールに恨みを持つ者は多いかと」
「日本はさ、性犯罪に対する刑罰が軽すぎるって言われてるでしょ。刑法ができたのは明治で、そのころは選挙権すらない女性の声が反映されないのは当然だった。でも、いまは それも変わってきてる。たくさんの被害者が声を上げて、ようやく法改正された。でも、まだ充分じゃないから、いまも声を上げ続けているひとたちが たくさんいる。法律ってね、生きてるんだよ。誰かの思いで、変わっていく」
「(彼女は)優秀とは言えない学生でした。成績はいつも最下位で、暗記が とにかく苦手で・・・。ただ、深く考えることだけは得意だった」
フジテレビ/2023年2月6日放送
【脚本】大北はるか/【脚本協力】蓼内健太、伊吹一
女神の教室 ~リーガル青春白書~・第4話 [女神の教室]
女神の教室 ~リーガル青春白書~・第3話 [女神の教室]
「黙秘権について疑問を持つひとって、少なくないと思うんだよね。法律の世界では常識であることが、一般社会からすると非常識に思えることがある。黙秘権はその典型であり、常識の逆転現象とも言われている」
「ぼくが検事として法廷に立っていられるのは、向こう側に弁護人がいるからなんだ。お互いが、あらゆる手段を使って本気で戦って出した答えなら、限りなく真実に近いと思えるからね。検事と弁護人は、敵であり、味方なんだよ」
「なにが正解か、答えが わからない世界で、それでも ひとつの真実に近づくためには、それぞれが同じ土俵で、同じ武器を持って戦う必要があるんです。武器とは法律です。法律家は法律をその知識として持ってます。その武器を手に検察官と弁護人は戦うことができるのです。しかし、被告人にその知識は必ずしもありません。だから、被告人にも黙秘権という武器を与えるべきなのです。(中略) そうでなければ、相手から武器を奪わない限り勝てないという、法律家の敗北を意味するからです。いいですか、(黙秘権が)行き過ぎた加害者擁護なんて考えは、無能な法律家の言い訳に過ぎない。われわれは相手に黙秘権を与えた上で、法に則って真実を追求すべきです」
「(黙秘権を認めず)強制的に自白を引き出し、万が一にも冤罪を生めば、その人物は犯罪者に等しい立場になります。そののち、死刑になったひとが出れば、人殺しにだってなってしまうんです。このように、黙秘権は加害者擁護だけでなく、法律家を犯罪者にしないためにも必要な権利なのです」
「憲法第19条――思想、及び良心の自由はこれを冒してはならない。同条は個人の内面の自由を保障している。内面の自由は、人間の尊厳の根幹そのものであり、国家による制限を受けない絶対的な自由だ。黙秘権は、この内面の自由を保障するために必要な権利――」
フジテレビ/2023年1月23日放送
【脚本】大北はるか/【脚本協力】伊吹一
女神の教室 ~リーガル青春白書~・第2話 [女神の教室]
女神の教室 ~リーガル青春白書~・第1話 [女神の教室]
「あなたは なぜ彼らがロースクールに来ているか理解していますか。(裁判官や検事、弁護士になるためだというのは)違います。司法試験に受かるためです。予備試験を突破できる実力がなかった彼らは、仕方なくローに通い、司法試験の受験資格を得ようとしています。つまり、彼らのゴールは司法試験に合格――それのみです」
「ツラかったもんな、ロースクール時代。来る日も来る日も、講義の予習と復習に追われて・・・並行して、司法試験の勉強もしなきゃならない。精神的にも、肉体的にも追い詰められて、それでも休むことなく1日12時間以上 勉強するのが当たり前。そんな砂を噛むような学生生活を送ったところで、司法試験に受かる保証はどこにもない。しかも、その司法試験を受けられるのも5回だけ。メシアがいるなら、すがりたくもなるよ」
「裁判において、弁護側はあらゆる可能性を踏まえ、合理的な疑いを差しはさむのが仕事です。だから、彼らは彼らなりに合理的な疑いを主張しています。その上で、この疑いを超える証明をするのは検察側の責務です」
「法廷では、自分の思いを主張することが、どんなひとにも許されている。これはあなたの裁判よ」
フジテレビ/2023年1月9日放送
【脚本】大北はるか、神田優/【脚本協力】伊吹一