左ききのエレン・第8話 [左ききのエレン]
「サラリーマンには4種類(ある)。『1 替えが利かへん有能』。つまり、会社のスターや。変人が多い。独自のノウハウやコネクション持ってる。『2 替えが利く有能』。これは主戦力や。マネしやすいし、使いやすい。『3 替えが利かへん無能』。どっかで生きるで。いますぐ転職すべきや。ユニーク。なにかあるけど(うちでは使えん)。『4 替えが利く無能』。若いうちは、大体これやな。武器は無し。石の上にも三年。がんばれー。この中で、いちばん会社に必要な人材はどれや。(1ではない、)2や。替えの効く有能――。スターなんていらんで。どうせ、転職や独立や言うて、すぐ逃げよんねん、神谷みたいにな。でも、2には新人を主戦力に育て上げる力がある。ぼくが考える最強のチームは、再現性のある使い勝手のいい軍団や」
「おまえは神谷みたいには なれへん。スターになろう思うて、アホみたいに あせりやがって。おまえには ないんや、高次元の発想法やら、作家性のある言葉選びやら、常軌を逸する審美眼やら、そういう “才能” ってやつが」
「光一のこと、頼むわ。いいんだよ、なんもしなくて。ただ自分のことを気にかけてくれる先輩がいる。それだけで、ひとは折れにくい」
TBS/2019年12月10日深夜放送
【脚本】本田隆朗/【原作】かっぴー
G線上のあなたと私・第9話 [G線上のあなたと私]
「十五歳から二十歳っていったら、恋愛においてもバリバリ成長期じゃないですか。それを凍結させちゃった罪は重いですよ、眞於さん」
「独りになりたいって言ってるときは、誰かに来てほしいし、大丈夫って言ってるときは、全然 大丈夫じゃなかったりするんだよ。わたしたちって、そういうとこあるの、ごめんね。たしかに頑張ろうとか、キレイになりたいって、努力するパワーもあるよ。実際、頑張ったし。あたし、結構 頑張ったし。でも、それと おんなじくらい、『ああ、あたしダメだ』って、自分のこと、バンバンぶん殴るマイナスパワーも発動すんの。あ、女子力って、マイナス方向にもあるのか。いまわかった」
TBS/2019年12月10日放送
【脚本】安達奈緒子/【原作】いくえみ綾
やすらぎの刻 ~道・第176話 [やすらぎの刻]
「まったく、近ごろのな、医学ってのは どうかしてるぜ。延命のことばかり考えやがってさ。ラクにすることを一向に考えてくれないんだよ。日本にはさ、胃瘻をつけた寝たきりの高齢者が30万人いてさ。で、毎年、1兆から2兆の税金を使ってるんだ。ところがだ・・・ところが、ほかに助ける方法はいくらもあるんだ。あるにもかかわらず、それをおこなわないのは、ほら、例の保護責任者遺棄致死罪、この法律に問われるからだってんだ。そんなバカな言い草があってたまるもんか。まったく いまの法律家どもは、どうかしてやがるぜ。なあ、くだらねえことに、あんた、国費を使いくさってさ」
「(こうして またきみに会えたなんて)ホントに夢のようだ。これがオレの入舞かなあ。世阿弥の言葉でね、人生最後の舞という意味ですよ」
テレビ朝日/2019年12月10日放送
【脚本】倉本聰