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厨房のありす・第10話(最終回) [厨房のありす]

「誰も幸せにしない真実なんて、必要だと思うか」



「あなたの口から出るのは、きれいごとと 嘘しかない。なにが『愛してる』よ。あなたが愛してるのは、いつも自分だけ」



「(ウサギのヘンリーは)友達ではありません。ぬいぐるみです。ヘンリーの中身は、ポリエステルと綿の2種類です。どちらも、炭素、水素、酸素で作られた単位が、長く連結した高分子です。つまり、ヘンリーはこれらの素材でできた物質でしかありません。しかし、ヘンリーはお母さんからプレゼントしてもらってから、火事のあともずっとずっと一緒でした。(中略) わたしとヘンリーには一緒に生きてきた25年間があるんです」



誠士せいじさんは わたしの実の父親です。誠士さんのDNAの半分は、わたしに受け継がれ、わたしのすべての細胞核に染色体という形で収まっています。一方、八重森心護やえもりしんごのDNAは わたしの体内のDNAには一片も組み込まれていません。でも、わたしを引き取ってから、毎日 わたしに慣れない ご飯を作ってくれました。いつも科学の知識を楽しく教えてくれました。和紗かずさや三ツ沢家の人々を味方につけ、わたしを守ろうとしてくれました。そうやって一緒に暮らしてきた時間が、わたしたちの間には確実にあります。この25年間、わたしに向き合ってくれて、わたしと一緒に築いてきてくれた関係こそが、わたしにとって信じられるものなんです。あなたは生物学上の父親ではありますが、わたしのお父さんではありません。お父さんは八重森心護だけです」



「キュウリに含まれる酵素アスコルビナーゼは、トマトに含まれるビタミンCを壊してすまう。つまり、トマトとキュウリはかたき同士。このふたつを一緒に食べては、栄養価が台無しになります。しかし、マヨネーズをかけることでキュウリのアスコルビナーゼの働きかけを弱めることができます。そういうことが言いたかったんですね。(中略) わたしたちは一緒にいてもいいということですか」


日本テレビ/2024年3月24日放送
【脚本】
玉田真也
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舟を編む 〜私、辞書つくります〜・第6話 [舟を編む]

「カツはカツとしてカレーと出会い、カレーはカレーとしてカツと出会う。しかしてなんじ、汝としてカツカレーと出会う」



微風びふうは『そよかぜ』とも読めます。いわゆる当て字ですが、熟字訓とも考えられますね。漢字二文字以上の熟語に当てられた、一文字ずつに分けられない訓読みのことです。そよかぜの『そよ』、つまり微風の『微』は、それ一文字では『そよ』とは読めませんよね。『』は『かぜ』と出会って初めて『そよ』になれるんです」



「(書籍の企画が)バンバン中止になってる一方で、バンバン決まってんのが いわゆるインフルエンサー本だからね。フォロワー数は売上予測データのひとつにはなってるよ」



「(松本先生にSNSなんて)ムリムリ。『おはようございます』って打ってるあいだに昼になっちゃうよ」



「より良い辞書を作る上で、紙による制約がかせになっているのではないかと(言われました)。紙はスペースに制限があるから、項目を無限に増やすことはできないし、語釈や用例を最小限に削り込まなければならない。改訂版を出さない限り、情報が古くなっても更新できないし、万が一 ミスが見つかっても訂正ができない。デジタルにすれば、それらの制約はなくなり、より良い辞書作りを目指せるのではないかと・・・。『大渡海だいとかい』のデジタル一本化は、顧客より、むしろ われわれ編集部にとってメリットが大きいというのが、社長はじめ上層部の見解です」



「枷じゃない。(中略) その制約は、辞書をより高みに運ぶ翼だ」



「ナイフだと思った言葉が、本当は花束だった」



「紙の辞書なんて、陳腐化するものの代表かもしれない。でもな、違うんだよ、天童くん。紙の辞書に刻み込まれた情報は、その時代 時代の記録でもあるんだ。価値があるんだよ。(中略) 岸辺さん、きみが一石を投じてくれた『恋愛』の語釈――。いつかきっと すべての辞書から『男女』や『異性』という文字が消える日が来るって、いまはオレも思ってる。でもね、かつてはあった。恋愛が異性間だけのものだって思われていた時代が確かにあった。その記録を残しておくことは、とても大切なことなんだよ。人間がその歴史の中で、いつ、なにを手放し、いつ、なにを獲得したのか、紙の辞書にはね、その記録が詰まってる」



「紙の辞書をデジタルの付録にするんです。『大渡海だいとかい』のメインはデジタル(にするのが会社の方針なら)それ単品でも買えるけど、紙の辞書付きのものも選べるって感じで。(中略) 間違えました。付録じゃないです。添え物じゃなくて、特典です。マンガとかDVDとか、豪華版ってあるじゃないですか。あんなイメージでした。デジタルの豪華版の特典が紙の辞書。付録じゃないです、豪華特典です。どんな手 使っても、特典でも なんでも 作れたら・・・1冊でも作れたら、あたし 勝てると思うんです。絶対 口コミで広がって、注文バンバン入ります。だって、作るじゃないですか、あたしたち・・・そういう辞書」



「荒木さんは 人生 やり直しても、絶対また辞書 作ってます・・・松本先生に出会って、西岡さんに出会って、馬締まじめさんと、佐々木さんと、天童くんと、あたしに出会って。あたしもです。あたし、もうカツカレーです。熟字訓なんです。(中略) カツとカレーがカツカレーになったみたいに、『』と『ふう』が出会って そよ風になったみたいに、あたしも いままでとは違う あたしになって、もう戻れないです、出会っちゃったから・・・辞書 作る前のあたしには」


NHK BS/2024年3月24日放送
【脚本】
蛭田直美/【原作】三浦しをん
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万博の太陽 [単発]

「千夏は千夏の人生を歩きはじめたの。それを邪魔して家に閉じ込めるなんて、そんな資格、親にも誰にもない」


テレビ朝日/2024年3月24日放送
【脚本】
中園ミホ/【脚本協力】山岡真介
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ファーストステップ3 ~世界をつなぐ平和への願い~ [単発]

「同じ空の下で生きているのに、なぜ ひとは争うのか。争うよりも、協力し合って生きたほうが、何倍も素敵なことなのに。そんな簡単なことを、なぜ人間は忘れてしまうのだろう」


BSよしもと/2024年3月24日放送
【脚本】
森安彩
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